第58話、平和な時
相手の作戦をうまく逆に利用して下総国の安定だけではなく常陸の国に自分の勢力圏を作ることに成功した。
ここまで勢力を伸ばせば簡単には攻めて来ないだろうがこんな時は外交で味方を増やしたい所だ。
そうなると一番仲間にしやすいのは相馬家になるかな、相馬家は伊達に佐竹に挟まれて中々勢力を伸ばせないで困っているだろう。
ここで同盟の話を持ち出せばきっと受け入れてくれると考えている。問題は真田家である、今回こそは穴沢が仕官の際に北の情報を持ってきてくれたから対応できたが次もできると言われると断言できない。
だからこちらも対応したいが今はそんな事を考えている場合ではない!
実はとても大変な目に遭っているのだ、絶対に負けられない戦いなのに負けそうになっているのだ。
そう男として負けたら色々と失ってしまうかもしれないと緊張感が溢れて挑んでいる時に相手が笑みを出しながら自分に対して。
「・・・私の勝ちです、三光、赤丹、勝負!」
「嘘でしょう!ここで三光に赤丹を出してくる?早川ちゃん、花札とかの天才だったりする。自分が考えた遊びなのに負けてどうするだよ!」
もちろんこれは自分が考えたゲームではない。花札で遊んでいた。花札は安土桃山時代から始まったと言われており自分は少し先に創り出してしまいました。
内容は覚えていたので街の職人たちに依頼をして作ってもらった。
早川が屋敷でただ待っているのも可愛そうだなと思いで作ったのは良かったがそれで勝負して負けたら相手の言うことを聞くという勝負を開始したら向こうが強すぎで負けてしまいました。
と言うか自分の運のなさが敗北の原因かもしれないけど、負けたからどんな事をお願いされるのかと思いながら待っていた。
するとお願いの内容は一緒に寝て一人の女にしてくださいというもので自分はそれを聞いてすぐに顔を赤くしながらすぐに他はないのかと尋ねてみたがないと言ってきた。
参ったなと思いで考えていたが早川ちゃんが駄目ですかと甘えてきたので自分は分かったと返事をした。
すると早川ちゃんは嬉しそうにしたのであった、そしてあちらも恥ずかしそうにしながら出来る事ならば気持ちよくさせてくれると嬉しいのですがと聞いてきた。
そう言えばこの時代で女性が勝手に気持ちよくなるのはダメだった様な気がしていた。なるほどだから勝負して勝ってお願いをしたのかと思った。
その様に平和に過ごしていた、本当に一時はすべてを諦めるぐらいに危なかったがこうして平和に過ごせて幸運だなと考えていた時に早川ちゃんに前から気になっていた事を思い出して聞いてみた。
「そうだ!早川ちゃんに聴きたいことを思い出した。早川ちゃんは一体何処から自分の中の鬼を封印する石を手に入れていたの」
そう聞くと早川ちゃんは答えてくれたのであった。話だと自分に嫁ぐ為に移動をする前に一人の老人から石を渡されてこれでお主の愛する者を救うが良いと言われたらしい。
それで早川ちゃんはこれで本当に救えるのですかと聴こうとした時にはもう消えて目の前から消えていたと言うのだ。
何とも不思議な話であるがそれで現実に自分は助かっているのだ、本当の事であろうと考えた。そしてその老人の名前は分からないままだと言ってきた。
お礼をしたいのに分からないとはそれは困ったな、でも会う機会があればしっかりとお礼をしなければと思うのであった。
こうして楽しく過ごせるのはその老人のおかげだしなと考えていたら早川ちゃんが自分に対して
「そうだ、旦那様は側室とかは妾とかはいないのですか」
まあ、いないかなと言うと早川ちゃんがそれで駄目ですと言ってきた。なんでと思いながら考えていると早川ちゃんが真剣な顔で
「旦那様はもう真里谷家の当主様です!少しでも多くの血を残すのは当主の役目です。旦那様は信用できる一族がいない以上私だけでは少ないと思います。ですので側室などを作ることも考えてください」
まさかの側室作れと言われてビックリとしています。普通なら逆でしょう、本当に出来た妻になってくれそうだなと改めてそう感じた。
こちらも早川ちゃんに負けない様に頑張らないといけないかな。それとそろそろ西に放った草からの情報が来るはずだけどと思っていたら滝川一益が屋敷の前で待っていると伝えられて待たせたなと思いで早川ちゃんに対して
「済まない、早川ちゃん。新たな情報が入ったみたいだ、だから席を外すから後はゆっくりとしていてくれ」
そう伝えて早川ちゃんをその場に残して自分はすぐに滝川一益を客間に通して話し合いを始めようとしていた。
「済まないな、待たせたみたいで。次は遠慮などしないですぐに連絡してくれ」
「御意、次からはそう致します。それで肝心な情報ですが実は今川で出奔した者が出たみたいです。なんでも謀反を疑われたらしいと伝えられています、名は新野左馬助と言う者で今川家と関わりがあるのに疑われるとは・・・って殿?」
「その人物は今はどこにいるのだ!できる事ならば自分の家臣で召抱えたいと考えている。滝川!すぐに調べてくれ」
本気であれ程の性格が良いと言われた新野左馬助が在野にいるならば絶対に家臣にしたい。
本来の歴史では落ちぶれていく今川家を最期まで尽くしてなおかつ謀反の疑いで危なくなった井伊家を助けたりして人としても素晴らしい事がわかる。
物凄く信用できる人物だ!是非ともと思っていると滝川一益はそういうと思いまして既に調べていますと言ってきた。
流石、滝川一益。自分が思ってくれることを既にしてくれているとは嬉しい限りだと思っていた。でもそれ以外にも情報はあるよねと思って一旦落ち着いてから他はないかと聞いてみると意外な情報が舞い込んできた。
「実は密かに真田家と北条家が会談をしていると情報が入りました。無論、偽情報の可能性もありますが念には念よと言います。北条家に草を放っては如何でしょうか」
なるほど確かに気になる事だなと思いで滝川一益に草を放つ様に頼んだ。変なことを企んでいないことを祈るばかりだな。
この話は置いといて先程の新野左馬助の居場所を滝川一益に聞いてみるとなんとこの万喜城の城下町にいると言うのだ。
すぐにでも城下町に出かけるぞと言って自分は慌てる様に城下町に出かけるのであった。
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