始まりの村編

第2話旅は何とやら

前回までのあらすじ

正義の女神カイラ様に選ばれた少女。

アリス・リーライトは幼なじみであるユダ・ブリーストと共に世界を救う旅に出た。


少女達が村を出て早一日、街道を歩いているはずなのに村どころか盗賊の類にすら出会っていない。

「ユダぁ」

「何?」

「ひょっとしなくても。さ」

「うん。村が見つからなければ野宿だね」

アリスが見たくなかった現実を同行者幼なじみは突き付けてきた。

アリスの体を動かしていた力は消え、その場にへたり込んでしまった。

「大丈夫?少し休もうか」

幼なじみユダ彼女アリスに肩を貸すとすぐ近くの木陰に彼女を連れて行った。

アリスは鞄の中に入れていた水筒から飲み水を勢いよく飲み干した。

「飲み水でも汲んでくるね」「お願い」

ユダはそう言うとアリスが差しだした水筒を受け取るとその場を離れた。

疲れていたからか、木陰が気持ちよかったからか、

少女は緩やかに眠りに落ちた。


夢・

「こんにちはわたしの代行者えいゆう


少女は今までのようにどの色とも形容できない色で埋め尽くされた不思議な世界へやってきた。


コンニチハ!カミサマ!


「先に申し上げておきます。わたしの代行者えいゆうとして旅に出てくれてどうもありがとうございます」


ソンナ!コチラコソデス!


「それでは本題に入ります」


神様は少し悲しそうな

悔しそうな声をした


「あなたに倒してほしい悪魔はメサイアという名前の大悪魔です」


ダイアクマ。ソンナニワルイヤツナンデスカ?


「いえそんなに。ただあれは生まれた時に神の一柱に手傷を負わせた後にそちらの世界に逃げて行った存在です。ですのでこちらの法で裁く必要があるのです。ただ・・・」


タダ?


「アリスさんはご存じないとは思いますが、わたしたちは一部の例外を除いて肉の器を持った存在に危害は加えられないのです。そしてメサイアはそちらの世界ですでに受肉を終えています。つまり分類としては人間の一人ということになります」


・・・ハア?


「ごめんなさい。貴女には馴染みの薄い話ですものね」

間の抜けた声を出したアリスに神様は微笑むと続けた。

「つまりですね、私の代行者えいゆうとしての貴女達の旅の目的は『わたしたち怪物そんざい』ということです。もちろん、道中での支援はいたしますね」


・・・わかりました!!!任せてください!


「ありがとうございます。ではさっそく助言を。今貴女達が歩いている道を少し進んだ先に村があります。今は茂みに隠れて見えなくなっているだけで、かなり近い位置にあります。そこの村の人達が困っているようなので助けてあげてくださいね」


はい!


「それではまた近いうちに、貴女の旅が幸福に満ちたものであることを祈っております」


現・

「ん」

アリスが目を覚ますと、側ではユダが本を読んでいた。

「ごめん寝てた」

「そんなに長くなかったし大丈夫だよ。はいお水」

「ありがとう」

アリスは渡された水を勢いよく飲み干した。

「そんなに勢いよく飲んだら「大丈夫。さっき神様から『村は近くにあります』って言われたから!」

アリスは鞄に水筒を入れると心地の良い風が吹いてきた。

「どうする?もう少し休む?」

「僕はどちらでも良いよ?アリスはどうしたい?」

アリスはゆっくりと立ち上がると右手をユダに差し出した。

「じゃあゆっくり行こう。神様から聞いた村の話をするね」


こうして彼女たちの英雄としての旅は始まった。

果たして村には何が待っているのやら

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