第3話 思惑
ファンたちが森の中程でアルフレートに追い付いたとき、既に
魔物の大半が、大森林の中では最弱とされる
それは、高ランクの冒険者パーティーで、ようやく1体を討伐出来るかどうかという存在。
冒険者の討伐ランクで言うならば『Bランク上位』に相当する。
そんなオーガではあったが、オフィウクス辺境伯領軍―――己が全てを武に捧げたような
この程度の相手では、日々大森林からの脅威と対峙する辺境伯領兵にとっては雑魚でしかないのだった。
『大陸最強』の二つ名は伊達ではなかった。
「遅いッ!遅いぞ、ファン!若はもう数百は屠っておる!若い者が、モジモジモタモタしておるなッ!」
遅れてきたファンに向かって、そう怒鳴るのは禿頭で無精髭の大男。
今回の命令違反の張本人にして、先代フープス家当主【ジョエル・デ・ループス】。
つまり、ファンの実父であった。
「こんのぉぉぉぉぉぉ、糞ッ、糞ッ、クソ親父ィィィィ!!テメエで命令違反をしておいて何を与太ってやがる!!」
「ガッハッハッハ!!まだまだ甘い、甘すぎるぞ!!お前は兵士たちの気持ちを全く理解しておらん」
「あぁぁぁぁぁぁぁん!?クソ親父ッ!とうとうイカれたか!?」
「足並みが揃ってから包囲殲滅など愚の骨頂よ。菓子を前にした幼子のように、我らを無理に押し止めることなど出来はしない」
「何、可愛らしく例えてやがる。テメエらなんぞ、生肉を前にした餓狼じゃねえか!!」
「おお、息子よ。なかなか詩的な表現ではないか!餓狼……うん、いい響きだ」
「そうじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
一切、噛み合わない会話を繰り広げてはいるが、追いかけてきたファンたちも現況を正しく把握して命令を受ける前に
そもそも、命令をすべき総指揮官が嬉々として既に戦いを始めているのだから、それに続くのは道理というものであった。
「お前はまだまだだな。
「あぁ!?じゃあ、アレもかよ?」
ファンは手にした
すると、ジョエルもまた
「無論。我らをこの場に効率的に配置した時点で勝利は決まっておったのだ。残りは我々が
そう言いきって、獰猛な笑みを浮かべながら、またひとつ肉塊を作り上げた父親を見たファンは、もう呆れを通り越して無表情になるのであった。
★★★★★★★★★★★★★★★★
まだ予定よりも進んでいない。
更新、頑張ります。
みなさんの応援でやる気が漲ります。
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