真・カスの炒飯と、役立ちレシピ五選

 チャーハンRTAアールティーエー、はーじまーるよー。


 用意するもの。

 レンジで2分温めるパックご飯。

 生卵を2つ。

 少なくともパックご飯が入るサイズのお皿。

 お皿と同じか少し大きなフライパン。

 具体的には最低25センチ径を確保。

 油、味塩コショウ。


 手をしっかり、石鹸で洗います。


 パックご飯を開封してフタを全て外したら、計測開始!


①パックご飯を素手すでで皿に移す。レンジは使わない。(0:00〜0:40秒)

②さっと手を水洗い、パックご飯が入っていた容器に生卵投入。

③ここでガスコンロ着火、ラストまで強火。 

③卵を混ぜ、そのはしで皿のお米も混ぜる。(0:40〜1:30)

⑤油をそれなりに投入。体感、直径10センチの水溜みずたまりサイズ。

⑥開始から1分50秒くらいを目安に卵投入、間髪を入れずお米も投入。

⑦2:00〜2:50まで、味塩コショウをかけながら混ぜる、あおる。

⑧フライパンに移し、終了。


 RTAリアル・タイム・アタック、それは速さを追求する競技。レコードは3:09でした!


 言うて、このチャーハンってギリ食べれる程度の代物しろもので、何というか状態なんですよね。味付けが味塩こしょうだけは、終わってる。味塩こしょうと野菜炒めしか知らなかった極貧10代独り暮らし期を思い出す。


 卵オンリー炒飯チャーハンの調味料には味のもと味覇ウェイパァーが良いです。味覇ウェイパァーの代用として顆粒かりゅうの鶏ガラスープと素や中華スープの元も良いかも。これさえあれば具が卵だけでも戦える。


 また、しっかり作る場合は当然パックご飯を正規せいきの方法でレンジ加熱しますし、これは創作界隈の仲間から教わった手法ですが暖かな白米に日本酒を一振りかけるとパラパラのチャーハンが出来て美味しいです。炊きたてご飯にせよパックご飯にせよ日本酒を一振りかけるのは良い。


 なお味覇ウェイパァーを使う場合は日本酒不要。暖かな白米とあらかじめ絡めておくだけでパラパラになり、しっかりと味がつきます。

 分量は人によって好みが分かれる。コンビニで提供される大きい白いプラスチックスプーン一杯分で十分かなとも思う。やや薄味。スプーン二杯分の味覇ウェイパァーや、さらにはそこに味塩こしょうも混ぜると酒に合うしょっぱめな味になります。他にも、チャーハン関連の話は本作「助かるかもしれない運転」で以前、少し触れました。そちらでも言及した内容ですが、料理は自由という点が素晴らしい。雑にズボラに作ってもいい、タイムパフォーマンスを意識してRTAアールティーエーなどにきょうじてもいい、真心まごころ丹精たんせい込めて作るのも良い、手間暇かけて下拵したごしらえをして翌日の楽しみにすると人生がうるおうし、癒しや、安らぎに繋がることもある。


 そんなわけで普段ならジャスト1000文字でおさまるエッセイですが、今回は出張版なので後半戦に突入しまーす!



――後半、フレンチトースト編。


――巡り会った地、それは芦別あしべつ温泉スターライトホテルという北海道の施設。


――当時「スターライト」と聞いて「アイカツ!」を連想した。料理、それもまたアイカツである。


――レシピを研鑽けんさんした作者の現住所もまた、北海道。


 千文字の私小説エッセイを執筆した作者は、ここで唐突に「三人称視点文章」へシフトする。特に深い意味はなく、過去に思いをせる際は無駄に固い文体を使いがちだった。


丁寧ていねいで、時間かけて、自分で辿り着いた系のレシピも紹介したいなぁ」


 そう思った作者の脳内には、とっておきの一品ひとしなが存在する。それは、フレンチトースト。まだ元号が平成だった頃、出張先で滞在していたホテルにて作者はフレンチトーストと出会う。厳密げんみつな話をするならば、それ以前にも似たものを食した経験はあった。

 

「食パンにな、バニラアイス塗ってトースターに入れるとフレンチトーストだ」

 

