SNS
「はあ、元気になってよかった」
雪菜の部屋を出た僕は、そのまま自分の部屋に戻っていく。雪菜の様子を見る限り何かしら吹っ切れてくれたようだし、とりあえずは安心だ。さて、今日は何しようかな。特に予定もない休日。こういう時、僕は何をすれば良いのか迷ってしまう。
「そうだ、マシュマロを確認してみよう。何か面白いネタがあるかもしれないし、それを動画にしてみるのもいいかもしれない」
そう思い確認してみようとしたところ、僕のSNSに一通のダイレクトメールが届いていることに気づいた。そして、その送り主の名前を見て驚く。 え!? ま、まさかこの人から?
クマノミちゃん@アニマリ
よくも、私のわんこちゃんとイチャコラしてくれたな!
アニマリ一期生のクマノミさん。確か、アニマリホームページのライバー一覧にいたのを覚えている。……でも、おかしいな。彼女とは今まで一度も絡んだことはないはず。なのに、なぜ彼女は僕にこんなメッセージを送ってきたのだろうか? 疑問に思う中、彼女からのメッセージを読み進める。
クマノミちゃん@アニマリ
まあ、別にそれはいいんだが
……いいの? じゃあ、なんでこの人は僕にメッセージを送ってきてるのだろう? さっぱりわからないや。
「……とりあえず、返信するか」
来たメッセージを放置しておくのも良くないため、僕はクマノミさんに返事を送ることにした。
まきチャンネル
いいんですね……
クマノミちゃん@アニマリ
……おう、私は気にしてないぜ
クマノミさんからのメッセージを見て、考える。彼女は一体何をしたいのだろうか。
クマノミちゃん@アニマリ
それはともかく、これが一番大事なことなんだが。……お前、萌属性っていう言葉を知っているか? 最近ネットでよく見るんだが、私には良く分からないんだ。
えっと、彼女は何を言っているんだろう。全く理解ができない。
クマノミちゃん@アニマリ
ツンデレまでならギリギリ理解できる。だが、クーデレ以降になると私にはついていけない……
僕は、クマノミさんの言葉についていけないよ……
クマノミちゃん@アニマリ
そこで、だ。私は自ら小説を執筆して、それらの要素に対する知見を深めていこうと思うんだ。……もしよかったら手伝ってくれないか。報酬は弾むぞ?
まきチャンネル
……遠慮しておきます
クマノミちゃん@アニマリ
おう、そうか
クマノミさんがそんなことを言う。……萌属性、か。確かに最近ネット上で最近よく見る。それを小説にするみたいだけど……どうして僕に手伝いを依頼するんだろう?
クマノミちゃん@アニマリ
・ダル絡み、すまなかったな。それじゃ、また
クマノミさんは一方的に会話を終わらせる。……なんか、自由な人だな。
「う~ん……」
僕は彼女について考える。
色々と考えていたら、一通のダイレクトメールが届いてきた。送り主は……えっ、小春さん?
子ワンコ@アニマリ
・……クマノミさんからの伝言です。
「『妖香ちゃんにサプライズを仕掛けたいのだが、もしよければ協力してくれないか?』だそうです」
何故か小春さんから、クマノミさんの提案を伝えられた。……なんで、わざわざ彼女を通したのだろうか。そこは気になる所だが、とりあえず参加してみよう。狐野妖香さんとも仲良くなりたいし。
まきチャンネル
小春さん、ありがとうございます。参加してみたいので、後でクマノミさんに連絡してみますね。……でも、どうしてクマノミさんは小春さんに伝えさせたのですか?
子ワンコ@アニマリ
面倒くさいから、らしいです。私を通しても伝える手間は変わらないと思うんですけどね。……まぁ、クマノミ先輩だからしょうがないです。
僕はその内容を見て少し笑う。……二人とも、良い仲なんだね。
まきチャンネル
……なんだか、大変そうだね。頑張って
子ワンコ@アニマリ
はい、頑張ります。
こうして、僕と狐野妖香さんの初コラボが決まったのだった。
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