第2話 選ばれし者の恍惚と不安、ふたつ我あり
社会人になって、プロレスをまた観るようになったきっかけがなんだったかは、もう覚えていない。
気が付いたらチャンネルを合わせていたって感じでした。
タイミング的には、大量離脱した元・新日勢がUターンしてきたころだったか?
つまり
全日本プロレスを経験することで、ハイスパートレスリングに磨きをかけた長州たちに、基礎的で地味だがその有効性はレスラーなら誰もが知る関節技やグラウンドテクニックを観客に魅せ伝えるようにしたユニバーサル勢は見栄えがした。
一部ベテランや中堅勢がごっそり抜け、速成した若手を戦力に加えることで急場を何とかしのいでいた残留新日勢には、リング上の光景が面白くなかったでしょう。
当然生まれる反発。
新日
なんだかんだ言って、人気絶頂期の陣容が揃ったわけなんだから、それなりの売り方すれば成功もするわさ。
てな感じで新日が元気を取り戻していった訳で、一方の雄・全日本プロレスもユニバーサルからのベテラン勢の移籍参加や、長州に刺激を受け、その離脱に危機感を覚えた
ある意味第二次プロレスブームが到来してたんですね、このころって。
全日本プロレスをちゃんと見出したのもこのころで、さすがは老舗とでもいうような、招聘ルートのしっかりした外国人勢とか、大会をワンパッケージとした観客への訴求とかに巧いものがありました。
タレントが多過ぎる上に出場が確約され固定化された選手がいたりして、試合の流れがどれも似たような傾向に陥る新日に対し、若手の初々しくもぎこちない試合から始まって、中堅選手や外国人選手の落ち着いた外れのない試合、トップを退いたジャイアント
そして、トップ勢とそれを狙う次世代の織り成すハードヒットレスリング。
放送時間の関係でテレビだと一部しか見れないので解り辛かったかもしれないけど、大会全部を頭から通して観たら満足度はとんでもなかったでしょうね。
どちらの団体も『
けれど時代は繰り返す。
新日は出戻りの長州がなぜか権力を握り、団体の中心に座ったことで違う軋轢が生まれ、プロレスに対する姿勢の違いから対立していた旧ユニバーサル勢が干され出す。
憤った筆頭格の前田日明の、いわゆる長州顔面蹴撃事件によって決裂がハッキリして、前田と彼を慕う若手トップと数名の新人が、新日を離脱。自身の団体を設立するに至った。
新生とも第二次とも呼ばれ、一大格闘プロレスブームを起こしたUWFの誕生である。
プロレスに異種業界の経営手法を持ち込み、プロレスの不思議とされていた不透明な決着を廃したUWFは新しいプロレスの波を生み、あっという間に大人気となった。
斯くいう私も、その洗礼を受けたひとり(自爆)
なんだかわかんないけど、その熱気に充てられて、のめり込んでいました。
地方民でしたし、社会人だったので、月一回の試合を見に行くなんてできやしない。
かわりに大会のビデオが発売されたらすぐに飛びついて買っていました。
各大会のオフィシャルグッズがプロレスグッズの通販ショップに出れば、大枚叩いて買っていました。
あの頃はカード決済とかやってなくて、現金書留か郵便小為替だったなぁ。
東京ドーム大会クローズドサーキット会場のひとつが地元だったんで、チケット買って観に行ったりもしました。……思い返したら、現在までで唯一のライブ体験だったりする(笑)
まだ二十代前半でしたから、ある意味青春かけてましたねぇ(爆)
今でもUWF系のプロレススタイルが好きです。
蹴って、組んで、投げて。互いの関節を取り合う「回転体」って呼ばれるムーブ、あれが大好きなのです。
ま、でも夢は覚めるってもんで、大人気だった第二次UWFも現場とフロントの乖離、選手間の不協和で解散する羽目に。
わずか三年余りの活動でした。
解散後は三派に分かれ、さらにそこからも分裂したりする、散り際はまったくもって美しくないムーブメントでした(爆)
今回はここまで。
次回は天竜革命の終焉から箱舟出航くらいかな?
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