【助】カスのチャーハンと至高のフレンチトースト
チャーハン
用意するもの。
レンジで2分温めるパックご飯。
生卵を2つ。
少なくともパックご飯が入るサイズのお皿。
お皿と同じか少し大きなフライパン。
具体的には最低25センチ径を確保。
油、味塩コショウ。
手をしっかり、石鹸で洗います。
パックご飯を開封して
①パックご飯を
②さっと手を水洗い、パックご飯が入っていた容器に生卵投入。
③ここでガスコンロ着火、ラストまで強火。
③卵を混ぜ、その
⑤油をそれなりに投入。体感、直径10センチの
⑥開始から1分50秒くらいを目安に卵投入、間髪を入れずお米も投入。
⑦2:00〜2:50まで、味塩コショウをかけながら混ぜる、
⑧フライパンに移し、終了。
言うて、このチャーハンってギリ食べれる程度の
卵オンリー
また、しっかり作る場合は当然パックご飯を
なお
分量は人によって好みが分かれる。コンビニで提供される大きい白いプラスチックスプーン一杯分で十分かなとも思う。やや薄味。スプーン二杯分の
そんなわけで普段ならジャスト1000文字で
*
――後半、フレンチトースト編。
――巡り会った地、それは
――当時「スターライト」と聞いて「アイカツ!」を連想した。料理、それもまたアイカツである。
――レシピを
千文字の
「
そう思った作者の脳内には、とっておきの
「食パンにな、バニラアイス塗ってトースターに入れるとフレンチトーストだ」
これは、作者の父が語っていた言葉である。お
合う合わないもある、それもまた料理。
以来、作者はフレンチトーストという名も概念も
話は戻り平成の北海道、
「あー、もう、ここに住みたい暮らしたい」
全ての食事が、良い。中でもイクラ乗せ放題のビュッフェには心の底から歓喜し、無邪気にはしゃぎ回る。白米が見えなくなる程の、
なお余談として、本書を執筆している二〇二四年の八月現在、
「うわ、うわうわ、これ、マジか、すご」
作者が
作者が出張で訪れた当時はまだ動画配信サイトも短文投稿サイトも今ほど普及しておらず、フレンチトーストを再現する手法が皆目見当もつかなかった。
「これ、あの、レシピ教えてもらっていいです?」
若き日の作者は、ホテルスタッフに教えを
「調理担当に聞いてみますね」
数分後、申し訳なさそうな顔をしたスタッフが戻ってきた。やはり、おいそれと伝えることは難しいらしい。諦めて去ろうとした作者だが、スタッフが「材料だけでも聞いてみますか?」と口にする。その時、作者はふと思いついた。
「食パン、卵、バターに砂糖、それとシナモンも使ってますよね。バニラエッセンスも入ってるかな、入ってる気がします。他に何が足りないのか知りたくて。しばらく来れなくなるので家でも作りたい、とお伝え下さい」
かしこまりました、とスタッフは再び厨房へ向かう。今にして思うと、冷静に考えると一介のスタッフに
それはそれとして、一から十までは頼らない。憶測で辿り着いた一から
「お待たせいたしました!」
スタッフが、戻ってきた。
「牛乳、ですか」
卵と、牛乳。さらには〝一晩漬け込む〟という
「一晩を待つのが辛かったら、最低でも二時間は漬け込んで欲しいそうです」
十分過ぎる情報、
「ありがとうございました、そこが分かればもう大丈夫です」
こうして、作者は
*
実際のところ、一つも大丈夫ではなかった。作者は少し
焦げる、膨らまない、ふわふわせずゴワゴワする、その繰り返し。
キッチンシンクに置かれた生ゴミ用の三角コーナーへ直行するレベルの失敗作を泣きながら食べること三回か四回、ようやく……
探求、それもまた料理。
料理は、安らぎにも癒しにもなる。
冒頭で触れたように
前日から仕込む、それは過去の自分からの贈り物が発生すると言えよう。つまり、その手順を踏むことで過去の
料理とは、暗い道を照らす一筋の光に成り得る。
丁寧に調理する
「セブンイレブン、金の食パン四枚入り」
セブンプレミアム公式から発売されている常軌を逸脱した強気な価格設定の食パン。名前の通り四枚しか入っていないにも関わらず、税込三百二十一円。恐ろしい。一昔前ならちょっとした弁当を購入できる価格。平時なら、まず買わない食べない
だが、たまには良い。
「雪印メグミルク切れてる北海道バター」
