【助】(1/22)鳴人という女(前編)

(備考)

ススム君という物書きが鳴人ガァんちゅという人や、氏の主催する企画について書くエッセイです。

(以下、本文)


 鳴人ガァんちゅという名の女性が存在する。

 

 その女は、鳥類のペンギンをこよなく愛した。そしてペンギンの鳴き真似を披露することを得意とするが、他者から「それは汚いカラスの声だ」と揶揄され、それでも折れることなくガァガァという怪音を発し続けることに命を懸ける女である。


 ゆえに本章では彼女のことを鳴人ガァんちゅと表記。


「ペンギン杯、参加してみて楽しかったなぁ」


 令和六年五月のススム君は、昨年の秋を振り返りながら考える。ススム君は鳴人ガァんちゅが主催するペンギン杯という企画を通し掌編や短編といった読み切りを書く楽しさを知った。


「自分にとって最初の企画参加、鳴人ガァんちゅさんのとこでよかった」


 創作と配信を両立する者は鳴人ガァんちゅの他にも存在し、多くの人間が様々な企画を主催している。そう考えると、ススム君の性格も踏まえて遅かれ早かれ感はあった。


 それでも、令和六年の秋に鳴人ガァんちゅを経由した「きっかけ」がなければ掌編というものの楽しさを知る機会は、もっと遅かったであろうとススム君は考える。


【ペンギン杯】


 鳴人ガァんちゅが開く催しであり、聞くところによると複数人の運営も存在するらしいという、しっかりとしたイベント。

 ススム君は自身が参加した回以外も参加者達の作品に目を通したり、こっそりと配信を視聴していた。そして毎回、レベルの高さに驚く。


「あのお題から、こんな短編作るんだ!?」


 書き応えも読み応えもある凝った「お題」が素晴らしいのは恒例のことながら、穏やか和やかで暖かな雰囲気が、魅力。


「自主企画、怖かったんよなぁ最初」


 文章の執筆を「絵画かいが」で例えるならば、しばしば目にするイベントは主催者がアマチュアであろうと『格式の高いコンクール』のような印象を感じ、ススム君は参加を尻込み躊躇した。

 しかし、鳴人ガァんちゅのペンギン杯は『のびのびワクワクお絵描きランド』のような空気感に思えたので飛び込む。


 これは、ややもすれば失礼な感想にあたるかもしれない。


 しかしながら、少なくともススム君の個人的な主観や心情としては「初心者にも優しく暖かそう」と映り、そこに惹かれる。

 また、応募される作品の数々はススム君のような素人目から見てもレベルの高い作品ばかりで衝撃を受けた。


「うわ褒め上手だ、鳴人ガァんちゅさん」


 なんとなくで〝見えた〟だけでなく「実際、初心者に優しい」と実感したススム君は、今後も隙あらばペンギン杯を世に広めたいと考えはじめる。



 実のところ、ススム君は昨年の段階で「ペンギン杯」に関して駄文を書き散らかしたくなっていた。

 しかしペンギン杯以外をろくに知らない浅き知見で好き放題に語るのもいかがなものか、と一旦は寝かせる。


「今なら書けるッ! 前よりも少し、世界を知った!」


 狭い視野ながらススム君も自分なりに見聞きし、界隈を散策した結果として、やはりペンギン杯はオススメだと実感。


 自由度が高く、多くの参加作品に対して愛が深いのが強み。


 無論、ペンギン杯以外の企画が「そうではない」と言うことはない。また、自由度の制限≒趣旨の特化という良さを生む。序列がついたり取り上げる作品に差異が生じることが次回のモチベーションに繋がる場合も、ある。


 だが、やはりペンギン杯は暖かく強いと感じざるを得ない。


 次回は、鳴人ガァんちゅの〝良さ〟を更に深掘りした内容となる。


(備考)

ペンギン杯が気になるねんけど、参加したいよ、という人は御連絡ください。

というか、僕が公開中の十四作品のうち六作品はペンギン杯絡みなので、あらすじかあとがき的なとこに何らかの形で言及されてそうな気もします。名前は違いますが実在する企画です。

鳴人ガァんちゅ真名まなは次回の後編で明かされますガァガァ!

 

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