第3話 猫と監獄教会

B地区の教会監獄

ブルースカート教への反逆軍ホワイトスカートのメンバー達はこれからの作戦を話し合っていた。

「まず、潰すのはB地区の教会監獄「キャンプタワー」だ。B地区の派閥にはまだ敵わない。だからキャンプタワーに行く。キャンプタワーには理不尽に囚われた信者達がいる。そいつらを戦力にするのが一番だが噂によれば、看守達を何人も殺してキャンプタワー内での無秩序な「魔法使い」がいると聞いた事がある。そいつもできれば仲間にしたい。キャンプタワーはブルースカート教の本拠地のすぐそばにある。

キャンプタワーまで安全に行くことがまず大変だ、奴らは教会周りの警備は埃も通さない鉄壁でガチガチの守りだ。

そこで今回キャンプタワーに襲撃するメンバーを決める」猫が手をあげる「待ってくれ、

そんなすごい警備を無策で行くのか?それに襲撃するって言っても戦えるのは俺ぐらいしかいないんじゃあないのか?」

パンプがムッと意見した。「ね、猫さん、僕も前線で戦えます。それにシナモンさんも戦えるはずです」パンプは子供だからと舐められた事に怒っているようだ。「その通りだ、パンプ。だが今回は襲撃と言っても囚人を解放するまでは見つからない様に忍び込む事が大切だ。俺はここから指示を出すから襲撃メンバーには入らない。猫とパンプに行ってもらう。そしてさっきから黙っているジャック、お前はキャンプタワーまでの運転手だ」ジャックは急に名指しされ驚いていた、変わってパンプはイキイキとしていた、襲撃メンバーに入れた事を喜んでいるようだ。「それと策はある、がまだ準備ができていない。二ヶ月後に作戦決行だ。その時に詳しく言おう」

全員が解散した後、猫はパンプに話しかけた。「なぁお前、前線で戦えると言っていたがとてもそうには見えない。今からでもジャックと変わればいいんじゃないか?ジャックだって隠密くらいできるだろ」

パンプは怒りを表した。「舐めないでください!僕は見た目は小柄なカボチャですし、体が小さいせいで肉体戦闘はできません。ですが見ていてください。作戦決行の時、驚かせてやりますよ」パンプはスタスタと去っていった。

作戦決行当日、猫は二ヶ月間、CATちゃん1号の感覚を思い出す為に個人的な訓練をしていた。シナモンが言うには戦う事は少ないらしいがいつ何があってと対応できるよう猫は

訓練した。その間ジャックはシナモンと何かをしていた。

「おい!集まれ!」シナモンが全員を集合させた。「今回の作戦を言う。まずこれを付けてくれ」シナモンは猫達に小型のカメラと通信用のイヤホンマイクを渡した。「すげぇ、こんな精密なのB地区じゃ売ってないぞ」猫は驚いた。「ジャックに頑張ってもらった。」シナモンは疲労と睡眠不足のジャックの背中をバンバン叩いて嬉しいそうにした。

どうやらシナモンに無理やり二ヶ月間作らされていた様で、その姿はさながら奴隷の様だった。「これで遠距離でも通信でき状況が分かる。改めて作戦を言う。まずキャンプタワーの半径一キロちょっとに教団関係者以外が入ると蜂の巣にされる。だからこれで擬態してくれ」シナモンは古びたひと昔前のアイスクリームカーを見せてきた。「まさか…これで乗り込むのか?」猫は呆れた。「キャンプタワーに無料サービスとでも行って入ればいい。

それにこのぐらいのデカさじゃないと囚人を連れ込めないぞ」猫は不安だが納得した。

猫とパンプはアイスクリームカーに乗り込み出発した。中はアイスクリームカーとは思えない程蒸していていた。パンプは運転出来ないので猫が運転をした。猫はキャンプタワーまでの道のりでパンプに話しかけた。「なぁパンプ、お前はホワイトスカートに入ってから長いのか?」

パンプは窓からB地区の景色を見ながら何かを思い出す様に話す。「つい二週間前に入ったんだ。僕がカボチャ大帝国から逃げてきてかて死にそうな時、シナモンさんが助けてくれたんだ。それから誘われて…」猫は話し切る前に聞く「そういえばシナモンも言ってたけどなんでカボチャ大帝国から逃げてきたんだ?」パンプは答えづらそうにした。「……実はさ僕のお父さんはブルースカート教のカボチャ派閥の教祖なんだ。そのせいで色んな酷いことされてきて……」

猫はフーンと相槌を打ち、気まずい沈黙が流れた。「あ、そういえばパンプ、お前近接戦闘もできないと言っていたが、今回どうやって戦うつもりだ?」猫が沈黙に耐えきれず話を出した。「まだ、あなたを信用できないのでいえません」またしても気まずい沈黙が流れた。「そういえば、あなた、シナモンさんがとんでもなく強いと言ってましたけど、あなたこそどうやって戦うんですか、あの可愛い武器で」パンプは煽る様に言ってくる。「俺も今さっき信用できなくなったから言わん」猫は機嫌が悪くなったようだ。

