(2/4)ATOKとの対立
(備考)
昔の話なので記憶が
作中ではストーリーの関係から、仮としてATOK無料期間を一ヶ月として心境を思い出しながら描写いたします。
(以下、本文)
思春期の少年が
多くの奇行を誘発する不治の病に罹患する若者は、令和の
「修行イベント……リミットはざっと残り半月ってとこか」
キモニキは自分以外誰もいない部屋で、静かに独り
中二病が不治の病とされる
「誰が飼い主か〝わからせる〟必要があるようだな
キモニキはノリノリだった。
ATOKは初見での使用難易度が高い。キモニキが少年漫画めいたマインドで半ば怒りながらも楽しむように、未熟なATOK術者がATOKを発動させようものなら多大な
「ったく……〝
誰も言っていない。キモニキが当時、勝手に一人で名付け定めたATOKの通称。
いわゆるフリック入力、画面をタップし長押状態で移動で入力文字を確定する動作。これを行う際に出現する仮想キーは、普通なら上下左右の十字型である。
数字の1ダイヤルキーに該当する位置つまり〝左上〟に存在する「あ」を長押しすれば四方向に「い、う、え、お」が表示され、対応する場所へ指先を弾くことで入力が完了。
指の左側が「い」で上が「う」となり、右が「え」最後に真下が「お」といった配置。
だが、ATOKは違った。
フラワータッチ、またの名を
ダイヤルキーで3の位置の「さ」を長押しすると指の左に「さ」が再出現し、直上には「す」そして指の右に「そ」が来る。残りの「し」と「せ」は中間位置に、つまり半円状の扇型に入力候補が並ぶ。
指の左側にある「さ」を起点として時計回りに「さしすせそ」が描かれるのである。
キモニキはこの独特な配置に惹かれアプリを入れた。
キモニキはこの独特な配置に苦しめられ続けた。
半円状の入力待機キー、それが扇の悪魔。
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