第57話、大将の違い・・・

なんせこの作戦を考えていたのは真田家、当主の真田幸隆である。攻め弾正と言われるほどの攻城の名手であの者が考えた作戦ならばうまく行くはずだ、それに丁寧に資金まで渡してきて明らかな好意を感じていた。






真田家とはこれからもうまく仲良く付き合い、北条家、真里谷家に対抗する同盟が作られたと思っていたのにいざ、開けてみると相手の城主は約束通りに内通してきて後はここを拠点に周辺の城を奪えば良いはずだったのに城に入り終えると城の周辺に真里谷家の軍勢が隠れていた。






でもこちらは城に籠城もできるので大した奇襲にならないはずなのに外から火の矢を放たれた先で巨大な音がしたのだ。どこかで爆発を起こしたのだ。それもだんだん範囲が広がってこのままでは爆発に巻き込まわれて死んでしまうと考えた足軽たちが真っ先に逃げ出して外で待ち構えていた真里谷家の軍勢に撃ち殺された。






だが、このままでは死んでしまうので一点集中に兵力を集めて強行突撃を開始した。幸いなことに兵力はまだこちらの方が優勢だと考えた次の瞬間、遠くから銃声が聞こえてたのだ。






明らかに大きな音はずなのに耳が遠くなって小さくなっているように感じられた・・・そして馬から落ちるときに初めて理解をした。そうか、我は火縄銃で撃ち殺されるのだなと思いそのまま意識を手放した。








内通をさせていた城から我が佐竹家の旗が上がるのを確認した我々は慌てているであろう敵軍をさらに混乱をさせるために密かに進軍をさせていた。まさか、さらに敵の増援があると流石の真里谷家の当主も考えていないだろう。






確かに真里谷家、当主は有能だがそれはあくまで真田幸隆がいたからでありそれもいない今は半減するだろうと敵を甘く見て油断をしていたのであった。敵軍にバレないようにするために深めの森の中を進んでいた時に四方から火計と思われる火の手が上がったのだ。






これを見た瞬間にしまったと考え急いでその場から逃げ出そうとした右の方には川があるがそちらの方ではおそらく待ち構えていることだろう。






真里谷家の当主は火計をする時にほとんど水計もしてくるのでそちらに逃げれば全滅をするだろうと思いで逆方向のほうに逃げ出した。こちらは山になっており上に登れば上るだけ燃えるものが少なくなるので助かると思っていくと目の前にある山の上で真里谷家の軍勢を発見して相手も確認したのかこちらに落石を落としてきたのだ。






だが、落石だけならばまだこちらに勝機があると信じていた時に岩に隠れていた草が現れてそのまま俺の首を体から突き放したのだった。








これで真里谷家は弱体化は免れないことだなと思いながら国境辺りにある城で見守っている城主が今日ぐらいは酒盛りをしても怒られないだろうと考えて疲れている足軽や侍たちをねぎらうために宴会が行われていた。






相手が負けていると考えているのですっかりと油断をしていた。足軽、侍、そして城主まで深酒をして酔っていた。そんな時に城の外から軍勢が現れたのだ。






きっと戦いの勝利の報告でも来たのかと思い出迎えをしようとした時に






「全く、これでは戦いにもならないじゃないか。せっかく攻城戦と聞いて喜んできたのに相手が酔っていて戦になりませんじゃねーよ。全く、・・・本来ならばお前も殺すところだが今回はこちらも死者がいないから捕まえておくだけにしておいてやるよ」






そう言われて急に俺は拘束をされたのだ、もしかして宴会を派手にやりすぎて怒られたのかと酒で思考が完全に酔っていて冷静な判断ができないまま、常陸国の国境沿いにある城はこうして真里谷家の太田康資の手によって落城をしたのだった。