「そこで止まれ。」マイクからシナモンの声が聞こえた。「キャンプタワーも見えないぞ」猫は言う「いいから止まれ!」猫達はキャンプタワーから一キロ以上離れた荒地でテレビを止めた。「後ろにジャックはいるか?」

猫はテレビから出て後ろを確認した。

ぼろぼろのでかい車に乗ってジャックは

ついてきていた。「いるぞ」マイク越しに猫が答えた。「よし、じゃあ音楽をかけて拡声器で中に入れるよう頼んでくれ」猫はこんなところでやっても聞こえない、と思いながらも従った。「パンプ、そのボタン押してくれ」パンプが赤いボタンを押すとB地区でよく聞くアイスクリームカーの音楽が鳴った。「え〜とアイスクリームの無料販売で〜す。今日だけですよ〜」猫が拡声器でキャンプタワー向かって叫んだ。「わかった。15分だけ時間をやる!さっさと来い!」猫は聞こえた事に驚きつつ車を発進させキャンプタワーに向かった。キャンプタワーに着くとジャックが車から降りて、入口の警備信者にアイスクリームを渡して警備信者を本拠地にもどらせた。キャンプタワーは鉄屑と血肉が混ざった異様な塔だった。何階か確認しようにも上の方は濃い雲で覆われている。3人ともたますかしていたがジャックは何かを思い出したように猫達を自分の乗ってきた車に入るよう手招きした。猫達はアイスクリームカーから出て一瞬で車に入った。「車に武器がある、取ってらすぐにキャンプタワーに入って行け」シナモンの声が聞こえた。猫はCATちゃん一号を背中にかけ、毛糸を中に詰めた。パンプは小さいカボチャの束を肩に掛けた。2人は一斉に勢いよくキャンプタワーに入っていった。幸い警備が待ち伏せてる事はなかった。「とりあえず上の階に向かってくれ最低限気をつけろよ」一階は受付らしいものがあるだけでそれ以外には何もなかった。「変な所だな、パンプ行くぞ」猫とパンプは次の階に向かった。だがそこには警備がいた。そいつは入口にいた奴らとは違い顔に包帯を巻いて手が左に1本右に二本あり頭にパトランプがついていたいる改造人間のようだった。

「いた!やるしかないぞ!」猫は武器を持つと狙いを定め網状にした毛糸を打った。

改造人間は毛糸に巻かれ身動きできなくなった。と思ったら改造人間の包帯を巻かれた体から何本ものナイフが出てきて毛糸切った。

「マジかよ!アイツまともじゃねぇ!」

改造人間はパンプに向かって走り出した。

「まずい、パンプ!逃げろ!」猫がパンプに叫ぶとパンプは持っていたカボチャを投げた。「猫さん!どいてください!」

その瞬間カボチャからパンプと同じくらいの体が生え、頭から煙突が生えてきた。

カボチャは改造に抱きついた。改造人間は体からナイフを出しカボチャを串刺しにしたが

カボチャは構わず抱きついた。その瞬間カボチャは爆音と共に爆破した。改造人間は腕しか残っていなかった。「い、今のはなんだ?」

猫が今の1シーンで圧倒されていた。

「これが僕の戦い方です。あれはストックしておいた「捨て身カボチャ」です。ターゲットを見つけると捨て身で倒してくれます。デメリットは味方と敵の判断ができない事ですけどね」パンプはドヤ顔で説明した。「ここはなんか乗り物がたくさんありますね。ガソリンもこんな大量に」

パンプは猫を圧倒させ満足したのか沢山喋るようになった。「次の階に行こう、囚人はいなさそうだ」猫はパンプを無視して次の階に向かおうとした。何かを思い出し猫はパンプに聞く「パンプ、その爆弾は何体殺せるんだ?」猫は何かを考えているようだった。「あと、5体分です」猫が言う。「作戦を思いついた、とりあえず上に行こう」猫は急いで上に向かった。

三階は食堂のようで何人かの囚人と3体の改造人間がいた。「誰だお前ら!猫とカボチャって、ついに俺は頭が狂ったのか?」1人の囚人が頭を抱えている。改造人間達はパトランプを照らしながら猫達に向かってきた。猫は食堂の机の上に登り隣へ隣へ向かって行った。

そして真上に大きな網を打った。改造人間達は絡まって三体ともくっついた。三体が同時にナイフを出した。くっついているせいお互いにナイフが刺さって自滅した。「やっぱり、頭は空っぽのようだな」猫はやっと見せ場ができてご満悦だった。「パンプ、お前の爆弾は取っておけ。まだ使うからな」猫はパンプにイキリながら言った。パンプは猫にイラついたが猫の実力に圧倒されていた。「すごい、やっぱり戦闘センスはあるんだな、この猫」

パンプはボソッとつぶやいた。

「あんたら助けに来てくれたのか?」囚人達は猫達に感謝の眼差しをむけている。

「そんな所だ。お前らとりあえずこの建物の一階にいろ、外に出たら死ぬからな。(多分15分経ったし)」囚人達は深く聞かず、頭を下げた後、下に降りて行った。

「俺たちは上に行くぞ。ここに囚人がいるって事は4階に牢屋があるかもしれない」

猫とパンプは上に向かった。 

その姿を見ている何者かがいた。

「久しぶりですね、先輩」

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