第3話 魔導書のカテゴリー
その後、私はサンダースと別れて魔導図書館に向かう事になった。サンダースとの別れ際は勿論、グータッチであった。そして、カナルと共に魔導図書館に向かう。
カナルからこの世界の魔導書に関する一般常識を教えてもらう事にした。話しによると、この世界は大昔に魔法と言う術式は絶えてしまい。ファーストカテゴリーの魔導書のみが魔導術を使えるのだ。
説明を受けて簡単に考察すると、それでカナルはヨルヒのファイヤボールに腰を抜かしたのだ。
しかし、カナルは難しい顔をする。それは、サードカテゴリーの魔導書が生まれたらしいのだ。
結果、世界の均衡を壊す存在となったとのこと。サードカテゴリーの魔導書は術者と魔導書の融合である。魔導書の魔力を術者が自在に操り魔導術を使えるのだ。異世界の列強の国々はサードカテゴリーの魔導書の開発を進めているらしい。
そして、カレーダの研究の拠点が魔導図書館である。表向きは各国とも魔族の討伐の名目でサードカテゴリーの魔導書を研究している。それは魔族もその力に脅威を感じ、魔族の中で魔王シェパードの復活を求める噂が流れていた。サードカテゴリーの魔導書の存在が静かに暮らしていた魔族を追い込んだのだ。
魔族を含めて世界はキナ臭い話しばかりである。
うん?
話しが終わるとカナルがこちらをチラチラ見てくる。
「何だ、私に惚れたのか?」
冷やかし半分にカナルに質問すると。
「悪いか?」
カナルはモジモジしながら、頬を赤らめて答える。いや~百合属性の私には嬉しい返事だか、どちらかと言えは、私はロリコンである。カナルに丁重にお断りをして街の中を進む。
すると、大きな建物が見えてくる。それは魔導図書館であった。
魔導図書館に着くとカナルと別れ、魔導図書館の敷地内に入る。私は息を呑み深呼吸をしてから、大きなドアを開ける。
真っ暗な館内に突然、明りが付く。
そこに居たのは無数のロリであった。そして、私に対して『おかえりなさい、ご主人様』と挨拶をする。
これがセカンドカテゴリーの魔導書か、確かにロリコンに受ける訳だ。私がセカンドカテゴリーの魔導書に実感すると。奥からダイナマイトボディーの女性が現れる。そのオーラはキャリアウーマンそのものであった。
「私が館長のルビーです」
その後ろに居た、紅色の髪が目立つ女子はアリシアと名乗る。雰囲気で分かる、彼女はサードカテゴリーの魔導書の所有者に違いない。
私が挨拶をするといきなり。
「ルビー館長、コイツが伝説のファーストカテゴリーの魔導書の所有者か試させて下さい」
「いいでしょう」
ルビー館長が頷くと。私は建物の裏に呼び出される。
「例え貴女が伝説のファーストカテゴリーの魔導書の所有者でも、私の方が強い事を知らしめるわ」
アリシアは左腕に巻かれた包帯を取る。左腕には魔導書が埋め込まれていた。これがサードカテゴリーの魔導書……。
負けられない。
私はレッドバイブルを開きヨルヒを召喚する。
「ヨルヒ、ファイアボールだ!」
「はい、お姉さま」
ヨルヒは両手をかざすと火球が現れてアリシアに放たれる。アリシアは魔導書を発動させて左腕を剣に変える。
すると、ヨルヒの放った炎はアリシアの腕の剣に簡単に切り裂かれる。
「まだまだ、ヨルヒ、火炎放射だ」
ヨルヒは連なる炎を列にして放つのであった。アリシアは連続する炎に苦戦していると。
「はい、そこまで」
館長のルビーさんが止めに入る。
「クッ、私の負けだ」
ふぅ~勝てたか。流石に開発段階とは言えサードカテゴリーの魔導書に負けられないな。
少し焦ったがこれは快勝と言える勝利であった。
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