何も、北海道バターである必要はない。メーカーはどこでも構わない。このバターは縦型の細長いパッケージに入っており、小分けされていることから使い勝手が良い。初挑戦で八百円もする当該商品を購入するのは勇気を
「カップアイス」
爽、もしくはスーパーカップのいずれか。ハーゲンダッツを使う意味はあまり、ない。使いたければ使っても構わないというか、実際ハーゲンダッツ版も一度だけ試した作者だったが、あまり革新的な
「牛乳」
小さいパック、分量としては二百ミリリットルである。これも、セブンイレブンで購入が可能。日常的に牛乳を飲む層が使う場合はコップ一杯分くらいの量とする。
「フライパンのフタ」
食材とは
「卵」
こればかりは丁寧に書きようがない、卵は卵。それ以上でもそれ以下でもない。生卵を一つ使う。それしか言えない。甘党ならば上記に加えて砂糖や、さらにこだわり
*
調理手順。
小皿にカップアイスの「半分」を入れ、牛乳を全て投入し、電子レンジで加熱。半分は
レンジ加熱は五百ワットでも六百ワットでも「一分」が妥当と作者は記憶しているが、本書を執筆しながら不安になってきた。爆発するかもしれない。した記憶がある。ラップも破裂し皿がベトベトになる憂き目を見た思い出が蘇った。三十秒の加熱で様子を見るのが望ましいかもしれない。
暖めても、すぐには使えない。放置して冷ます。その間に、食パンのカット。
一人分なら食パン二枚分、三人から四人で少しずつ食べる場合は四枚全てを切る。切り方は最初に「上下の二等分」で分けた後に、それぞれを三等分する形が最適と作者は考える。食パン一枚から「縦長のパン」を六枚作製可能。なおかつ、その六枚の全て「底部はパンの耳がある」という部分が共通する。それらを、耳の部分を下にしてタッパーに敷き詰める。なお、ジップロックで代用可能というレシピも出回っているがタッパーの方が圧縮されず「パンがのびのびと生きる」様子が見てとれるのでタッパーを推奨したい。
牛乳とバニラアイスの混合物に卵を投入、しっかりと混ぜる、それをタッパー内の食パンに上から
翌朝。あるいは二時間後。
タッパーを取り出し、しっかりと手を洗い、フライパンに最初は中火で火をかける。バターとオリーブオイルも用意しておきたいが、代用としてサラダ油でも問題なし。
まずは中火、油を一振り、バターを一つ、溶かし全体に馴染ませ、パンを片面ずつ狐色になるまで焼く。実際、ならなくても問題ない。焼く作業は、さっとで構わない。
軽く焼いた後は火力を弱火、というよりも最弱のトロ火へ移行しパン一つ一つを「耳を下に」置き直す。そして、フタを閉める。
フタを、閉める。これが重要となる。
フタを閉め、トロ火で一〇分から一五分置くことで、
慎重に皿へ盛り付け、完成。崩れそうで不安ならフライ返しもあると便利。
完 成 で あ る 。
いずれにせよ、フタを閉じて放置している間に付け合わせのサラダやスープなどを作ると休日の朝食がより
このフレンチトーストは、作者史上最高傑作レベルで美味しい。
友人、弟、同僚、元交際相手など多くの人間が笑顔になった。料理はやはり、楽しく食べてくれる人がいると達成感や満足感も高まる。
しかし、一人でも何ら問題はない。良い
「ありがとう、北海道の
長く書いておいて、しかも「これが必須」「ここ推奨」などと宣った末にこんな内容を書くと台無しになってしまうが、料理は〝自由〟であって欲しい。
競技にもなる、作業にもなる、失敗や模索もする、繋がりも増える、楽しさや喜びに
故に、料理は素晴らしい。
北海道の片田舎で振る舞われ、北海道民の作者が試行錯誤を重ねた、フレンチトーストの物語。
(追記)
追記が数点。まず、バターを八百円と記載したが、そんなにしない。
「え、三百円か。しかもコンビニで」
細長く小さな、予め分割してあるバターなどというヌルいアイテムを使わなくなり久しい作者は、執筆中にとりあえず検索をかけてみた。そこで値段が八百円とされていた。後日、もののついでにコンビニでふと商品欄を見ると三百円。何たる迂闊。
そして、小さなパックの牛乳は近頃のコンビニでは置いていないらしい。五百ミリリットルか一リットルが主流である。
フレンチトーストを作るのに牛乳一リットル買って、使わなかった八百ミリリットルをどうするか?
