第5話 猫と仲間
帰りのアイスクリームカーで横たわっている
パンプに猫が話しかける。
「パンプ…お前さ、飛んでったけど大丈夫か」
パンプは体を起こし返事する。
「飛んでった先にジャックさんがいたんで大丈夫でした。大した怪我はしてないし」
そうか、と猫は返事をし、また沈黙が流れる。
「あのさ…さっきからどうした?パンプ、元気というか活力がねぇぞ?」
猫が心配する。
「…僕は、慢心してました。自分は十分戦力になると、猫さんがいなくてもキャンプタワーを制圧できると。でも実際、猫さんがいなければ、僕は三回くらい死んでました。それに最後、あんなデカい奴に恐れずに突っ込んでく猫さんを見て…僕は…」
パンプが自分にイラつきながら喋る。
「そんな思い詰めるな、実際行きの会話で
なんだコイツとは思ったけど、実戦であのカボチャを使ってしっかり戦えててびっくりした。俺もお前がいなかったら死んでたかもな」猫が笑いかける。
「ありがとうございます…行きにその…武器の事…バカにしてすいません。でも、やっぱり毛糸を出すだけなんて…それだけでキャンプタワーを制圧した猫さんはすごいですけど…
強い殺傷力のある武器は使わないんですか?」
パンプは言いにくそうな質問をした。
「このCATちゃん一号は実際に布教でしか使わなかったんだ。毛糸で捕らえて捕まえるだけで戦いはそんなにしなかった。
俺の本当の戦闘武器は多分…捨てられてる」
猫は何気ない顔で答える。
「あの良かったらなんですけど…その武器、特徴やどんな武器か教えてもらえれば作れますよ」
猫は食いついた。
「本当か!そういえば、シナモンが兵器作りをしてるって言ってたな!帰ったら教えるから是非作ってくれ!」猫は興奮している。
「そういえばさ、パンプ、お前二ヶ月間なんか作ってたけど、全部捨て身カボチャ作ってたのか?」パンプが笑う「違いますよ、捨て身カボチャなんか一体作るのに二時間くらいで終わりますからね。僕は捨て身カボチャなんかよりとてつもなく凄い物を開発中です。
だから捨て身カボチャも六体しか持込ませんでした」パンプは少し後悔してるようだ。
「キャンプタワーにはこれくらいで十分だと思いましたがあそこは化け物だらけで…猫さんがいて本当よかったですよ」
猫が思い出す。
「そういえば…あの魔法使い、看守を大量に殺しまわっていた。なんであんだけ強いのに脱獄しないのかね」
パンプも疑問だった。「確かに…そういえば、僕達のこと襲ってきた時に本拠地の奴らか!って怒ってましたけど、もしかしたら本拠地を襲うためわざと近くの場所にいたのかもしれませんね」
そう話してる内にホワイトスカートの本拠地に着いた。「ジャック!囚人達は?」
猫が車から降りて尋ねる。
「車の操縦は慣れねぇなやっぱり」猫は猫背を治すとジャックに近寄った。
「一応、大丈夫そうです。杖は取り上げましたし、3人も抵抗は無さそうです」
ジャックはしっかり囚人達を連れてきてくれていた。
「よくやったジャック!よしシナモンに報告しよう」
3人は囚人達とホワイトスカート本拠地に入って行った。
「よくやってくれた、3人とも。囚人が3人で魔法使いが1人、上出来だ」作戦室まで行くとシナモンが出迎えてくれた。
「それはありがとう、でもなシナモン、
あんたさ全然連絡してくれなかったが
何をしてた?」猫が詰め寄る。
「…悪かった。実はなブルースカートの信者達にここを襲われてたんだ。やっぱりアイスクリームじゃ、騙せなかったみたいだ。俺の責任だ、
申し訳ない」
いかついシナモンが細々とした声であやまる。
「そっちも大変だったのか、そりゃお疲れさんだな。急に怒って悪かった。とりあえず、囚人達に話をしないとな」
猫が3人の囚人に話しかける。
「お前ら、うちの組織に入らないか?」
状況がわからない囚人達にシナモンも近づく。
「俺たちはブルースカートを潰す組織ホワイトスカートだ、急だが人手が足りなくてな
入ってくれないか?」囚人達は戸惑っているようだ。「ブルースカート教を潰すだって?そんなの自殺しろって言ってるみたいなもんだろ!助けてもらった命をまた捨てろというのか!」囚人の1人が激昂する。「なにも戦線に強制的に行かせるわけではない。戦力でもサポート面でも人が足りない。お前の能力次第だが、使い捨てにするつもりはない」
シナモンが落ち着いて言う。
「もし何もないなら、僕やジャックの手伝いをしてくれればいいしね」パンプも横から割り込む。