 これは、作者の父が語っていた言葉である。お世辞せじにも美味しいとは言い難い代物しろものだった。父は楽しそうに作っていたが、どうにも作者の口には合わない。


 合う合わないもある、それもまた料理。


 以来、作者はフレンチトーストという名も概念も穿うがった目で見る。


 話は戻り平成の北海道、芦別あしべつ温泉スターライトホテルという施設で食事をる作者は、朝な夕な感動していた。


「あー、もう、ここに住みたい暮らしたい」


 全ての食事が、良い。中でもイクラ乗せ放題のビュッフェには心の底から歓喜し、無邪気にはしゃぎ回る。白米が見えなくなる程の、茶碗ちゃわんからあふれんばかりの、小さな赤い宝石。暖かな白米と冷えた魚卵が奏でる旨味うまみ協奏曲ハーモニー。作者は毎日飽きることなくイクラ丼を堪能する。そして、他のメニューも素晴らしく一通りを制覇した。数日間の滞在期間であますことなく堪能し尽くしたのである。


 なお余談として、本書を執筆している二〇二四年の八月現在、くだん芦別あしべつ温泉スターライトホテルは健在であると作者は知った。空港からは遠くアクセスは悪いものの、もし営業方針が当時と変わっていないのなら、素晴らしいイクラ丼とフレンチトーストが待ち受けているかもしれない。是非ぜひまた足を運んでみたいと考えながら、作者は執筆作業に戻る。そう、フレンチトーストである。


「うわ、うわうわ、これ、マジか、すご」


 作者が芦別あしべつ温泉スターライトホテルで食したフレンチトーストは、とにかく高級な味わいと感じるものだった。後年こうねん、具体的には令和五年か六年頃に帝国ホテル東京のフレンチトーストレシピが動画で取り上げられていたが、調理に際し肝要なはスターライトホテル流も帝国ホテル流も似通にかよっていた。さもありなん。


 作者が出張で訪れた当時はまだ動画配信サイトも短文投稿サイトも今ほど普及しておらず、フレンチトーストを再現する手法が皆目見当もつかなかった。


「これ、あの、レシピ教えてもらっていいです?」


 若き日の作者は、ホテルスタッフに教えをう。しかし、一筋縄ではいかない。何だコイツはと怪訝けげんな顔をされる。しかし、ここで「毎日決まった時間に訪れる」という規則的な立ち回りが功を奏した。顔を覚えられており、なおかつスタッフから憎からず思われていたとのちに作者は知る。


「調理担当に聞いてみますね」


 数分後、申し訳なさそうな顔をしたスタッフが戻ってきた。やはり、おいそれと伝えることは難しいらしい。諦めて去ろうとした作者だが、スタッフが「材料だけでも聞いてみますか?」と口にする。その時、作者はふと思いついた。


「食パン、卵、バターに砂糖、それとシナモンも使ってますよね。バニラエッセンスも入ってるかな、入ってる気がします。他に何が足りないのか知りたくて。しばらく来れなくなるので家でも作りたい、とお伝え下さい」


 かしこまりました、とスタッフは再び厨房へ向かう。今にして思うと、冷静に考えると一介のスタッフに伝書鳩でんしょばと行為をいるのも中々に迷惑な話である。スタッフさん、ごめんなさい。

 それはそれとして、一から十までは頼らない。憶測で辿り着いた一からいくらかまでは提示、その上で足りない部分の補足を求める手法は〝あり〟かもしれないなと作者は気付いた。このやり方は料理に限らず、今も生活のあらゆる場面でかされている。


「お待たせいたしました!」


 スタッフが、戻ってきた。


 いわく、作者が述べた材料はおおむね正したかったらしい。中でもシナモンは調理担当がオリジナルとしてこだわったった隠し味とされる部分であり、気付いた客の存在に嬉しそうな顔をしていたとのこと。そして、重要な情報が明かされる。足りなかった最後のピースの正体がスタッフの口から語られた。


「牛乳、ですか」


 卵と、牛乳。さらには〝一晩漬け込む〟という丁寧ていねい下拵したごしらえ。その過程を経ることで脅威の〝ふっくら〟が実現していたのである。


「一晩を待つのが辛かったら、最低でも二時間は漬け込んで欲しいそうです」


 十分過ぎる情報、値千金あたいせんきんの知識。活路を見出したこともさることながら、言葉の内容から「全てを語ることは難しいが、それでも美味しく食べて欲しい」という調理担当の気概きがいが伝わってきて作者は嬉しい気持ちになった。交流、それもまた料理の一側面。


「ありがとうございました、そこが分かればもう大丈夫です」


 こうして、作者は芦別あしべつ温泉スターライトホテルを去る。



 実際のところ、一つも大丈夫ではなかった。作者は少し見栄みえを張った、虚勢きょせいも張った、分かりやすくイキってしまう。自宅で試し、何度か失敗する。試行錯誤を重ねる。


