第53話、雅也の過去話
しばらく考えた真田幸隆は雅也の考えの通りに独立勢力を立ち上げることにしたのだった。もちろんそうと決まってもこの人数ではまずは無理だろうと真田幸隆はそう考えていたがここで雅也が実は未来から持ってきた道具もあるからそれを見せて天から降りてきたと説明をすればうまく人を集めることができるのではないかと話した。
そうして雅也は真田幸隆にいろんな道具を見せたのである、それを見ながら真田幸隆は確かにそれならばうまく行くかもしれないと考えた。
それを前田家元は良くここまで道具をそろえてきたよなと感心をしながらそう言うと雅也は暗い表情をしながら話をしたのであった。
「自分は帰る場所がもうないから、元の世界では国からは厄介者扱いをされて周りからは良い格好の的になっていたから。元の世界に戻っても最悪、死刑もあり得るからね。だから持てるだけ持ってきたわけだ」
それを聞いた前田家元はどんなことをしたら死刑になるかもしれない状況に追い込まれるだよと口に出して言うと雅也はため息をしてからまあ、ここで話しても何も問題はないと思うから話すけどと言いながら話をした。
「元の世界で日本と言う国でさ、ある時に国が大切なことを隠蔽しようとして自分の一族の知り合いが被害を受けて死んでしまったことがきっかけだ。それが大きくなり自分を除いた一族の全員にそれに賛同した者たちが一斉がテロを起こした。それは戦後、最悪のテロ事件と言われるぐらいに乱れたよ」
それを聞いた前田家元がそれは本当なのか、テロなど日本には関係ないと思っていたのにテロが起きているとは夢にも思っていなかった。治安が世界から見ても非常に言い日本画と思っていると話をつづけた。
「そのテロで政府とテロ隊、両方合わせて死者は一万人以上になった。そしてテロに参加していた者はすべて死刑にされた。自分を除いた一族はその時に全滅した・・・しかし、その後に生き残りのテロ組織にいた者たちが国会に突撃をして最後は白兵戦までして国会議員たちを殺したとニュースで見た。そしてその中には自分の親友もいた」
前田家元がそれはもしかして殿のことですかと慌てながら聞いてみると雅也は静かに頷いた。その後、雅也は国家反逆罪になった者たちに深く関わっていたとして国に逮捕をされた、毎日のように拷問などをされていたが自分は身を覚えがないと話した。
その時はバイトなどしており家族と一緒にいる時間があんまりなく同じ家にいるのに会わない日もあるぐらいだ。自分はバイトなどで押していたタイムカードなどで証明をしてそして待ちの監視カメラを見て自分はまっすぐに家に戻っているのを確認が取れた。
一族たちはほかの場所で集まって会議を開いていたらしいので自分は白だと証明されて釈放されたが待っていたのは地獄であった、世間からは犯罪者の一族として白い目で見られていた。
バイトでは犯罪者、国家反逆罪などをした者などいて欲しくないと言われてクビになった。そしてまだ高校生であった自分は学校ではいじめを受けていたが誰も助けてもらえず、また先生たちも一緒に虐めに参加をしていたと話してくれた。
本来ならば助けをしてくれるはずの先生までいじめに参加をしていたのだ。俺では想像もできない地獄をこの男は見てきたのであろう。聞いているだけで想像ができた、そしてこの男には助けてくれる一族や親友がもう死んでしまって誰も助けてくれずにここまで生きてきたのかと思った。
そして雅也は余りなつらさで、いろんな物をもって旅に出たらしい。お金は貯金をしていたので出来る限りにバレないように買い物をしてどこか静かに暮らせる場所を探し始めたらしいがどこも顔を見られてすぐに正体がバレて犯罪者と言われて追い出されることがほとんどであった。
そしてもう当分は人がいる場所に行かなくてもいい様にすべてのお金を使って買い物をしたのに無人駅などで生活をしようとしてその場所で眠りにつくと気がついたらきさらぎ駅についていたわけらしい。
そこで時空おっさんと呼ばれていると言われる人物と出会い、そこでいろんな世界を見て渡って生活を一緒にしていたらしい。何とも言えないが嘘だとは思えなかった、現実にこの男がこの世界にいることだし。
そうしているうちに親友が転生した場所を見つけたのは良いがその親友が危ないと理解したのちにこの世界に来たと言うわけだ。なるほどそう言うことかと思いながら見ていた。
雅也はとても暗そうにしながら話をしていた、確かにこの内容は元々いた日本では格好の差別の対象になるし反撃をしただけでも逮捕をされるのは間違いはなさそうだ。
それよりも殿の前世がテロに参加をしていた人だったんて想像もできませんでしたよ。あんな人が良さそうなのにあそこまで頑張って逃がしてくれた殿がと思っていたがここで俺は思い出していた、そう言えば神様が異様に殿を嫌っていた理由がこれだったのかもしれないと考えた。
最初はふざけている話だなと思っていたが以外に信憑性が高いと思って来ていて良かったと思った。けれどここで一つの思いが生れるのであった、それはもしこのまま殿を助けたら俺まで巻き添えを食らうのではないかと思い始めた。
別に鬼だけならば頑張れるが相手が神様もいると・・・と思うと・・・そう考えていた。けれど話を聞いても理解をしていない真田幸隆はとりあえず今は勢力を立ち上げて地盤を固めることだと言って話を切り替えていくのだった。
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