【無】合う合わないが、あってもいい

 初手で自分語りというか私事となりますが、昨年の夏から執筆を開始した「処女作」以外を書くことはないと思っていたんですよね。

 処女作というのは作品一覧の隅っこに埋もれてる「鎖国遠未来」という作品です。ただ、実際はそんなことなく別な長編やら掌編や短編や読み切り、気付いたら色々と作ってました。とても楽しいです。


 創作界隈の内外の方々から「きっかけ」を与えられなければ、きっと処女作で終わっていたので僕が現在を楽しむ端緒たんしょとなった人達に深く深く、感謝してます。


(こっから本題)


 春先だったかな、初夏かな、もう何度エッセイに登場したか分からないソウルブラザーの義為ぎいさんに雑談の延長で泣きつきまして。僕が。


義為ぎいさん、辛いンゴ……」

『おや、どうされました?』


「投稿中のな、作品①を多分、楽しく読んでくれてんねんなって人おって、けど、その人は作品②は見向きもしないねん」

『ありますねぇ、そういうの』


 ただ、考えてみると僕自身も身に覚えがある。


 いっそ具体名を出すと、皆川亮二先生の「スプリガン」と「ARMS」は何周でも読めるし実際ボロボロになるまで読んだ。でも「D-LIVE!!」はまぁ、2周か3周でお腹いっぱいかなと思ってしまう。

(そんな機会はなかろうけど)皆川亮二先生と対面する際に「D-LIVE!!推してるから、D-LIVE!!り切れるまで読んでよ」と仰られても「ア、ARMSの方が、好きです(震え声)」と答える。


 それと、似たような話かもしれないなとボンヤリ考えていた。


 いや皆川亮二先生と自分を並列で書くのっておそれ多いにも程があるけれども。


「作者的に一番好きな物語が、この人には刺さらんかったんやろなって状況……悲しいンゴねえ!」

『トモフジテツさん、こういう風に考えるのはどうです?』


「おん?」

『その読者さんって、作品①があったからこそ繋がりが生まれたんですよ』


「ほーん、たしかに

『作品①がなかったら、出会うこともなかったかもしれないんです!』


「その考え方、アリやな?」

『アリですよ!』


 あるいは、これもまた気休めなのかもしれない。欲を言えばたくさん楽しんで欲しいし、万人に対して鳴いて飛んで響いて届き跳ねたら、それが一番かもしれない。


 ただ、それはそれとして「誰に対しても鳴かず飛ばず」ではなく「お時間をいただいて作品①だけでも、満足してもらえた」という部分を喜ばしく思う。


 それぞれのペースで、よろしくお願いします。

 

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