 焦げる、膨らまない、ふわふわせずゴワゴワする、その繰り返し。


 キッチンシンクに置かれた生ゴミ用の三角コーナーへ直行するレベルの失敗作を泣きながら食べること三回か四回、ようやく……つかめてくる。


 探求、それもまた料理。


 幾度いくども「物足りなさ」を感じた末に、辿り着いたレシピ。比喩ひゆ誇張こちょうきに、今回記載するフレンチトーストのレシピはと数年間、作者は思っている。

 安易あんいに紹介せずひっそりと一人もしくは身内で楽しもうと考えていた。しかし、昨今さっこんはクックドゥーや動画配信サイトなどで似た内容を見かける機会も増えたので「そろそろいいか」と思い直す。


 料理は、安らぎにも癒しにもなる。


 冒頭で触れたように費用対効果コストパフォーマンス時間対効果タイムパフォーマンスを強く意識して「作業効率」に比重を置くのも料理の楽しさではあるが、気持ちに余裕を持ってじっくりと丁寧に作る行為また人生に潤いをもたらす。友人や恋人、あるいは家族に振る舞うのも良い。しかし、一人も決して悪くない。


 前日から仕込む、それは過去の自分からの贈り物が発生すると言えよう。つまり、その手順を踏むことで過去のおのれや人生への感謝が生じ、孤独感が薄れる。


 料理とは、暗い道を照らす一筋の光に成り得る。


 丁寧に調理するしなであることから、材料に関してもじっくりと記載したいと作者は考えた。まずは主役、フレンチトーストと言えば食パンである。


「セブンイレブン、金の食パン四枚入り」


 セブンプレミアム公式から発売されている常軌を逸脱した強気な価格設定の食パン。名前の通り四枚しか入っていないにも関わらず、税込三百二十一円。恐ろしい。一昔前ならちょっとした弁当を購入できる価格。平時なら、まず買わない食べない見向みむきもしない。

 だが、たまには良い。滅多めったにない機会にしっかりと時間をかけるのであれば、材料も少しこだわりたい。


「雪印メグミルク切れてる北海道バター」


 何も、北海道バターである必要はない。メーカーはどこでも構わない。このバターは縦型の細長いパッケージに入っており、小分けされていることから使い勝手が良い。初挑戦で八百円もする当該商品を購入するのは勇気をようするかもしれないが、バターは何かと重宝する。あって損はない。なお、このバターは関東圏のセブンイレブンにも存在した。なので、おそらく全国どこでも入手可能と思われる。


「カップアイス」


 爽、もしくはスーパーカップのいずれか。ハーゲンダッツを使う意味はあまり、ない。使いたければ使っても構わないというか、実際ハーゲンダッツ版も一度だけ試した作者だったが、あまり革新的な差異さいは感じることができなかった。よって、爽で十分。


「牛乳」


 小さいパック、分量としては二百ミリリットルである。これも、セブンイレブンで購入が可能。日常的に牛乳を飲む層が使う場合はコップ一杯分くらいの量とする。


「フライパンのフタ」


 食材とはことなるが、フタは今回の調理で特に重要。無ければ成立しない。必須ひっすと言える。冒頭でチャーハン作成時に使用した二十センチメートル以上のフライパン、環境と相談しつつ二十五から八センチメートルあっても良いと作者は感じる。このフライパンと同じサイズ、ガラス製、蒸気を逃がす小さな穴が空いたものが最適である。黒い鉄製で部分的に透明箇所や穴があるタイプでも問題ない。とにもかくにも、フタは絶対に必要。


「卵」


 こればかりは丁寧に書きようがない、卵は卵。それ以上でもそれ以下でもない。生卵を一つ使う。それしか言えない。甘党ならば上記に加えて砂糖や、さらにこだわり工夫くふうするならシナモンパウダーも用意すると幅が広がるものの、最低限の必須項目としてはこのくらいとなる。それと、大きめのタッパー。スーパーマーケットで購入可能。そう高価なものでもない。



 調理手順。


 小皿にカップアイスの「半分」を入れ、牛乳を全て投入し、電子レンジで加熱。半分は下拵したごしらえがんでから、そのまま食べる。ブランデーをカップに入れるのも悪くない。酒カスアイスの爆誕。

