第4章、東国の覇者

第67話、甲斐一の美少女?春ちゃん

駿河国の統治体制を整えている時に甲斐国から小山田氏から挨拶に来ていた。これは武田晴信が向かわせたのかなと考えたけど、それは無いかなと感じた。






確かにこの度は協力して今川家を滅亡させたけど次は戦うかもしれない相手に仲良くとは思えない。それに甲斐武田家の当主、武田晴信は父親を甲斐国から追放させた事もあり余計に信用がなかった。






・・・ごめん、あの時は正気ではなかったとはいえ自分も父親を亡き者にしていました。どうして武田家は身内でこうも争うのかな。昔を思い出せば先代の時代も一族で内紛していたし武田家とはそう言う宿命なのかなと感じていた。






今はそれよりも小山田氏から来た者の対応をしないと考えた。内容は想像できないけど良いものであって欲しいと願いながら小山田から来た者が待っている場所に向かった。






そこには一人の武士と絶世の美女とも言える女性がそばにいた。もしかして想像以上に村上氏が勢いがあり後方の守りを固めたい為に美少女または美女でも送って敵ではないことを示したいのかな。






確かによく考えても今の真里谷家は上総、安房、下総、常陸、上野、下野、伊豆、駿河そして武蔵ほ殆どを治めている大名に成長した。警戒されない方が無理と言うやつだ。






でも領土が一気に拡大したとはいえ統治体制がまだ完全ではないのでしばらくは軍事行動は出す事はできない。そんな事を考えると利害は一致しているから同盟の話なら聞いておこうと思いで座り込んでから話し合いを始めた。






「待たしました、急な訪問だから何も用意はできていないがどのようなご要件かな」






そう言うと手紙に書いてあったことを信じてこちらに寝返りをして甲斐国を奪ってきたのでその報告に褒美を貰いに来ましたと言ってきた。






・・・何?甲斐国を奪ってこちらに寝返りをしてきたと何を言っているのかと言おうとした時に思い出していた。そう言えば、早川ちゃんに調略など出来そうだったらやっても構わないと言っていたなと思いだしてすぐに返答した。






そうかと話してから手紙の内容の報酬は覚えているかと話した。こちらが知るわけないので向こうから自然に内容を出させる事にした。






すると甲斐国の半分を貰うと言う約束であった、そうかならば別に構わないかと思っていた。だって今でさえ広がった領土で手が一杯になるのにこれ以上は無理と言えたので自分はこう答えた。






「そうか、小山田殿は真に大儀だった。その思いに小山田殿には甲斐国、一国をお任せしたいと思っている」






そう言うと小山田の使者は目を開いて驚いた顔をしていた。まあ、約束していた褒美以上だから驚いているのも無理もないかもしれないけどそこまで驚かなくても良くないですかと思ってみていた。






すると使者はありがとうございますと頭を下げてお礼を言ってから使者がそんな大殿に手土産でございますと隣の絶世の美女を差し出した。






使者の話では武田晴信から一番、愛されている側室で忠誠の証として連れて参りましたと言ってきた。なるほど武田晴信から愛されているだけにあって相当な美女であり今まで見てきた美女の中でも一、二を争うほどである。






なるほどとりあえずは忠誠を誓ってくれるらしい、もちろんこちらが弱くなればあっという間に裏切ると思うけどとりあえずは味方として見ても良さそうだと感じた。






それと献上された美女は何も喋らないな、無理もない嫌々連れて来られたのは想像はできる。怖いだろうなと考えていると使者はそれでは証拠の書状をお願いしますと言われたのですぐに書いて使者に渡した。






すると余程に嬉しかったのか笑みを浮かべながらそれでは殿に少しでも早くお伝え致しますのでこれにて失礼致しますと言ってからその場から立ち去った。






全く要件が終えるとさっさと帰るとは・・・それにしてもこの日本では珍しい金髪とはその上でこの美貌、これは絶世の美女と言われても仕方がないと思いながら自分は話を始めた。






「怖かったかもしれないけど安心してほしいかな、そんなに無理やり襲うつもりはないから。そうだ、自己紹介がまだだったね、自分は真里谷上総介信政と言うだ。よろしく、君でよろしければ名前など言ってくれると嬉しいかな」






とりあえずはこちらの警戒を無くすために優し目な声で話すとその美女は震えながら黙っていた。まだ怖いのかと思いで話そうとすると静かに口を開いて何か言い始めた。






自分は何を言っているのかなと耳を傾けて見ると女に見えるのかと静かに言っていた。自分は勿論だよと答えると目の前の美女は今までが嘘だったような声をあげて自分に対して言ってきた。






「僕は男だーーー春日虎綱と立派な名前があるだーー」






それを聞いた自分は笑いながら君がとあり得ないと笑い流そうとしていたら春日虎綱と名乗る美女がそう思うなら下にあれがあるからと言ってきたので面白い確かめてやろうと着物を着ている春日虎綱と名乗る美女に近づいて確かめ始めた。






どうせ張ったりだろうと思っていたら下に女性にはない例のやつがあり、自分は・・・・うん?あれ?と宇宙猫状態になり唖然としてしばらくしてから自分は。






「う、う、う、嘘ーーーーーーーー!!??本気であるですけど本当に、本当なの!?」




「このうつけが、普通に気が付くだろうがそんな事も分からないのか。甲斐国もそうだ、僕を皆が女扱いして春ちゃんと変なあだ名までつけられて散々なんだよ、僕は」




「気がつくはずが無いだろうがーー!!ついでに可愛いあだ名だね、春ちゃん」






自分は駿府館、全体に響き渡る声を出して返すのだった。本当にこの衝撃は前に諏訪姫が寝取られていた事並みの衝撃だったと伝えておこう。






絶対にこの事を後世に伝えてやると心の底からそう誓うのだった。

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