第71話、濃姫との交流

それから今まで事が嘘と思うぐらいに周辺国が落ち着いてきた。周りの国も巨大な国になった自分の勢力に手を出さなくなりこちらも向こうから手を出さないなら何もせずにいた。






お陰でゆっくりと内政もできて安定してきて、自分も駿府館を後にして本拠地の上総、万喜城に戻り早川ちゃんと濃姫ちゃんとゆっくりとしながら過ごしていた。






ここの所は本当に忙しい日々が続いたのでゆっくりと休んでも誰も文句は言われないと思って休んでいると早川ちゃんがこちらを見てから話をしてきたのである。






「本当に平和と感じがして良いですよね、これで私の実家の者たちもこうして共に過ごせたらもっと良かったのですけど」






まあ、それはそうだよねと話しながら同意していると濃姫ちゃんが自分に対して話をしたい感じを出していたので何か言いたい事でもあるのと尋ねてみると返答が帰ってきた。






「その・・・ありがとうございます。こんな私をこのような扱いにしてくれて」






「気にしないでくれ、流石にあの様な状態だとこちらも気まずいから。それにしても早川ちゃんが言う通りに平和だな。今が争いの世だとは思えないぐらいに」






自分は思っているままに話した、静かにこの関東にも平穏が訪れたと思いたいが未だに相模国に武蔵野一部が北条家の勢力化にある。その北条家が降伏してくれたら最高なんだけどなと思って過ごしていた。






それと濃姫ちゃんが来た直後は本当に感情が消えている人だったので色々と苦労したけど今はそれなりに表情に出してくれるようになってきたのでホッとしている。






そして濃姫ちゃんが元気になってからしばらくして、向こうから夜這いしてきたのは驚いたけど美味しく頂きました。早川ちゃんがからはもう少しだけ大きくなったらねと言うと早川ちゃんはほっぺを膨らませて怒っていた。






その様子を見た濃姫ちゃんは本当に仲が良い兄妹みたいですねと言いながら嬉しそうに見ていた。確かに妹みたいとも思っているところはあるかなと考えていると早川ちゃんはまだそのように考えていたのですねとかわいい怒りをしていた。






そうだ、三人で花札をやらないかと提案をしてみるとそれで勝った人が負けた二人にお願いするのはどうと早川ちゃんがやる気マンマンだった。前に自分が早川ちゃんに花札でボコボコにされたから勝てると思ったなと分かったが言い出したので今更、変えるわけにはいかないと諦めて覚悟を決めた。






しばらくして・・・






「あの・・・すみませんが四光、月見酒、勝負!」




「待て、待ってください!濃姫さん、まだ役物を揃えられるかもしれないですよ、落ち着いてください」






落ち着くのは早川ちゃんだと思うけどなと思いながら見ていた。早川ちゃんは絶対に勝てると思っていた花札でここまで追い詰められているので必死に濃姫ちゃんを説得していた。






でも濃姫ちゃんはもう揃えられる自信が無いのですみませんと言い勝負をした。早川ちゃんは落ちこんで体が燃え尽きたように真っ白になり落ち込んでいた。






まあ、濃姫ちゃんはそんな危ないことを頼まないだろうから早川ちゃんも気に過ぎだよと伝えた直後に濃姫ちゃんが恥ずかしそうにしながら今宵も夜這いをしても宜しいでしょうかと言ってきた。






・・・うん!想像以上に爆弾発言だったなと思いながら早川ちゃんを見てみると真っ白になっていた体が更に白くなり消えてしまいそうになっていた。早川ちゃん!?貴女は人間だよね、そんなことが普通はできないよねとツッコミを入れたいと思っていた。






それにしても濃姫ちゃんも夜這いとは・・・まあ、嫌ではないけど。そして濃姫ちゃんは今のうちではないと数年後には早川ちゃんに夢中になると思うからと恥ずかしそうな声で伝えてきた。






それを聞いた早川ちゃんが今度は真っ白から真っ赤に変化して湯気も出して慌てていた。早川ちゃん、本当に人間なのとツッコミを入れたほうが良いのか。悩むほどに普通ではできない事をやっていた。






でも濃姫ちゃんもこの場所に馴染めて良かったと感じてみていた。家臣たちからも正室に側室が一人いるので増やせなど文句もなくなったことだし、平和だな。






前とは大違いと言えるほどに違いが出ていた。前は文句は言われるわ、謀反を起こされるわ、女性は寝取られる・・・過去を振り返っても散々すぎる。






あれは幻だったのか、それともこちらが幻なのか・・・そして時々、思うのだ。前田家元に関してのことだけどこの世界線の前田家元は他人の女性を寝とうような男には見えなかった。まあ、諏訪姫に対して一目惚れは変わりはないけど。






他の女性を寝盗るようなことはしていない、何かが裏にいるとしか思えない。そう、彼が前の世界で始まった地は常陸の国、そこになにか答えが眠っているのかもしれない。






神々がいるのだ、常陸の国に邪神や祟り神が存在してもおかしくない。だけど常陸の国にそんな神様がいたのかなと考えていた。その時に早川ちゃんが何か考え事をしていることがバレて何を考えていたのですかと聞かれた。そしてもしかして濃姫さんとの夜這いを考えていたのですかと目のハイライトがオフになっていた。






・・・怖ーーーーいですけど!!間違いなく夜に出会ったらトラウマに残るほどに恐怖を感じたのですけど、早川ちゃんは少しばかり落ち着いてくれと話した。側室を作ってくれと言ったのは早川ちゃんだよね、自分は悪くないよね?それとも悪かった??と思いで見ていた。






でも考えていたことを口に出しても信用してくれるはずがないので自分は別に今までの事を思い出していただけと伝えたらそうですかと普通になってくれた。






早川ちゃんってマジで何者なのと思うことはあるよなと思っていると濃姫ちゃんから本当に殿は早川さんを大切にしているのですねと嬉しそうに言ってきた。






まあ、もう長い付き合いだからなと伝えてその日も平和に終わると思っていた時にここで濃姫ちゃんが自分に対してお知らせしたい事がありますと伝えてきた。






それは夢の中で桃色の蛇と大きなカラスが後日に会いに来るからお知らせして欲しいと言われと言うのだ。ただの夢にしてははっきりと覚えているので濃姫ちゃんは伝える事にしたというのだ。






桃色の蛇と大きなカラス・・・ヤマタノオロチと八咫烏かもしれない、その上で後日に会いに来るって・・・何か、大きなことが起きそうなのか。勘弁してほしいだけどなと考えていた。






ついでに濃姫ちゃんが夢の中で桃色の蛇に君、可愛いねとはぁはぁと危ない顔をして言いながらいろんな意味で襲われそうになったと言ってきた。その後に大きなカラスがおいと言われながら助けてくれたらしい。






・・・自分は何も知らない、何も聞かなかった事にしよう!だいだい桃色の蛇なんているわけがないから、それに大きなカラスだって・・・そう思うことにした。






でも何か、大きな運命が動きそうと感じていた。あの二人がこの場に来るというのはそれだけに・・・今の自分では想像もできなかった。

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