 レンジ加熱は五百ワットでも六百ワットでも「一分」が妥当と作者は記憶しているが、本書を執筆しながら不安になってきた。爆発するかもしれない。した記憶がある。ラップも破裂し皿がベトベトになる憂き目を見た思い出が蘇った。三十秒の加熱で様子を見るのが望ましいかもしれない。


 暖めても、すぐには使えない。放置して冷ます。その間に、食パンのカット。


 一人分なら食パン二枚分、三人から四人で少しずつ食べる場合は四枚全てを切る。切り方は最初に「上下の二等分」で分けた後に、それぞれを三等分する形が最適と作者は考える。食パン一枚から「縦長のパン」を六枚作製可能。なおかつ、その六枚の全て「底部はパンの耳がある」という部分が共通する。それらを、耳の部分を下にしてタッパーに敷き詰める。なお、ジップロックで代用可能というレシピも出回っているがタッパーの方が圧縮されず「パンがのびのびと生きる」様子が見てとれるのでタッパーを推奨したい。


 牛乳とバニラアイスの混合物に卵を投入、しっかりと混ぜる、それをタッパー内の食パンに上からそそぎ、フタを閉め、冷蔵庫で寝かせる。


 翌朝。あるいは二時間後。


 タッパーを取り出し、しっかりと手を洗い、フライパンに最初は中火で火をかける。バターとオリーブオイルも用意しておきたいが、代用としてサラダ油でも問題なし。


 まずは中火、油を一振り、バターを一つ、溶かし全体に馴染ませ、パンを片面ずつ狐色になるまで焼く。実際、ならなくても問題ない。焼く作業は、さっとで構わない。

 軽く焼いた後は火力を弱火、というよりも最弱のトロ火へ移行しパン一つ一つを「耳を下に」置き直す。そして、フタを閉める。


 フタを、閉める。これが重要となる。


 フタを閉め、トロ火で一〇分から一五分置くことで、んだ牛乳の作用か何なのか定かではないが、パンが信じられないほどに膨らむ。ふっくらふわふわフレンチトーストになる。ちなみに、漬け込みが甘いと膨らみにくくなる。それと、前日夜に仕込んだものは遅くても翌日夜つまり二十四時間後までに使い切るのが望ましい。なお、タッパーの底に残った液体も上からまとめてかけた上でフタをする。固まるし、美味しい。


 慎重に皿へ盛り付け、完成。崩れそうで不安ならフライ返しもあると便利。


 完 成 で あ る 。


 電気加熱器具IHヒーターの環境なら「トロ火」の際は火力最弱で完全な放置が可能。ガスコンロの場合は焦げが不安なので、慣れるまでは様子を見ながらの調理となる。

 いずれにせよ、フタを閉じて放置している間に付け合わせのサラダやスープなどを作ると休日の朝食がより一層いっそう、彩りのあるものになると言えよう。


 このフレンチトーストは、作者史上最高傑作レベルで美味しい。


 友人、弟、同僚、元交際相手など多くの人間が笑顔になった。料理はやはり、楽しく食べてくれる人がいると達成感や満足感も高まる。


 しかし、一人でも何ら問題はない。良い一品ひとしなを作ることができれば、自己肯定感も上がる。幸せな気持ちになる。人生、捨てたものではないなと感じることができるのである。


「ありがとう、北海道の芦別あしべつ温泉スターライトホテル」


 長く書いておいて、しかも「これが必須」「ここ推奨」などと宣った末にこんな内容を書くと台無しになってしまうが、料理は〝自由〟であって欲しい。


 競技にもなる、作業にもなる、失敗や模索もする、繋がりも増える、楽しさや喜びにあふれる。


 故に、料理は素晴らしい。


 りし日に感動を与えるのみならず、新たな知見ちけんを授けてくれた施設やスタッフに深く感謝しながら、本書を締めくくる。


 北海道の片田舎で振る舞われ、北海道民の作者が試行錯誤を重ねた、フレンチトーストの物語。

 

(追記)


 追記が数点。まず、バターを八百円と記載したが、そんなにしない。


「え、三百円か。しかもコンビニで」


 細長く小さな、予め分割してあるバターなどというヌルいアイテムを使わなくなり久しい作者は、執筆中にとりあえず検索をかけてみた。そこで値段が八百円とされていた。後日、もののついでにコンビニでふと商品欄を見ると三百円。何たる迂闊。


 そして、小さなパックの牛乳は近頃のコンビニでは置いていないらしい。五百ミリリットルか一リットルが主流である。


 フレンチトーストを作るのに牛乳一リットル買って、使わなかった八百ミリリットルをどうするか?