「…とりあえず、助けてもらった恩は返さないとなお前達」1人が言い2人がうなずく。
「わかりました。協力します」
冷たかった空気が一気に晴れた。
「ありがとう、じゃあ聞きたいがお前らは何ができる?」シナモンが嬉しそうに聞く。
「我々3人は隣国の「ブロ共和国」から来た、傭兵です。」
「俺が遠距離から殺し」
「俺は近距離で殺す」
「そして俺は2人の武器を作る」
3人が息ぴったりに喋る。
「なるほど、3人揃って一人前だな、でもなんでキャンプタワーにいたんだ?実力あれば信者くらい殺せるだろ」猫が不思議そうに聞く「恥ずかしい話なんですけど、野営してる時に奇襲を受けて、何もできない内に「夜の明かりは死の明かり、身をもって償え」ってキャンプタワーに…」
猫は不思議だった。
(最近の信者は恐怖におちいって従ってないのか?電気屋で襲ってきたやつも本気でブルースカートを信じてたっぽいしどうなってるだ、
今のブルースカートは)
「お前の事はよくわかった。最後に名前をいいかい?」シナモンが聞く。
「俺は「アカ」」小柄な顔に子供の描いたような仮面をつけてる、遠距離から攻撃すると喋った男だ。
「俺は「サビ」」大柄なオカメの仮面を被った近距離で戦うと言った男だ。
「俺は「クス」」最後に普通体型で頭が電球の武器を作りと言った男が答えた。
「よし、わかった。とりあえず、今日からここがお前らの家だ、ジャック!部屋に案内してやれ」ジャックは3人を連れて行った。
「よかったですね!仲間になってくれて、それに
「クス」だっけ?とは仲良くなれそうで良かったです」パンプは嬉しそうだ。「そうだな、お前の言ってた凄いやつが完成する日も近いかもな」
猫もほころびながら言う。
「後で見にきません?色々説明するんで」
パンプは来て欲しそうだ。
「それもいいがまずはこっちを片付けよう」
シナモンが2人に言う。「あぁコイツか」
猫は嫌そうだった、パンプを殺しかけた奴と話すのは、癪に触った。「起きろ!起きろ!」シナモンは魔法使いを酷く揺さぶり起こした。
「んっな、なんだ此処、お前は、!?
お前はあのクソ猫だな!殺す、ん、俺の杖がない!返せ!」起きた魔法使いは暴れてシナモンが抑えた。
「待て!俺らは敵じゃない!杖を返して欲しいなら、お前次第だ」
シナモンが怒鳴り魔法使いは黙った。
「とりあえず、お前ら俺に何のようだ、キャンプタワーから出しやがって。早く帰りたいんだが」その場全員が驚いた、キャンプタワーに戻りたいなんて言う奴が存在するとは思わなかったのだ。「ま、まぁとりあえず話を聞いてくれ、俺たちはブルースカート教を潰す集団ことホワイトスカートだ。今、アンタがここに入ってくれれば、戦力は猫と合わせてかなり上がる。結論、入ってくれないか?」
「入る」シナモンが話し終わった瞬間、食い気味で魔法使いは答えた。「いいぜ、入ってやる
俺がキャンプタワーにいたのも、ブルースカートを潰すためだ。それにお前!俺の事を意識不明にさせる程の戦闘力はあるみたいだし、かなり期待できる。よって!入る」
魔法使いのテンションにみんな、ついてけなかった。「あ、ありがとう、じゃあ何ができるか教えてくれないか?」シナモンが珍しく戸惑いながら聞いた。「俺はその名の通り、魔法が使えるが杖がないとほとんど使えない。
俺が使う魔法は相手の殺意を魔力に変えて戦うんだ。相手の殺意が高ければ高いほど、魔力はたまる。そして相手が俺にしようとしてる事をそっくりそのまま相手にノータイムで与えられる」猫は納得した。あの時、パンプの頭を吹っ飛ばした時、「爆散しろ」と言っていた。あの時パンプは相手を爆破しかできなかったら、パンプにかえって爆散したのだ。
「でも、簡単にはいかない、杖を真っ直ぐ正確に向けなければ、魔力だけ減り、何も起きない。大体1人の殺意の大きさは1人を殺せる魔力だから、外したら俺は杖を振ることしかできなくなる」長々と魔法使いが話終えた。
シナモンは感激していた。「なかなか強いな、
猫もパンプも優秀だが、飛び抜けて強い奴が入ってくれた!ありがとう!えーと名前は?」
魔法使いも褒められて喜んでいる。「俺は「ブルース」だ」猫とパンプは居心地が悪かった。
「ブルースね、わかった。部屋は猫と同じにする。猫、案内してやれ」猫は異論した。