ここで、マッシュポテトの
粉状で、お湯を注ぐことでマッシュポテトを作れることで知られる白色の箔片。この物体、実は湯でなく沸騰させた牛乳を注ぐことで別次元の美味しさが実現する。意外と、知られていない。
更には牛乳とマッシュポテトの
「分量なんかなぁ、適当でええねん!」
薄ければ、マッシュポテトの
ついでに書くと「じゃがりこ」というスナック菓子に沸騰した牛乳を注ぎ数分寝かせてから混ぜることで一味違うマッシュポテトも完成する。
当然、じゃがりこと牛乳で作るポテトスープも美味しい。
*
時にNHK
漬け込む場合は牛乳と砂糖に留め、卵はフライパンで焼くタイミングで注ぐことを推奨していた。
確かに、一理ある。
しかしながら「焼く」ではなく「焼く+蒸す」の工程を挟んだ時に、生臭くなったケースは一度もない。
計四度の失敗(焦げ・甘味が物足りない、など)の状況でも、生臭さはなかった。また、牛乳+砂糖よりも牛乳+バニラアイスを推したい。
そして、本文でも少し触れたように漬け込み溶液が余った時、それを最後に上からかけた時、黄色い半個体カスタード風の物体が出来上がる。これもまた美味しい。
なればこそ、上記のレシピを推奨したい。
そうは言っても、やはり料理は自由であって欲しい。なにせカスのチャーハンを作ってRTAを始めるような男の文言である。鵜呑みにしてはいけない。
*
せっかくなので卵繋がり、また、フレンチトーストの他にもフライパンの〝大きさ〟を役立てる動きに関して触れておく。
魚が食べたい、とは言え七輪もなく魚用のグリルの手入れが面倒くさい、もう全てが億劫、それでも美味しい魚が食べたい、刺身も良いが火の通った魚が食べたい、そんな瞬間はないだろうか。
白身魚のムニエルが、良い。
鮭などに味塩コショウで下味をつけ冷蔵庫で五分から二〇分寝かせ(気分による)、そして片栗粉をまぶした後に、バターをひいたフライパンで焼く。人生に疲れてきた時は片栗粉の部分を省略して味塩コショウとバターだけで戦うのもいい。これにより、まずフレンチトースト用に購入したバターの消費が増える。
なお、この数行は中学校の家庭科レベルの話である。家庭科の教科書に載っていた記憶がある。
ここから、オリジナルチャート。
大きなフライパンがあれば、白身魚を一度に大量に焼ける。何枚も何枚も、一気に調理することが可能となる。たくさん焼いて、余熱をとってからラップでくるんでジップロックに入れつつ冷凍庫へ旅立たせると良い。体感、火を通して冷凍してしまえば一ヶ月はイケると作者は考えている。健康や衛生面に万全を期す場合は数日か一週間が良いかもしれない。
だが、短期間に連続すると飽きる。
飽きがくるのが、人間。
その為の……味変。
潰した
そして、ハンバーガーチェーン店で入手可能なチキンナゲット用のマスタードソースが役に立つ。
茹で玉子、マヨネーズ、タマネギ、ここにマスタードソースを一つ加えることで白身魚バターソテー用のソースが〝完成〟するのである。
「マスタードソースのポテンシャル、やべえ」
数年前、何の気なしに余ったマスタードソースを投入した作者は震え上がった。そもそもの話、M社の提供するマスタードソースは
「マヨネーズが苦手な人もいるよなぁ」
世の中、信じられないことにマヨネーズの存在を認めない者共も存在する。月に一度の割合で白米+マヨネーズ+醤油を楽しむ作者にしてみれば、ありえない話である。しかし、マヨネーズを許せない
茹で玉子+タマネギ+ゴマ油+醤油+味の素!
これもこれで、合う。これもまたチャーハンやフレンチトーストに続き、卵主体の一品と言える。
唐突に流れが変わったが、何の問題もない。ハンバーグにだって和風ソースが用意されている。和洋折衷という
卵繋がりの拡大解釈で……というか三人称視点の文章かったるくなってきた三人称やめまーす! もう過去の回想ちゃうし。
「家でハンバーグ作る時はつなぎ要りますよねぇ!?」
これ、大声で叫びたいっす。お肉だけのハンバーグなら店舗で召し上がれるので。
さて、そのつなぎですけれど、一般的には卵とパン粉が使われがちだと思うんですよね。あと調味料。けど、今は亡き祖母が編み出した手法も最後に書いておきたいと思います。
「食パンがね、いいんすよ!」
安売りのもので大丈夫です。フレンチトースト作る時みたいなバカ高い意味不明な価格帯の食パンじゃなくても大丈夫です。
食パンを、ちぎるんです。手で。
ちぎった食パン+卵+塩コショウや諸々を混ぜる。
これを、つなぎとして使用すると美味しい。本当に美味しい、とても美味しい、試して欲しい。
しかもこれ、家計にも若干優しくなるんですよね。使う挽肉の量が割と減るので。
ハンバーグを焼く時、内部に氷を仕込むよ派だとかマヨネーズ入れるよ派だとか何も入れぬ派だとか所詮ありますが、自由で良いと思います。
美味しく食べれて笑顔になれたら、何でもいいんすよ!
自由であれ、料理!
〈了〉
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