数日後にそれを聞いた佐竹の当主は目の前が真っ暗になるほどの悪い知らせばかりでどれも信じられないと思いたいぐらいに悪い報告であった。下総の国に攻めていた武将はすべて討ち死にし足軽たちも多くが捕虜にされて逆に常陸の国にある城の一部が真里谷家に奪われてしまうという最悪な状況だ。






しかも今度は今回みたいに不意打ちみたいなことができない上に真里谷家も佐竹家を敵とみなして倒してくることだろう。正直に言って真里谷家の力は今は天の鳥を落とすぐらいに勢いで伸ばしている。






それに真里谷家の同盟の北条家もいるのだ。真里谷家の当主である真里谷信政は北条家の当主、北条氏康の娘と非常に仲が良いと聞いている。そうなるとこの同盟はとても強力なものであるのは間違いない。






つまり真里谷家は全力で佐竹家に力を注げるわけだ。そうなったら佐竹家は一年もあれば滅ぼされてしまう。どうにかしなければこうなれば多くの大名家を組み入れる強大な同盟を作るしかない。






佐竹家当主はすぐに隣国の相馬家に奥州の覇者、伊達家、そして真田家この四か国同盟を結成すれば真里谷家と北条家の同盟に対抗できると考えるのだった。






それにこの四か国とも真里谷家の進撃の凄さは理解をしているはずだ。以外にも簡単に同盟を作れるかもしれないなと少し安心しながらも次の手を考えることにした。


















想像以上に戦果が上がりすぎだろう、多くの人を捕虜にすることができて敵の武将を討ち取りそして敵の城を数個奪えてこちらの被害は本当に軽微で大勝利と言って良いだろう。






これで下総の国も安定してくるだろう、そうすれば北条家と陸続きになり貿易をやり易くなる。民たちは喜ぶだろうし北条家もありがたいと思う。






それに挨拶に向かうこともできるからな・・・本当に北条氏康・・いや、義父に安心をしてもらうためにも早川ちゃんと子供を作るべきだろうか。でもそれはそれで・・・でもとりあえずこれは保留だ。






早川ちゃんに負担をさせたくはないからな、それと近いうちに北条家を盟主とした強大な同盟を作りたいと思っておる。自分もそうだが北条家も天下を望んでいないのでそろそろ関東地方を中心とした新たな秩序を生み出してそれの最高勢力が北条家、そしてその次ぐらいに真里谷家が来ればいいなと思っている。






それも佐竹家に真田家を倒せば一応、形は完成する。ここに乱世の楽園と言わせる場所にさせたいと思っていた。民たちが安全に暮らせる国にそして多くの者たちが笑顔に出来る国を北条家と共に作りたいと考えている。






民をよく思っている北条家とならきっとできるはずだ、平和な秩序を編み出すのことは。だが、忘れてはいけないのはそれを簡単に破壊できる存在がいることを越後の龍と言う化け物がいることを・・・な。






必ず、北条家と長尾家は戦いになることだろう。そうなると北条家を助けるためにも長尾景虎との戦いは少なくても一度はするのは間違いはない。越後の龍と呼ばれて恐れられる、存在といつかは対峙をするだろうな。






その時は果たして自分の実力で越後の龍を倒せるのか・・・でも自分も負けられていられないのだ。自分の国、家臣たちにそして愛する家族のためにも・・・倒す。でも今は奪った土地に足軽たちをどのように有効活用をしようかと考えるべきだなと思いまた新たな考えを始めた。






そうして考え事を長く考えていたせいで家に帰らずにそのまま寝てしまって後日に家に帰ると早川ちゃんが黒いオーラをまといながらどうして帰ってきてくれなかったのですかと笑顔で話しかけてきた。






何を答えても嫌な予感しかしないので逃げようとしたが逃がすと思いましたかと言われて捕まった。離してほしいならば一緒に寝てくださいと言われたのでまあ、一緒に寝るぐらいならば昔もやっていたことだしと思いで承諾をした。






だけど自分が寝ている間に早川ちゃんがいろんな深い意味で大人の階段を上っていることは自分が知る由もなかった。

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