第63話、前田家元と真田幸隆
真田幸隆は今か今かと待ち構えていた、ようやく本当の主を救う機会が到来して待ちに待っていた。ここで作戦に参加をしている前田家元から落ち着けと言われていた。
ここで無駄に興奮してバレたらたまったものではなくなるので水面下で静かにしてその時を待っていた。前田家元もこの作戦は成功すると信じていた。
誰にもバレていない上にこれをする為に色々と工作もしてその上に話によるとお土産などを買うために鎌倉など立ち寄って油断をしていた。
そこまで脅威と感じていない証拠であり、だからこそこの作戦は成功すると思っている。心配事があるとすれば万が一に取り逃がした場合、上野国に残してきた諏訪姫や真田幸隆の家族の身が危ないという事だ。
未だに地盤は不安定で何かあればあっという間に崩れてしまうほど脆い状態だがここで真里谷信政が来るのは天が与えてくれた好機と考えている。
前田家元は命を賭けても助けてくれた人を助ける為に大勝負に出ていた。気になるのは早川と関係が上手く行っていることだが早川の姫ではどうする事もできないと考えていた。
それから数日後、とうとう真里谷信政と早川の姫が到着してついに来たと心を落ち着かせて機会を伺っていた。
前田家元と真田幸隆は部隊を率いていつでも行けるように準備をしていた。夜が良いかとその日の夜、真里谷信政が眠り込んでいる屋敷に夜襲をかけた。
しかし、そこにいるはずの真里谷信政の姿は何処にもおらずもの家の空になっており前田家元と真田幸隆はまさかと目を見合って驚いていると置き手紙が残されているのを兵の一人が見つけて二人はすぐにその手紙を読み始めた。
前田家元と真田幸隆へ
どうも久しぶり!元気に暮らしていた。まあ、ここに夜襲を仕掛けるほどには元気だろうから良いのだけど流石に驚いたよ、こんな所で夜襲は勿論のこと・・・北条氏康・・・北条家と真里谷家の関係に亀裂を入れたこと。
真面目に怒りが出てきたね、そのせいで早川ちゃんは悲しんでいるだよ。元家臣の二人でも笑みを出して許せられないと言うのが自分の本音だよ。
だから上野、下野国の2カ国と二人の家族は自分が預からせてもらうよ。文句はないよね、でも安心して家族に関しては大切に預かっておいてあげるからそこは安心してね。
それと早川ちゃんの父親である北条氏康にも伝えておいて下さい。裏切った報いとして武蔵国を頂きますと・・・それでは元気でね、前田家元に真田幸隆さん。
真里谷上総介信政より
二人は不味い、作戦がバレていたと慌てながら北条氏康のもとに向かって走るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます