(3/6)成長期 闇のナグリガキッズ
中学校に入学した
物心ついた頃から本州で暮らしていた
友人も知人も皆無な新生活は意外と問題なく過ごし、分析より以前に
「は? 投げろって言ったじゃん!」
掃除の時間、ゴミ箱の内容物を取り出し口を縛った後の出来事である。大きな袋を持つ
「そっか、そういう意味なんだ」
北海道の方言として「投げろ」は「捨てろ」を意味する。
つまり、口を縛った大きなゴミ袋を所定の場所まで運んで欲しいという依頼を示す。
しかし、
*
「うわ、雪やべえ」
降雪量の多い北国、越してきて一年目の
また、中学二年生の頃から友人の影響でアニメショップに行く機会が多くなった。
「帰り……ほんと……キツ…………」
往路は下り坂、復路は急勾配の上り坂、行きはよいよい帰りは辛いというやつである。
しかしながら、少年は活発に行動し日々が充実していた。
*
「分かったから、部屋戻るから」
中学三年生の冬、暗黒期。
少年の両親は自分達の人生や出身高校、大学に矜恃を持っていた。そして、長男である少年に対しありとあらゆる意味で接し方を
これは後年、誠実な謝罪を受け両親との亀裂は修復されることなるが、当時の少年は両親に対し殺意を抱く寸前だった。
「何なんだよマジで」
「書くか」
少年は思い出す。
自らがかつて、
こうして彼は、内なる鬱屈とした気持ちや怒りの
傍目から見れば両親も少年も「どっちもどっち」であり、両親にしてみれば善かれと思っての言動だが、そんなことは捻くれた少年には伝わらない。
「すっきりした」
一頻り精神の安定を図った少年は闇の
雑誌への、文章投稿である。
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