第56話、次へに布石

自分はどうしてこの家に仕官をしようとしているのですかと聞いてみると穴沢は理由を話してくれた。






「はい、元々某はここより北に位置にある蘆名家と言う大名家に仕えておりました。ですが南にここ最近になり勢力を伸ばしている真田家の謀略で主から疑われ一族、皆殺しに遭いました。幸いなことに某はその場に居なかったので危機は免れましたが帰る場所を失いました」






なるほどそれはありえる話だなと思って聞いていた、特に真田の謀略と言われたら信じるしかない。真田幸隆さんならば普通にやりそうなことだしと思いながら穴沢俊光の話を聞いていた。






「それで次に使えるべき主を探しておりました、最初は佐竹家でも行こうと考えておりましたが佐竹家は真田家と同盟を結んだのでそれを聞いてやめました。そして北条家でも使えようかなとも考えましたがあそこはすでに人材が多く某の場所はないと思いました。そして現在この真里谷家では人材が不足していると見ましたのでここにきて一からやり直したいと考えております」








なるほどこの穴沢俊光はだからここまで来たのか、確かに今は人材が不足をしている。このような人材はとても欲しいと考えていた。それに大切にしておけば忠義を尽くしてくれる人物なのは知っているので自分は喜んで穴沢俊光を召し抱えることにしたのだった。






自分は期待を込めて五千石を与えた、こんなに多く貰って良いのですかと言われたが自分は穴沢俊光に対して






「自分はお前の才能があると考えてこうして決めたのだ、貰うがいい。そしてその期待に応えてくれることを期待をしているぞ」






そう言うと穴沢俊光は御意と言って必ずご恩に報いて見せますと言ってこうして自分は穴沢俊光を家臣に迎え入れたのだった。






こうして有力な家臣は滝川一益、太田康資、穴沢俊光の三人になった。こう見えるとあれほどひどい状況が続いていたのにこれほどの家臣たちが残ってくれるとはとても嬉しい限りだ。けれどもまだまだ一息はつけない状況だ。






上総、安房の国は今は落ち着いているが下総の国は未だに混乱状態が続いていると思って良いだろう。何かしらのことがあれば城だって奪われることもあり得ると思っていた。






それに穴沢俊光から仕えるときに聞いた情報で真田家と佐竹家が同盟を結んだという話は実はここまで流れて来ていないのだ。明らかに情報を止められている、それはこちらに対して不意打ちをしようとしていることだろう。






それは佐竹家に下総の国を攻撃させる、そして内通をした城を次々に奪い下総の国を混乱させて真里谷家の国力を弱ませることであろう。






真田家としてはこれ以上真里谷家が大きくなってもらうのは困るところであるからな、だからこそ言えることであるが佐竹家の軍勢を大きく戦力を削るチャンスでもあるのだ・・・いや、戦力を削るだけでは生ぬるいか、ここで常陸の国に攻略する拠点でも奪おう。






向こうはあの一気に上野、そして下野の国も統一しようとして日の出の勢いとなっている真田家の考えた作戦である。失敗はしないと思っているだろう、だからこそ罠にかけやすいのだ。






でももし穴沢俊光がこちらには家臣になりたいと言ってこなければ成功をしたかもしれないが相手には申し訳ないが運がなかったとしか言えない。






だからすぐに俺は指令を出し始めた、まずはこの中でも才能がありそして一番信用できる滝川一益を呼び出した。






「殿、お呼びしましたので滝川一益、参上いたしました」






「毎度ご苦労だな、滝川一益。そして急なのだが近いうちに常陸の佐竹がこちらに攻めてくることが分かったのだ、だからお前には一番大切な役割を任せたいと考えている。それは城をうまく相手に違和感を感じられずに奪わせることだ」






それを聞いた滝川一益は何で城を奪われることが重要なのですかと聞いてきたので自分は相手の草がいるかもしれないので紙に書いて詳しい内容を教えると滝川一益は流石です、殿と言ってきた。






それに元々草との関係もある滝川一益を舐めてかかる武士もおいだろうから余計に今回の適任でもある。相手に油断をさせること作戦が成功したと思わせることその役目をこの滝川一益に任せることにしたのだ。






そうして次に呼んだのは太田康資である、でも伝えると言っても内容は非常に簡単で国境にある城が変化が起きたら太田康資は常陸の国に侵攻して城を奪ってくると言う内容だった。






これを聞いて初めて別動隊の大将に抜擢されて喜んでと言って楽しそうにしていた。よほどうれしいのだろうな、昔から太田は戦いが大好きだからな。この時代だからしょうがないけど、そして最後に新参の穴沢俊光にも戦に参加してもらうことにした。






でも穴沢俊光は自分と共に行動すると言うものであるけど別に穴沢俊光が裏切ると思っていないが念のためにと思っての配置である。もちろん向こうはいきなり功を立てる好機が訪れましたと言って喜んでいた。






自分も是非とも功績を立ててくださいと思いながら見ていた、それにしてもこうして戦いをするのは久しぶりな気がするなと思いながら、ほかの者たちに戦の準備情報がバレないように準備をするように言って自分も開始をしていた。






家に戻るといつもは一人であったのがそこに今は早川ちゃんが待っていくれていた。






「早川ちゃん、ただいま。大人しく待っていたかな」






「もう、信政さんはいつまでも私を子ども扱いをしないでください。私もここが大きくなってきたですから疑っているのでしたら今から見せますから」






自分は悪かった、悪かったから胸を見せつけようとしないでくれ。以外にもこの年でその胸だと成長が終えるときには巨乳になる可能性もあるそんな胸を見せないでください。こちらもお前を一人の女と見てしまうからさと思っていた。






こちらが赤くなっていることに気がついた早川ちゃんはどうしたのですかと言って胸を当てて色気を出してきたのである。自分は真っ赤にしながら自分をからかうのは程喉にしてくれと言うと






「私は別に良いですよ、ここで襲って来ても私は・・・むしろ、小さいころから好きな信政さんならば襲われても私は嬉しいですから・・・子供は三人ぐらいは欲しいですから頑張ってくださいね、信政さん」






真っ赤になりながらももしそんな気持ちが一年以上続いたら受け入れるから落ち着いてと言うと早川ちゃんは約束しましたから絶対に破らないでくださいね・・・私の旦那様と言ってきた。






全く、こんな男の何が良いのかなと思いながら過ごしていたのだった。ただ、夜に自分の布団に入り込んで一緒に寝るのはやめて欲しい。マジで生殺しですから成長している少女を目の前で襲わないのは自分ながら凄いと思いながら我慢をしています。






本当に昔からこの辺は変わりないよなと思いながら笑みを浮かべてその日も平和に終えることができたのであった。

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