第47話、川越の夜戦、本戦

俺は完全に油断をしている関東管領を盟主にしている連合軍たちに夜襲を仕掛けた、これまで全くも動きもしないでいたので臆病者と思っていたのであろう、完全に油断をしていた。






そこに鬼のように我々は襲い掛かってきたのである、そして突撃をしながら夜戦では当たり前のことだが裏切り者が出たぞと叫びながら突撃をしていた。この連合軍はあくまで北条家に対する勢いを止めるべく集まった軍勢であり元々は争いをしていたところもあるおかげで裏切り者と叫ぶとあっという間に同士討ちを始めたところもあった。






この状況を使って俺は猛攻をして敵陣深く、突撃をして大混乱を起こした。こちらまで同士討ちにならないように合言葉で海と言えば川もしくは山と言えば鬼と言う合言葉を使ってこの暗闇の中でも連携攻撃することができていた。






そして関東管領家の主を探していた、これを逃がすと後々に越後の龍が関東に来る理由になるからな。地盤ができるまでは相手にしたくはない、仮に戦って勝利をしても大きな被害ができるのは間違いはないだろうし。






物の怪たちを引きいてもあの長尾景虎が率いる越後軍と激突したら勝利はするが半数以上が討ち死にすることだろう。それだけこの時代の越後は強いのだ、それと衝突を避けるために関東管領家の首はどうしても欲しかった。






あの者の首が取れるか取れないかで今後の方針が大きく変わってくるのだからとの思いで探していると偵察をしていた者から神輿みたいなものを発見したと報告があったのでそこにいるに違いないと考えてその場所に向かって突撃をしてみると案の定に関東管領家の本隊がいたのである。






これを見た俺は千載一遇の機会だと思い突撃の指令をしたのちに自ら突撃をして敵総大将の首を狙った。激闘の末に敵総大将の首をこの手で刎ねて大声で聞こえるように






「関東管領家、上杉当主の首はこの真里谷信政が討ち取ったー、この戦いは我々の勝利だ。この勢いでどんどんこの地を地獄にかけてやろうではないか。皆の者、名を上げろ、功績をあげよ。そして敵の首を上げろーー」






そう言うと天まで届くようにみんなが声を上げた、敵は総大将が討ち取られたことでもう取集がつかないほどに大混乱を起こしていた。もうここまでくればこちらのものだなと思い次々に敵陣営を潰しては敵将の首をあげていき夜明けになった時には川越城を中心に周りはこの世とは思えない光景が広がっていたのだった。






夜が明けると川越城に籠城をしていた者たちは全員が恐怖を抱いた、昨日まで包囲していた敵軍の多くが死体に変わって近くに血の川が流れていた。そしてその場に立っていたのは援軍に来ていた真里谷家の軍勢のみで他はすべて討ち取られていた。






そして城内からは助かったと大きな歓声が上がった、それを見た俺はこれで北条家に大きな貸しが作れたな。それにこの一件で北条家は今川家と和睦することは無くなっただろうから三国同盟みたいなことはできなくなった。






これで北条家は周りが敵ばかりで危険な状態になっているから味方が欲しいと思うはずだ、そうなるとまず我々のところが一番友好的だと思うはずだ、この戦でもそうだし予めに敵の行動も報告をして警戒してくださいと書いたし。






すると北条家は強固な関係を作るために必ず戦略結婚を繰り出してくるはずだ、それで今川家に向かうはずだった早川殿が代わりにこちらに来ることになるだろう。あんな可愛らしい女子、とてもいろんな意味で育て甲斐がある。






どんな好みの女にさせてやろうかなと楽しく考えてたがそれよりも先にやるべきことがあったのだ。それはここまで川越の戦いが終えると思っていない国に残っている者たちが謀反を起こすはずだ。






謀反を起こしたとして正式に処刑ができるいい機会になると俺は考えていた。もちろんほかの者たちにはこのことは話してはない。誰か内通者がいるかもしれないと考えていたから俺はそれに気づいていないふりをして北条家の者たちから感謝をされていた。






戦いの疲れもあったので良い休憩になるなと思っていた時に待ちに待っていた報告が到来をしたのである。それは前田家元、真田幸隆が俺が謀反人であると進言して父上がそれを認めて俺を殺そうと動き出したのである。






俺はここで良い人だと思わせるために「どうしてですか・・・」と泣きそうに言い淀み、「何で天は・・・父上は俺の努力を認めてくれないのですか・・・」と涙を流してみせた。






他人から見れば悲劇な者として見られるだろう、しかもこの場にいるのは俺に対して忠誠心が高いものに命を懸けて助けた北条家の者たちのみであったので余りにも許せないと声が上がってここは父上を倒して無理やりご隠居をさせてもらいましょうと多くの者たちが言ってきた。






ここですぐに賛成をするのではなく俺は親思いな人物だと思わせるために「それしかないのかほかに平和な方法があるのであればそれをしたい、皆はこれ以上のいい案はないのか?」と嘆きながら言っていた。






しかし、すぐに思いつくもはずもなく「これしかありませんからどうかご決断を」と家臣たちから言われた。もちろん北条家は俺に味方をすると宣言をしたのでこれで確実に父上そして俺に反抗する者たちを消せるとの思いで心の中は笑いつつ表では泣きながら






「分かった、みんながそう言うのであれば俺はみんなの想いを無駄にしないためにも父上と勝負をする。そしてこれに勝ち俺が新しい真里谷家の当主になる」






そう宣言をすると周りから声が上がってその意気ですと反対をする者はおらずすべてが味方になったので安心をして北条家の者たちに宴会も開いてくれてありがたいが国が問題が起きたのでここで帰らせていただきますと伝えた。






北条家の者たちはそうですか、どうかご武運をお祈りしていますと言われて俺たちは勢い良く軍隊を進ませた。父上たちはもう川越の戦いが終わっていると思っていないだろうから油断をしてまずは地盤を作ろうとしているに違いない。






その時間も与えずに俺は国に急いで戻って俺に対して反抗する者たちをすべて消して己の野望の第一歩を踏み出してもらおうか。






そしてその後は諏訪姫、吉乃、真田幸隆の妻、恭雲院、そして北条家からは北条氏康の娘である早川殿を・・・考えるだけでも楽しくなってきた。でも戦いが終えるまで我慢だ、戦いの最中で油断をして負けてしまった過去を思い出すのだ、俺よ。






それを繰り返さないためにも戦いが終えるまでは油断をしないで行動をしようと決めた俺だった。

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