第51話、主人公の危機に・・・友があり !?
ながら失敗を起こしてしまった、まさか来世の俺があそこまで反撃に出てくるとは夢にも思わなかったぜ。くそ、あれほどの上玉をみすみす逃がしてしまうとは・・・ここは時期がまだだったと思って諦めるしかない。
それに真田幸隆、前田家元が野に降った以上は必ず反撃に出てくるだろう、それを迎え撃つためにも今は女は諦めておくしかないか。
本当に悔しくてしょうがないが焦ってはいけないと俺自身に言い聞かせて落ち着かせた。それに今から追撃をしても捕まえられる保証はないから今は内政をして地盤を固めて機をうかがうのが良いだろう。
それに北条を助けたのだ、関係をうまく行けば早川殿はこちらに来ることだろうからそれで落ち着こう。それにすでに美少女を増やすためにもほかの手も打っていることだしな。
そう思っていた時に配下の鬼たちから連絡が届いたのである、それは関東の地で封印をされていた玉藻前の魂を解放することに成功したらしい。それを聞いて俺は喜んだ、そうか物の怪たちで随一の美人が蘇ることができたのか。
俺はその報告を聞いてすぐに城に戻ることにしたのだった、ほかの女たちは今後に奪い返すとして今は玉藻前に会いに行くことにしたのであった。
そうして城に戻って俺が住んでいる部屋に入るとそこには九尾の尻尾を出しているがそれはそれは月の光で美しいものがさらに美しいと思えるように光に当てられていた美人がそこにはいたのだ。
「玉藻前、久しぶりだな。こうして現世によみがえった感想はいかがかな、俺としてはかなり苦労をしたんだよな」
「ふん、お主は何もしておらぬだろう。またしても童の体が目当てなくせにそうならないためにも朝廷にうまく逃げ込んだのに・・・」
「知ってるぜ、陰陽師にバレて殺されかけたんだろ。そして関東の地まで逃げてきたんだけど追手によって倒されて封印されてしまっただろ。全く、美貌と姿を変える能力以外は本当に才能は何もないよな、お前は」
そうして自分は玉藻前に近づき、そうして押し倒した。向こうは逃げられないことを知っているので諦めて抵抗はしてこなかった。さてと女は逃げられたことだしせいぜい楽しむと致しますか・・・。
玉藻前は疲れたようにして寝ていたが俺も少しは疲れたかなと思いながら夜空の下で休んでいた。すべてはうまくはいかなかったがまあ、半分ぐらいはうまく行ったと思って良いだろう。
まあ、今後は邪魔をしてくる愚か者は要るかもしれないが俺を阻止するものは出てこないだろうと思っていた時に玉藻前からあることを言われたのである。それは俺が負けるかもしれないと言ってきたので笑っていたら向こうは私はこう見えて真剣なつもりですけどと言ってきたのでならばその要因は何だと言うと話を始めた。
「あなたの記憶、そしてあなたが封印をしている魂の記憶を見てみたのだけどそこで信じられない者が映りこんでいたのよ。これがもしあの方ならばあなたが・・・いいえ、今の物の怪たちをすべて力を合わせても勝てない相手が」
ほう、そんな相手がいるというのか。俺の父でも流石に互角ぐらいだと思われるのにそれを上に行くものがいるのかと思いながら聞いていると玉藻前がその人物の名前を言うのであった。
「それは・・・アパオシャ。あなたもこの者が相手では勝てないでしょう」
俺はその名前を聞いてその場で固まった、アパオシャだとだがそんなはずはないとすぐに考えた。あり得るはずがない、アパオシャは悪魔であり闇の種族、物の怪や魔族と言われている者たちの秩序をたった一人で作り上げて、今の魔界や地獄などはすべて創世した伝説の悪魔。
あり得ない、俺の来世がその人物に出会っていただとどこでだ、どんな関係だったと俺は焦りを感じながら聞いていた。これが嘘ならば全然いいが万が一にも真実であれば物の怪と言う者たちすべての存亡の時が来る。
それだけやばい相手だ、でも来世の俺はと思いながら考えていると
「あなたも分かっているかもしれないけどその封印している魂は元々平行世界の未来の日ノ本で過ごしていたのは分かっているわよね。そこで来世のあなたとアパオシャは親友同士だったみたいよ。だからもし本当にアパオシャだったら・・・あなたもそうでしょうけど神々も皆殺しになさるでしょうね」
確かにアパオシャならばそれが可能だ、けれどもなんでその世界にいるのだと思っていた時にかつてほかの物の怪たちから聞いたことがあったのである。
それはアパオシャは元々人間であり、闇・・・闇の種族の頂点で始まりとも言われている、邪神、アーリマン様に魅入られて悪魔に転生したのちにアーリマン様の下で戦いをしながら今の魔族や物の怪たちの秩序などをたった一人で作り上げた。
