第69話、ここまで大きくなれば威圧感が凄いよね

さて、春日虎綱との話し合いも終えたのでゆっくりと情勢など整理していた。






作戦が始まる前は関東の巨大な一つの勢力だったのに今では上総、安房、下総、常陸、上野、下野、武蔵、伊豆、駿河、甲斐、信濃、飛騨の主になった。






厳密で言えば武蔵国の一部は北条家の支配下のままだけど合わせて12カ国の戦国大名に成り上がった。いやいや、どうするだよここまで大きくなれば後が引けなくなってきたですけど。






だってまだ西暦で言えば1548年ですよ、あの織田信長が一気に有名になる桶狭間の戦いが1560年で12年前からこんなに大勢力を築き上げてどうするだよ。






当初の目標は関東でそれなりの勢力を築いてから維持が目的だったのに天下を狙っている大勢力までになってしまったですけど、自分は天下など目的にしていなかったのに気がついたら三好家に次ぐ大勢力になっている。






後の英雄である織田信長も当主になっていないし、武田晴信も遠江の一国こそあるが本拠地だった甲斐の国に信濃を奪ったから弱体化は避けられない。






北条氏康も相模と一部を残して全て真里谷家に奪われたので勢力維持も大変になる。佐竹氏はこの前の侵攻して滅亡してしまった。






奥州の伊達氏も関東など興味がないのか何もして来ないし、蘆名氏はどうなるかは分からないが問題は越後の長尾氏と美濃の斎藤氏になっている。






越後は言われなくても有名な軍神、長尾景虎がいるので危険だし美濃には歴史など好きなら知っているだろう美濃の蝮、斎藤道三がいる。






改めて考えると後の世まで名前が残っている傑物たちが周りにいるなと味方にしたいけどそう簡単に出来るとは思えないからな。それにここまで勢力が大きくなれば同盟をしたくても疑われてしまうだろう。






それと巨大な勢力になっても腹に虫を持っている状態だから自由に軍事行動が難しいだろう。いくら北条家が弱体化しても有能な人材は未だに健在、逆襲はいくらでも考えられる。






真田幸隆、前田家元、二人の家族は実は上野国に残っておりこちらで捕虜としている。もちろん屋敷など与えて外に出していないだけ、しかも諏訪姫は妊娠もしていたらしいので最新の注意をしてくれと命令している。






本当なら前田家元に見守って欲しいところであるが敵対している以上それは許されるわけには行かない。しかも自分の記憶が正しければ諏訪姫は出産してから体調が悪くなりそれが元で亡くなっている。






そう考えるとやはりと考えてしまう、それに真田幸隆の家族も子供が幼い子がいるから・・・何でこうなってしまったのかと落ち込みながら考えていた。






素直に北条氏康が降伏してくれると助かるだけどな、北条家の勢力は全て真里谷家に隣接したので味方になれそうな勢力が近辺にいるのが武田家と長尾家、蘆名家の3勢力のみである。






蘆名家がこちらに戦う程に勇気はないだろうし武田家も恨みこそはあるけど先程のことで殆の戦力と国力が失われたのですぐに助けには迎えない。






となると残りは長尾家のみであるが普通なら助けには向かわない・・・そう、普通の戦国武将ならば・・ね。






しかし、残念なことに長尾景虎と言う人物は普通ではないのだ。何でこんな利益がないのにと思う事でやってくるやつだからもし、万が一に北条家が長尾家に助けを求めたら・・・。






そうなるといくら巨大な勢力になった真里谷家でも厳しくなってしまう。巨大になったのは良いが人材が未だに不足しているので困っている。






それに軍事行動に必要な物資も底が尽きかけているので戦いたくもない。どうすれば良いことかと色々と考えていた。






・・・そうか、朝廷や足利家に大量の資金など献上して正当化してもらえれば良い、これだけでも越後の長尾景虎は行動を出さなくなる可能性が高くなる。






その上に豪族たちに対しても色々と言えることになるしと戦えない間はそのような方針でやろうと決めたので資金など集めることにした。






そうなると都まで距離がかなり近くなった、信濃から美濃、近江と向かえばあっという間に到着できる。前は下総からスタートしたと思えばかなり近くになった。






資金の送るのもかなり楽になったので良かったと思っていたらただいま、美濃の斎藤家と尾張の織田家が争っております。






そう言えばこの頃だったかな来年辺りで斎藤家と織田家が和睦してその条件として織田信長と濃姫の戦略結婚が行われるだったかな。






となると来年まで大人しくしてから来年辺りになって落ち着いてから始めることにしようと考えて過ごしていた。






しばらくして落ち着いてきたので伊豆にいる早川ちゃんが駿府館に到着した。すると早川ちゃんはここまで勢力が拡大したのに側室の一人ぐらいは作ってくれないと困りますと言われた。






早川ちゃん!?いくら何でも早すぎでしょうと伝えると早川ちゃんはむしろ遅いですと怒られてしまった。別に側室なんて作らなくても良くないと思っていたら数日後に恐ろしい話が届いたのである。






その内容は斎藤家から同盟の話でそれを承諾すれば娘の濃姫を側室に送ると言うのだ。この前に話していた事が現実になってしまったですけど。






でも濃姫は織田信長の妻になるからあり得ないと考えていたら早川ちゃんが嬉しそうな声を出して話してきた。






「願ってもない話です!すぐにこの縁談を受け入れましょう」






だから早川ちゃん!!??どうして君、自身の立場を無駄にしようとするのと訳がわからなかった。今の君は立場が弱くなっているだよ、下手なことはしないほうが良いと伝えた。






「立場が弱くなっているからこそです!私は大好きな貴方の血を途絶えたせたくない、今の私、一人では限界がありますので側室を増やして欲しいのです。それに濃姫さんは美濃で一番美しい姫であり・・悲劇の姫とも言われていますから」






全く、早川ちゃんの知識や自分に対する思いには感服するよ。それに大好きってそこまで言われると嬉しいなと感じながらも濃姫が悲劇の姫とは・・・自分は早川ちゃんに知っていることを話してくれとお願いをして話を聞き始めるのだった。

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