 ここで、マッシュポテトのもとが活きる。


 粉状で、お湯を注ぐことでマッシュポテトを作れることで知られる白色の箔片。この物体、実は湯でなく沸騰させた牛乳を注ぐことで別次元の美味しさが実現する。意外と、知られていない。


 更には牛乳とマッシュポテトのもとと味塩こしょうのみで、簡易ポテトスープを調理可能。


「分量なんかなぁ、適当でええねん!」


 薄ければ、マッシュポテトのもとを足せば良い。濃かったりドロドロしていたならば、牛乳を足せば良い。料理は自由であって欲しい。


 ついでに書くと「じゃがりこ」というスナック菓子に沸騰した牛乳を注ぎ数分寝かせてから混ぜることで一味違うマッシュポテトも完成する。


 当然、じゃがりこと牛乳で作るポテトスープも美味しい。



 時にNHKいわく、フレンチトーストを作る際に、牛乳と卵を混ぜた液にパンを浸すと染み込みにくいし卵に火が通らないと生臭くなる、とのこと。

 漬け込む場合は牛乳と砂糖に留め、卵はフライパンで焼くタイミングで注ぐことを推奨していた。


 確かに、一理ある。


 しかしながら「焼く」ではなく「焼く+蒸す」の工程を挟んだ時に、生臭くなったケースは一度もない。

 計四度の失敗(焦げ・甘味が物足りない、など)の状況でも、生臭さはなかった。また、牛乳+砂糖よりも牛乳+バニラアイスを推したい。


 そして、本文でも少し触れたように漬け込み溶液が余った時、それを最後に上からかけた時、黄色い半個体カスタード風の物体が出来上がる。これもまた美味しい。


 なればこそ、上記のレシピを推奨したい。


 そうは言っても、やはり料理は自由であって欲しい。何せカスのチャーハンを作ってRTA《リアルタイムアタック》を始めるような男の文言である。鵜呑うのみにしてはいけない。



 せっかくなので卵繋がり、また、フレンチトーストの他にもフライパンの〝大きさ〟を役立てる動きに関して触れておく。


 魚が食べたい、とは言え七輪もなく魚用のグリルの手入れが面倒くさい、もう全てが億劫、それでも美味しい魚が食べたい、刺身も良いが火の通った魚が食べたい、そんな瞬間はないだろうか。


 白身魚のムニエルが、良い。


 鮭などに味塩コショウで下味をつけ冷蔵庫で五分から二〇分寝かせ(気分による)、そして片栗粉をまぶした後に、バターをひいたフライパンで焼く。人生に疲れてきた時は片栗粉の部分を省略して味塩コショウとバターだけで戦うのもいい。これにより、まずフレンチトースト用に購入したバターの消費が増える。


 なお、この数行は中学校の家庭科レベルの話である。家庭科の教科書に載っていた記憶がある。


 ここから、オリジナルチャート。


 大きなフライパンがあれば、白身魚を一度に大量に焼ける。何枚も何枚も、一気に調理することが可能となる。たくさん焼いて、余熱をとってからラップでくるんでジップロックに入れつつ冷凍庫へ旅立たせると良い。体感、火を通して冷凍してしまえば一ヶ月はイケると作者は考えている。健康や衛生面に万全を期す場合は数日か一週間が良いかもしれない。


 だが、短期間に連続すると飽きる。


 飽きがくるのが、人間。


 その為の……味変。


 潰したで玉子とマヨネーズと少量のタマネギ(みじん切り)をあえたソースを作り、かけることでさらに美味しくなる。


 そして、ハンバーガーチェーン店で入手可能なチキンナゲット用のマスタードソースが役に立つ。


 茹で玉子、マヨネーズ、タマネギ、ここにマスタードソースを一つ加えることで白身魚バターソテー用のソースが〝完成〟するのである。


「マスタードソースのポテンシャル、やべえ」


 数年前、何の気なしに余ったマスタードソースを投入した作者は震え上がった。そもそもの話、M社の提供するマスタードソースはからくない。誤解されがちであるが、ほぼ辛くない。どんな製法なのか独特の酸味や風味が効いており、当然ナゲットにかけても美味しい。


「マヨネーズが苦手な人もいるよなぁ」


 世の中、信じられないことにマヨネーズの存在を認めない者共も存在する。月に一度の割合で白米+マヨネーズ+醤油を楽しむ作者にしてみれば、ありえない話である。しかし、マヨネーズを許せないやからにも楽しんで欲しく、入力を続ける。


 茹で玉子+タマネギ+ゴマ油+醤油+味の素!


