第26話

後ろから

耳元でなにか言われた

背後を取られたことが今まで一度もなく

未知の恐怖からか

目をつむったまま後ろに斬りかってしまった。

型もヘッタクレもなくわたしは

ぶんぶん刀を振りまわした。


すごい恐怖だった…

わたしこと東国の姫




言ってみたかったセリフ

「残像だ!」

まあ言ってる途中で大歓声によってかき消された

みたい…

まあオレもとから小声だしな…


ただ、いきなり少女の背後

しかも耳元はまずかったなあ…


きもがられて、多分恐怖でパニックに

なってらっしゃる姫さん。

元から弱かった少女が今ではチャンバラ以下

お遊戯も怪しいレベルになってるのを

理解したオレ


とりあえず離れて落ち着かせよう

スポンサーがみてるはずだから 

きちんとした試合にしないと怒られる…


「あーらいきなり背後に現れたら

怖かったよな!もう背後にはいかないし

攻撃もしないからとりあえず落ち着いてくれ…」

と、オレは優しく言う。




「はあ…はあ…はあ…」

ちょっと落ちついたわたしこと東国の姫

この王子…

強い!!!

魔道具か…?


いや、魔道具が強くても結局は使用者の力量がないと意味はない。

わたしの雷よりも速い魔道具を使いこなしてる

チカラを見謝ったわ…

「すまない…」

と落ち着かせてくるた王子に

軽くわたしは謝罪した。





ははーん!!

わかったぞ!

この少女 姫というのは役者の役だな!

決勝戦なのに弱すぎる。

ただパフォーマンスは一級品だな。

観客の歓声でわかる

なんかこういう姿の劇あった気がする

だからパパンが、ばれないように遠い国から

雇ったんだろう

近くだと 

この人、劇でみたことあるって何人も観客が

思うからな! 

ヤラせが、ばれる!!


オレ納得!

なら勝ち確定!

まあ最初からパパンはオレか優勝って

言ってたしな。

なんだ!ヤラセの出来レースだったか!


なら、あとはどうやって勝つかだな。

パパンからの指示はない。

姫役の少女のほうには言ってあるのかな?


落ちついた東国の姫

「お主のチカラを見誤って

侮ったこれまでの発言

撤回とともに謝罪を…」

と腰を90度曲げ オレに頭をさげてきた。


いい子じゃないか!!

昨日のビンタの時から役を仕込んでいたのか?!

うわー!!

まんまとパパンの策にはまったわ

とオレは思った。


「いまのわたしでは勝てない…

だから 本当はお主の父上に使うはずの

奥の手を使わせて頂くわ!」


「うむ 攻撃しないからかかってきなさい」

ちょっと役者気分になったオレ



使ってた刀を納刀し地面に置き

もう一本の刀をぬく東国の姫

「これは我が国主の家系にて継がれる代々の家宝

雷の神が宿っているの。

そして唯一、わたしの全力の魔力に耐えうる刀 

この全力の一撃が破られたなら負けを宣言するわ


ただ勝てたら お主の父上にお願いがある…

税の一時的免除 農産物の食料を無条件で

提供してほしいの 

今は大丈夫だけど来年の冬は越せそうにない…

この刀で一撃を繰り出せばわたしは倒れ

三日三番は寝込むの… だからお願いしたい!」



「ああ了承した」


立派だ 観客を盛り上げ 

オレのヤラレ役の仕事料だな。 

たしかにオレがパパンに請求するなり


ん?雷の神?

まさか…

この子

パパンの厨二病仲間だな?

だからこの子が抜擢されたかあ

なるほどなるほど!


「待って頂き感謝を では」

抜刀の構え 腰を落とす東国の姫

そして少女の上から 天より雷が落ちる

直撃しすごい轟音がなる

ピカっゴロゴロがっしゃーン!!!!


先ほどの雷をまとう少女が 

段々赤い雷へと変色していく。

足元の砕けたリングの金剛石の破片が、

浮かびあがってる


肉体が耐えれてないのか

目 耳 鼻 口から少しずつ血が垂れる

「ぐっ…」苦痛に顔を歪める東国の姫



だ、大丈夫か…?プロの役者もたいへんだなあ…

自分の国の未来がかかってるからか凄まじい気迫だ


いや、でも怪我したらいかんよ?

オレの責任になるから…

心配になるオレ。


「いざ!!!参るっっ!!!!!」

東国の姫の足元

リングの金剛石の破片が砂の様になり

凄まじい轟音とともに 音をおき去りにし

抜刀の構えのまま踏み込んでオレ目掛け

駆けてきた東国の姫だった。




※補足※

王子は東国の姫を選手ではなく

ただの役者と思っている。

ヤラセで王子を勝たせるために

パパン王が雇っていると勘違いしている。

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読者の皆様 初心者の拙い文章ですが

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いつも本当にありがとうございます。

励みがんばって参りますので今後ともよろしくお願いします。

思い付く限り執筆 不定期に投稿しますのでぜひフォローよろしくお願いしますm(_ _)m






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