名門武家の分家として戦国時代を生き残りたい

第65話、破竹の勢い

自分は安房国から出陣した水軍と合流して進撃を始めた、ここまで来ないだろうと油断していたのが目に見えるぐらいまでに現れていたので遠慮なしに攻撃を開始した。

殆の城が突然現れた軍勢に驚いて城を放棄して逃げる始末で無人の城を次から次へと攻略した、もちろん農民たちにも説得をしないと簡単に統治は出来ないがここに早川ちゃんが自ら説得してくれた。

それは非常に助かったけど説得する内容が早川ちゃんの父である北条氏康が気が可笑しくなりその上で血迷って家族まで手を掛けようとしていると説明していた。

確かに早川ちゃんと結婚しているから嘘ではないけど嘘ですと思いながら聞いているとそれではいつ民まで被害が来るかわからない以上は信用できると判断した夫に任せることにしました。

なので抵抗しないで下さい、こちらも刺激さえなければ何もしないと約束いたしますと民に話すと民の殆どが信じてくれた。本当に早川ちゃんは民から人気が凄いなと感じながら見ていた。

その上で北条家に仕えているはずの風魔まで多く味方してくれた。そこまで人気なのと思っていると風魔に関しては昔に草にも関わらず多くの報酬を出して優遇もしてくれたので草にあんまり優遇しない北条家よりこちらが良いと感じて馳せ参じたと言うのだ。

そうか、ならこの事を伊豆の民たちに伝えてくれと草の者たちにお願いをした。すると承知と行ってどこかに消え去った。

その後、北条方の城を攻める時に逃げるどころかこちらに加わる足軽まで出て来て伊豆を奪う時には連れてきた三千だったのに気が付くと五千まで増えていた。

しかもその後に風魔から一千ほど加わり最終的に六千になり、その上で物資も殆ど失われていないので自分は決断をした。

「我々はこれから駿河国に侵攻する、安房国から来た水軍のうち二千はこの伊豆の国に残り防衛せよ。残りは駿河国に向かう。まずは風魔たちは先行して噂を流せ、北条氏康が真里谷信政を撃退して同盟国である今川を助けに来たと」

そう言うと風魔、一千は駿河国に向かって走り出した。そして残りは北条家の鎧を着て旗も北条家を使う、そうして今川を騙して一気に駿府館まで向かいそこで一気に落とし、それらを盛大に宣伝して今川側を恐怖に陥れてやれとみんなに伝えた。

そして早川ちゃんにはここで退路になる伊豆の国の守備を任せた。本当なら他の者に頼んだほうが良いが信用できて更に土地勘があるのが早川ちゃんしかおらず自分は情けないなと思いながら頼むと早川ちゃんは笑みを出しながらわかりましたと返答した。

そして早川ちゃんがもしこちらで調略できそうな人がいたら何処まで報酬を出せますかと言われたので自分は早川ちゃんに任せると発言した。すると分かりましたと笑みで返答してくれた。

何か考えでもあるのかなと思ったが今はその考える時間も無いのですぐに馬に乗り出陣をした。

自分は早川ちゃんに頼むと言ってから駿河国に向かって電光石火の如く走り出した。これは時間との戦いでかかればかかるだけ今川本隊が戻ってきてしまい駿河国、攻略は難しくなる。しかし、今ならいけると考えていた。

駿河国に入り走り込んでいると風魔からの草から面白い話を聞いた。今川本隊が遠江で甲斐武田家と戦になり劣勢になっていると言うのだ。

しかも今川義元、自ら出陣して劣勢らしい。これは駿府館より先に駿河と遠江の国境の城を奪うことにした。これなら最小限の被害で駿河国を取れると確信をした。

自分たちは敗走するだろう今川義元の退路にある城を奪い取り旗は今川家のものを掲げておけば今川義元は本拠地である駿府館に戻る前に休憩を取るだろう。

だからその城を奪い確実に今川義元の首を上げてからその首を暗いうちに駿府館に届けて味方が何とかして持ち帰ったように見せかけて門を開かせて一気に落とす。

目には目、歯に歯ではないけど策略なら策略で返さないとな。それも勢力を滅亡させるほどの事をしないと、ともかく今はその策のために急がないと間に合わなくなってしまう。

そうして自分たちが到着した頃はまだこの辺では戦闘が行われている形跡が無いのですぐに遠江と駿河国の国境付近の城、入野城に逃げ込むはずだ。

この近くに今川義元が信用している家臣の城も近くにあり安全に帰るのであればここに来るはずと睨んだのですぐに入野城を奪って旗は今川家のままにしていると遠くからこちらに向かってくる部隊を見つけた。

そして風魔の草があれは今川義元の馬印がありますと言ってきたのでやはりと思いながら迎え入れる為に準備を始めていた。

そう、今川義元を・・・今川家を黄昏に送るための準備の最後に取り掛かった。名門家、今川家の終焉を贈るために・・・。