第70話、濃姫って織田信長が初めてではなかったの?

早川ちゃんが自分に対して知っていることを話し始めた。濃姫ってあんまり記載に残っていなかったから知らなかったけど悲劇と言えるほどなのかなと思いながら聞いた。






濃姫、斎藤道三の娘で道三によって最初の夫を殺されていると言うのだ。あれ?濃姫って織田信長が初めてではなかったのと思いで聞いた。






と言うか、斎藤道三!後世まで語り継がれるよ、その性格の悪さだから美濃の蝮と呼ばれているだよ。恩人は殺すわ、義理の息子も殺すし、それは息子に殺されても文句は言えないよ。まあ、歴史通りなら文句は言っていなかったらしいけど。






しかも最悪なことに濃姫とその人物の関係はかなり良好だったらしく死んでからは廃人みたいに濃姫がなってしまったらしい。






あれだな、桃花さんがいたら間違いなく斎藤道三は殺しに向かうなと感じていた。女好きだから許さないだろうなと思っていた。本当にこの場に桃花さんが不在で良かったと感じていた。






それだったのに早川ちゃんが本当に怖い顔をしてあのクソジジイと聴いたこともない声で話していた。自分はあまりにも怒っているだろう早川ちゃんに静かに話しかけた。






「あの・・・早川ちゃん?物凄く怖いですけどどんだけ恨んであるのですか、落ち着いてくれませんか」






「あ・・・ごめんなさい、怒りのあまりに本音が出てしまいました。今のことは忘れてくれると嬉しいですけど・・・」






・・・無理です!今の事は忘れることが出来る自信がありませんから、それと結局、縁談の話しはどうするつもりなのと思っていた。






確かに味方は欲しいから受けたいけど・・・斎藤道三だからなと考えてしまっていた。早川ちゃんは濃姫を救うためにも受けて下さいとお願いをしてきていた。






う〜ん、早川ちゃんのお願いだから聞いてあげたいけどと思っていると早川ちゃんがなら調略で信濃、飛騨、甲斐の国をとった褒美として聞いてくれませんかと言われた。






それは断れる訳がないでしょう、そこまで頑張った人にそうお願いをされては断れないかと覚悟を決めて受け入れる事にした。






そうして斎藤家の使者に同盟の話を受け入れると返答した、それからしばらく後に濃姫が駿府館に到着したと言うので早速会いに行くことにした。






「濃姫でございます、宜しくお願いします」






すみませんがロボットよりもロボットみたいな感じを出さないでください。目のハイライトが消えているですけど全て、何もかも諦めている様子を見せているですけど。話を出しづらいですけどこの時は何を言えばよいのと考えた。






こちらは想像以上に廃人でこちらの早川ちゃんはさて、あのクソジジイを始末するだけですねと殺気を激しく出しながら笑みを浮かべて話していた。






こちらはこちらで怖いですけど既に裏切る気満々だったですけど!?でも今は味方が欲しいから辞めてくれと言うと早川ちゃんは分かりました、後ほどに殺るという事ですねと返答をした。






違うーーーーなんで殺す方針は固まっているのとツッコミを入れた。すると舌打ちをしたので早川ちゃん!?と思いながら見ていた。






本当に自分は女難の相でもあるのかなと思いたくなるぐらいだった。他人の話だったらどうしたらこんなことになるのかと聞きたいぐらいである。






とりあえず今は濃姫ちゃんを何とかするほうが先だなと感じて話しかける事にした。






「濃姫ちゃんはもう分かっているかもしれないけど改めて伝えるね。自分は真里谷常陸介信政と言うだ、気軽に信政でも構わないからね。それから今日は長旅で疲れたでしょう、ゆっくりと休んだらどうかな」






気を使いながら話しかけると濃姫ちゃんは気を使わせて申し訳ありませんと頭を下げてきた。そんなことはしなくても良いですからこれからは家のように住んでくださいと伝えたい。






濃姫ちゃんはありがとうございますと言ってからその場から立ち去った。自分は一息を入れてから先程の様子を思い出していた。あの様子では自害もしてしまうかもしれないから注意をしないといけないな。






早川ちゃんがあそこまで怒るのはやはり育ってきた環境の違いだろう。北条家は戦国時代でも数少ないお家騒動がなかった家だから家族関係は良かっただろうな。






それに引き換え斎藤家は・・・やはり家族同士がすることを許せないだろうな、早川ちゃんは・・・でもな早川ちゃん、家族同士が争うのは今の時代では当たり前なんだよ。






だからこそその当たり前を失くしたいだけどね、さてとここまで大きくなると心配事は包囲網を作られてしまう事だ。元の歴史でも信長包囲網などで苦戦をさせられていたからされない様に警戒をしないと。






なんせ知恵者で有名な真田幸隆がこのまま黙っているとは思えないから包囲網を作ろうとするだろう。






そうなると狙い目は奥州の伊達氏、蘆名氏、越後の長尾氏、遠江に逃げた武田家、そして相模の北条家となる。






出来れば災いは無くしたいが戦いを起こすほどの物資が不足しているのでやはり外交と内政、そして相模からの使者たちを他の国に向かわせないようにするしかないと考えるのだった。






ともかく今は広がった領土の発展と濃姫ちゃんに自害などしない程度に元気になってくれないと思い行動に移すのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る