(2/8)毒に冒されてしまった野菜
カリフラワーを食べたところで死ぬことなどなく、チョコレートや炭酸飲料の件にしても友人の母が消費量を抑える目的で使った方便に過ぎない。そんなことなど知る由もない友人は
「カリフロワってさ、毒でやられて元気なくなったブロッポリー」
「そうなんだ!?」
「うん。毒で
「なるよね!」
「だから毒のブロッポリー、捨てた方いいよ」
「うん」
どうして毒物が昨夜の食卓に並び、あまつさえ弁当箱に混入しているのか。
『毒だ毒、お前にはまだ早い』
つまり大人と称される生き物は毒に耐性を持ち、好んで毒を身体に取り込むこともあり、また、自分や友人も少量なら摂取することが可能な毒固体の代表格たるチョコレートや、甘味で油断させながら泡を発し骨を溶かす種類の毒液も存在し、要するに毒物はありふれた存在。白き野菜も適量なら死ぬことはないのかもしれない。
そう考えると、何かの手違いで毒素に汚染されたブロッポリーが弁当箱に紛れていても違和感はない。
筋道を立て〝解〟を導き出すことで静かに納得した
毒を投入するうっかり者の母に注意してやろうと、帰宅した
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