そのために闇の丞相とも呼ばれていたらしいがどうやら同僚には嫌われて馬野郎、蝮とも言われていたらしいが。それだけの才能があったのは間違いない、物の怪たちが知っている歴史でもアーリマン様は神々側の勇者と呼ばれていた者に殺されてそれに従った幹部のほとんども死んで生き残った最後の幹部、アパオシャが文字通りに最後まで抵抗をした。
そして魔族には魔界をそして物の怪たちには地獄を与えられて神々たちと渡り合える勢力の礎を作り上げたのちに魔界、地獄に逃げる者たちを逃がすために一人、神々と戦って死んだと伝説に残るぐらいだ。
それも真実だろうけどな、実際に魔界、地獄が存在をしているのが何よりの証拠だ。そんな大物がどうしてと考えていた。すると玉藻前がその訳を教えてくれた。
「あなたは知らないかもしれないけどアパオシャ様は未来から来たと記載が残されており、日記も見つかって知られていることだけど。悪魔に転生する前にも神々と戦って死んだこと、そしてその前にやったことは鬼に乗っ取られた親友を助けた・・・これを言えばわかるよね」
まさかと思いで俺はならば急いで対応をしなければこちらが殺されてしまうではないかと思いで俺はすぐにアパオシャが人間だったときの名前を聞いてみたのである。すると彼女は口を開けて言葉に出したのであった。
俺、前田家元は必死逃げていた。追撃をされないように必死にあの人の思いを無駄にしないためにも諏訪姫が疲れたら姫様抱っこしてまでも逃げていたが真田幸隆たちも疲れてその場で倒れこむと俺自身も疲れが出て来てその場で倒れこんだ。
すると奥からこちらに向かってくる足音が聞こえてきたのである、まずい追撃者かと思いですぐに疲れているからだに鞭を打って体を起こして刀を抜いた。そうして現れたのはこの時代の服装ではない男性が目の前に現れたのである。
明らかに未来人だ、しかも俺と同じ時代だろう人物が目の前にいた。だが味方だという保証はないので構えていると男性は倒れている者たちを見てすぐに
「大丈夫ですか、何かあったのかはわかりませんがどうしてこんな子供まで。すぐに何か準備をしますね。本当に多くの物資を持ってきておいて正解でした」
そう言って大きなリュックから取り出したのは折り畳み式のテント、そして非常食であった。これほどの準備をしてきたということはこの者はどうやって自力で来れたのかは分からないがやってきたのであろう。
明らかに準備してきた物資が多い、俺でも手持ちの物しかなくて困っていたのにと考えていたが今はありがたくその好意に甘えさせていただく、正直に言って疲れた上に食事も全然とらずに逃げていたからなと思いで俺は真田幸隆たちと一緒に食事をするのであった。
やはり、未来の者はこの時代とは比べ物にならないぐらいに美味しく、久しぶりにこれほど美味しいものを食べられたと思いながら食べていた。ほかの者たちも食べたことがないほどおいしいと言って食べていた。
男性はうんうんと言ってしながら笑顔でこちらを見ていたのであった。どうやら敵ではないみたいだから自己紹介をしなければなと思いで俺は口に出したのである。
「助けてくれてありがとうございます、俺は前田家元と申します。このお礼はまだ返せませんがいつかは・・・」
すると男性は笑いながらこちらに対して全然、そんなことは気にしていないですからと言って困った時はお互い様ですからと話していた。そしてすぐに少し困った顔をしながら俺たちに対して
「それに真田一族がいたもんだし、明らかに価値が奇貨になる一族だし。今のうちに恩を売っておけばもしかしたら自分の目的も果たせるのではないかと思いまして」
やはり、何か目的があってこの時代まで来たのか。でもそれは何だと思っておると男性は目的を教えてくれた。それは親友を助けることらしい、そのために死ぬ可能性が高いこの時代に来たのかと思いながら見ていると男性はならばこちらも自己紹介をしなければと言って何か中二病みたいな感じにポーズをしてきたなと思っていたら。
「友を助けに時を超えて助けに来た悪党、そしていつかは歴史に名前が残る悪党になるだろう。顔はメキシコサラマンダー、我が名は」
そして違う場所であるが玉藻前の方にも同じ人物の名前を口から出しあうのだった。
「「吉田雅也」」
男性は決まったという顔をしながらしていた。見ている俺はその歳になって恥ずかしくないのかと思ったが助けてくれたので何もツッコミはしない方針で行くことにしたのであった。
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