 これもこれで、合う。これもまたチャーハンやフレンチトーストに続き、卵主体の一品と言える。


 唐突に流れが変わったが、何の問題もない。ハンバーグにだって和風ソースが用意されている。和洋折衷ということわざも存在する。


 卵繋がりの拡大解釈で……というか三人称視点の文章かったるくなってきた三人称やめまーす! もう過去の回想ちゃうし。


「家でハンバーグ作る時は要りますよねぇ!?」


 これ、大声で叫びたいっす。お肉だけのハンバーグなら店舗で召し上がれるので。


 さて、そのですけれど、一般的には卵とパン粉が使われがちだと思うんですよね。あと調味料。けど、今は亡き祖母が編み出した手法も最後に書いておきたいと思います。


「食パンがね、いいんすよ!」


 安売りのもので大丈夫です。フレンチトースト作る時みたいなバカ高い意味不明な価格帯の食パンじゃなくても大丈夫です。


 食パンを、ちぎるんです。手で。


 ちぎった食パン+卵+塩コショウや諸々を混ぜる。


 これを、つなぎとして使用すると美味しい。本当に美味しい、とても美味しい、試して欲しい。


 しかもこれ、家計にも若干優しくなるんですよね。使う挽肉の量が割と減るので。


 ハンバーグを焼く時、内部に氷を仕込むよ派だとかマヨネーズ入れるよ派だとか何も入れぬ派だとか所詮ありますが、自由で良いと思います。


 美味しく食べれて笑顔になれたら、何でもいいんすよ!


 自由であれ、料理!


〈了〉

 

 終わらないんだな、これが。


 本作「助かるかもしれない運転」をきっかけにフライパンを新調したっぽい創作界隈の仲間がいて。嬉しかったけれども、何の気なしに検索してみると「テフロン加工のフライパン、実は危険」みたいな情報がチラほらと見受けられて驚きました。


 そこから自分なりに経緯や現行の法律等々を調べつつ、結論から言うと「大丈夫っぽい」となります。全部書くと長くなるから、またそのうち。


 ところで、そんなテフロンフライパン。フッ素加工とも言う、同じものです。テフロンのフライパンがあると焦げ率がほんと下がるんですよね。手入れも楽。チャーハンは鉄のフライパンか中華鍋で作りたいけれど、他は大体テフロンのフライパンで良くないか? とすら思う。


 さてさて。炒飯&フレンチトースト回があと千文字ちょい書けば文字数が一万文字になりそうで。なら料理関連で何かエッセイを一つ書こうかなと思いまして。卵焼き、というリクエストもらったけれども卵焼きは研究中なので語ってもフワフワになります。


 料理の基本はおそらく卵料理。なかでも、和食とも洋食とも合うスクランブルエッグというか卵そぼろについて触れておきたい。



 テフロン加工のフライパンを使います。黒い鉄のフライパンで同じことやると事故る。


 フライパンを置き、着火。

 バターを乗せる。量はお好み。なくても良い。

 バターはフレンチトーストで使ったやつです。

 

 ツナ缶(シーチキンとも言う)を1缶入れる。なくても良い。

 バターを入れない場合はツナ缶の油も全部入れる。

 

 フライパンの上から卵を割ってダイレクトに生卵をぶち込む。

 卵は一つ。けど二つあってもいい。

 これはさすがに「なくても良い」とは言えない。

 これを抜くと虚無になってしまう。


 フライパンの上の卵、どんどん火が通るから外側から混ぜる。

 桟橋で、がーっと細かく雑に適当に混ぜる。細かくする。

 細かくなくても良い。塊も良い。

 混ぜ方はお好みで。その合間に、調味料を投入。

 

 Aルート→醤油・砂糖・味の素(量はお好み)

 Bルート→味塩コショウ・味の素(量はお好み)


 Aルートで作ったツナ卵そぼろは白米に合うと思う。

 Bルートで作ったツナ卵スクランブルエッグはマヨネーズと混ぜて食パンに挟んでサンドイッチにすると美味しいと思う。


 ツナ缶なくても大丈夫だしテフロンのフライパンって焦げにくいから油ほとんど引かなくてもいけるな、と思います。


 これをフレンチトースト回に合体させて江葉さんの企画に応募するかー!


 完!

 

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