「はぁ!?なんで俺の部屋なんだよ?部屋ならあるだろ」シナモンは何言ってんだっ顔をしている。「部屋なんて、もうないぞ、あの3人もいれて、空き部屋はない。わかったら、連れてけ。あとパンプ、布団持ってってくれるか。俺はやる事がある」シナモンは行ってしまった。猫とパンプは不貞腐れながら魔法使いを案内した。「おい、杖はまだか?」ブルースは言う。「杖?あぁ多分、ジャックが持ってるから、部屋に布団置いたら合わせてやる」
猫が答える。「なぁ、お前さ、キャンプタワーで何してたんだ?看守はほとんど死んで、囚人もいなくなる。あそこ、いつもそうなのか?」猫が聞く。「いや、何故か急に看守達が焦って囚人を連れ出しててな、牢屋を開けたからその隙に100いや130体は殺したな」ブルースはさりげなく言う。猫はかなり震えた。ブルースが看守達を殺してなかったら自分達には130体以上の敵に襲われていた。
「へぇ〜凄いね、でもなんでそんな強いのにキャンプタワーに留まってたの?」パンプが横から聞く。「あそこは本拠地の近くだったからな、襲うタイミングを見計らって、囚人を巻き込んで戦争するつもりだったんだ。って
お前!?何で生きてんだ?」普通に喋っていたブルースはパンプに驚いた。「そういえば、
僕は頭吹っ飛ばされてたね、僕は体さえ死ななければ頭はいくら攻撃されても大丈夫な
カボチャ人間だからね」パンプはブルースに普通の事のように言った。「へぇ〜じゃあ死んでなくて良かった、子供を殺すのは後味悪いしな」ブルースは悩みが意外な形で消えたようだ。「そういえば、ブルース、お前、ブルースカートを潰したいなら何でそれ着てんだ?」
猫が聞く。「履きたくなんかないさ、でもこれを見ろ」魔法使いが自分の胸元を見せる。そこには痛々しい縫い跡がありスカートと皮膚が繋がれていた。「俺は元々魔法使いの国の出でな、ブルースカート教が国に同盟を結ぼうときた時にみんなで抵抗したんだ。だが叶わず、人は殺され、誘拐され、家も燃やされた。俺は兄弟と共にあなぐらで隠れていたが見つかった。そしてブルースカート教に無理やり入信させられて、そこでもスカートを拒否したら縫い付けられた。教団内で暴れたせいでキャンプタワーに入れられた。俺が今強いのはな、囚われてる時に鍛えたからだ、杖だってゴミを固めて魔力を込めて、血肉を自分から削ぎ落とし作った。俺はあの教団を許さない、だから、わざとキャンプタワーに残ったんだ」ブルースの話を聞いて2人はきまずくなった。元々2人とも教団関係者だからだ。話してる内に部屋に着いた。「布団はここでいいだろう。とりあえず設置はこれくらいにして、杖を返してもらおう」3人は部屋から出てジャックの元へ向かった。
「それにしてもお前の部屋、毛が落ちすぎだろあれ、禿げるじゃないのか」ブルースが猫に言う。「うるせぇ、禿げねぇ、猫はそうゆう生き物なんだよ」猫が言い返す。「さっき、質問責めされたからこっちからもしていいか?」
ブルースが言う。「別にいいぞ」2人はオープンだった。「猫ってさ何でこのチームに入ったんだ?」猫は恥ずかしく答えた。「家燃やされたから…そうだな、まぁ罪滅ぼしの面も少しあるが家が燃えたのがデカい」ブルースが首を傾げる。「罪滅ぼし?お前教団関係者なのか?」猫は口を滑らしたと思った。「違うと言ったら嘘になるな、俺は教団に作られた生物兵器だ、教団の元で色々…した。んで色々な感情が昂って、抜け出した…」猫は口を紡いだ。「そうか、じゃあそのカボチャも教団関係者か?」パンプはビクッとした。「はい…
お父さんがカボチャ派閥の教祖で…ブルースカートの教えや生活に嫌気がさして…抜け出したんです」気まずい沈黙が流れる。
「そんな気まずくしないでくれ、俺はお前ら関係者でも元ならいいじゃないか。俺は気にしない」ブルースが笑って話す。話してる内にジャックの元へ着いた。「おーいジャック、今いいか〜」ジャックは部屋から急いで出てきた。「はい、なんですか」ジャックは何故か焦っている。「…ブルースの杖を返してやってくれないか」猫は不安がありつつも要件を伝えた。「ブルース?あ、サンタさんの事か。え〜とその〜」ジャックが口篭っている。「何だよ、杖に何かあったのか?」猫の不安が募る。「とりあえず、どけ!」ブルースがジャックの出てきた部屋に無理やり入る。「あ、待って」ジャックの制止も聞かず猫達も入ってく。「マジかよ」そこには真っ二つに折れた杖と3人の死体があった。
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