第8話 ロリコン賢者
賢者イナと魔導図書館で真剣な話をしていると、メイド姿のセカンドカテゴリーの魔導書がティーセットを持ってくる。
「しかし、この図書館、ロリが沢山居るな」
賢者イナは興奮した様子でいる。この賢者、もしかしてロリコン?
人であった時の性別は女性のようだが……。
「愛玩具用の魔導書とはなかなか素晴らしい発明だ」
何か、ヨルヒがロリの理由が分かった気がする。どうやら、自分の趣味でファーストカテゴリーの魔導書を作ったのだ。
うむ、私とは趣味が合いそうだ。
「で、問題はサードカテゴリーの魔導書である」
やはり、そこか、国家間の争いで生まれた、兵器だからだ。
「魔力を込めた魔導書を使いやすくする為に人体と魔導書の融合……対象者の生死を問わない、余りにも非人道的だ」
「流石、賢者イナ様、サードカテゴリーの魔導書の絡繰りが簡単にバレてしまうとは……」
ルビー館長が渋い顔をしている。当たり前だ、ルビー館長も雇われの身だ。
この調子だと賢者イナがサードカテゴリーの魔導書の開発に力を貸す事はないだろう。
しかし、私は単純な疑問が生まれた。レッドバイブルを基本としてサードカテゴリーの魔導書として戦えないだろうか?
「賢者イナよ、レッドバイブルを人体に埋め込むことも可能なのか?」
私は素朴な疑問を賢者イナにぶつけてみる。
「勿論、可能だ、ただしレッドバイブルは私の作った最高傑作の一つ、その魔力量ははかりしれない。対象者は無事では済まない」
「ダメです、お姉さまが危険な目にはあわせません」
ヨルヒが怒った様子で私をたしなめる。確かに危険なのはヤダだな。
「それより風呂じゃ、ここの魔導書と共に風呂に入りたいな」
「賢者イナ様、それは出来ません。サードカテゴリーの魔導書はあくまでメイドです」
ルビー館長がはっきりと言う。この賢者……本物のロリコンだ。私もそこまで思った事はないぞ。
しかし、ここで賢者イナの機嫌をそこねてもつまらないので、私とヨルヒが相手をしよう。
「賢者イナ、私とヨルヒが一緒に入ります、問題ないですね」
「ヨルヒか……。長い眠りの為に記憶を失っている様だが、私の愛した魔導書の一人。その裸を久しぶりに見るか」
何やら、表現に問題を感じるが、私が一緒なら大丈夫だろう。
「シスター・アスカさん、賢者イナをお預かりします」
シスター・アスカから賢者イナの魂の入れ物である水晶玉を手に取ると、魔導図書館の風呂場に三人で向かうのであった。ホント、やれやれな、気分だ。
お風呂場に着くと私は賢者イナの水晶玉にタオルを被せる。
「なんだ、なんだ、脱衣シーンはお預けか?」
興奮する賢者イナをよそ目に服を脱ぐ。
そして、浴槽内に入ると水晶玉から静かにタオルを取る。
「い!二人とも水着を着ているじゃないか!」
そう、私は可愛いセパレートの水着、ヨルヒは白のフリルの付いたビキニであった。
「賢者イナよ、これが現実だ。期待しても本当に欲しいモノは手に入らない」
「うるさい、私は機嫌を損ねた。もう、魔王と戦わない!!!」
私の言葉にキレる賢者イナであった。さて、こんな賢者イナだか最低限のご奉仕をせねばルビー館長に怒られる。
「ヨルヒ、賢者イナにご奉仕だ」
ヨルヒは浴槽から出て、水晶玉を台の上に乗せて、石けんを使い洗い始める。
「やー、やはり、ロリは良いな~」
ヨルヒのご奉仕にしだいに機嫌が良くなり。
♪~♪。
鼻歌まで歌う始末だ。この賢者、偉い人でなければ水晶玉を叩き割っているところだ。そう、私のヨルヒに馴れ馴れしいのだ。昔はどうであれ今は私が契約者だ。私は策を思い付いて、口もとがωになる。
「賢者イナ、次は私が洗いますね」
タオルにコンディショナーを付けて水晶玉を洗い始める。
「NO、NO、何かベトベトする」
「ヒッーヒッヒ、気持ち良いですか?大丈夫、毒ではありませんよー」
洗い終えてお湯をかけると水晶玉は妙なテカリを放つ。あれ?意外とコンディショナーは合っていたのか?
「何だか、体が軽いな」
この賢者、水晶玉なのに表現がおかしくないかと疑問に思うが細かいことは気にしないでおこう。
ま、賢者イナが気持ち良いなら問題は無いな。
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