第34話、桃花さん・・・あの大丈夫ですか。

女性を保護してから数週間が経過しようとしていた。女性の名前は桃花と言うらしく、やはりみんなと仲良くできていたので本当に素晴らしいよなと思いながら見ていたある日に桃花さんから言われたのである。






「もしかして、信政さんって家臣たちから馬鹿にされているの」






この数週間で分かったのかと思いでその通りだと言うと桃花さんがそのままで良いのと言ってきた。家臣に馬鹿にされるようでは主として格好がつきませんのでどうか、威厳と言う物を示したほうが良いですと言ってきた。






それに今はいないけど優秀な島津将希が主の代わりをしているみたいでどちらが主かわかりませんと言ってここは威厳を見せて行くほうがよろしいですとアドバイスをしてきた。






まあね、確かにその通りだけど島津将希は優秀だしそれに本人も自分をそこまで害をなそうとしていないから別に良いじゃないかと思って言うと桃花さんは呆れた顔で






「全く、今は良いですが後々にあなたに辛いお願いをされたときにあなたは断ることができますか。今までこれからも従って来て急に無理だと言った時にはあなたに味方をする者がいるでしょうか。間違いなくいないでしょう、その時に命の保証があると思いますか、残されているのは破滅のみです」






それはそうだけどでもそんな簡単に家臣たちを説得できる保証がないから無理やりにして国を乱したくはないからと思っていると桃花さんがならば私が説得をして見せますから次の評定の時に呼んでくれないでしょうかと言ってきた。






基本的に女性は評定に参加をしないけどでもここまで自信があるのであれば参加させてみるのもありかなと思いで了解をした。その後に評定が行われたので桃花さんを呼んで評定を開くことにした。






そうしてある程度が終えたころに殿は本当にどうにかして戦術と内政以外をできるようにしてほしいとお願いをしていたが馬鹿にされていることは理解していた。そして島津将希に対しては良い評価を話しているとここで今まで黙っていた桃花さんが話を始めた。






「皆さん、殿のことを馬鹿にしておりますが・・・あなた達にそれを言う資格はあるのでしょうか。私が見ているとどうも虎の威を借りる狐たちしか見えないのですが、あなたたちが何かをしましたか。何かを成し遂げましたか、島津将希の力を借りずに何成し遂げたことがありましたら話してくださいね・・・虎の威を借りる狐さんたち」






うわー、とても毒舌だよ、桃花さん。想像以上にやばいじゃないですか、と言っているとすぐに反論をしてきたのは太田であった。






「俺たちは別に殿の愚かなところを話していただけであり、真実であるのにそんな言い方はひどいではないか」






「ひどいですか・・・ならば、太田康資さんは余計にひどいです。あなたは殿に一番長く従っておりそれに幼いころに拾ってもらった恩があるのにもかかわらず、仇で返そうとしている。もし、本当に恩を覚えているのであれば少なくてもほかの者たちと加担をしようとはしないはずです。犬でも三日間飼いもすれば恩を感じて行動を示すのにあなたは犬以下でも言いたいのですか」






やばいやばい、想像以上に話しているよ。しかも痛いところを突いて太田が睨んでいるよ。太田、相手は女性だから女性だからな怪我をさせるなよ。そう言うとほかの家臣が桃花さんに対して






「まだここにきて日が浅いあなたに我々の何が分かると言うのですか、わかることがありましたら話してください」






「そこまで言うのでしたら言いましょうか、ここにいる者たちはまるで三国志に出てくる曹魏に対して司馬一族が国を奪おうとしている行為を手助けをしている者たちと同じに見えます。主と言う者がいてその主に仕えて禄ももらっているのに主を助けるどころか主をないがしろにしようとしているので私にはそう見えてしまいました。そしてここには忠臣と言える臣はいないのが残念です」






それを聞いた家臣が怒りを出していたが反論ができずに座り込んだ、ほかの家臣が立ち上がり桃花に対してお前は殷の妲己みたいに主から気に入られて国の中心になるつもりかと言ってきたので桃花は笑ってその者に対して






「あなたには私がそのように見えますか、、もし妲己みたいにするのでしたら私は主よりも島津将希にそうしたほうが良いと思いますよ。その方が国を動かしやすいですからね。あなたこそ、歴史に名前を残す奸臣にでもなるつもりですか、」






言い返されてしまったので黙って座り込んだ、桃花さん。頭が良いのですねと思っていた。そうしてならばあなたにその実力があるのですかと家臣たちが言ってきたので桃花さんが笑顔になりながら






「ならば武芸でも勝負しますか、私はこう見えて強いですよ。皆さんは好きな人数で襲い掛かって来ても構いませんよ、虎の威を借りる狐の群れに襲われても怖くないですから」






挑発行為はやめてーーーと思ってみていたけど家臣たちは上等だ、顔と頭が良いからと言って調子に乗るなよと言って外で勝負することになった。お前たち、一人の女性に対してその人数は情けないだろうが。






本当に評判が悪くなるだけだからやめてくださいとお願いをしていたら桃花さんがそれから数分後には挑戦者たちをすべてなぎ倒して勝利をしていた。これを見た自分の感想はこの女性、漢で生まれたら後世に名前を残す人物になっただろうにと思ってみていた。






その後は家臣たちが糞と言いながら桃花を敵意を出してみていたが桃花は笑顔で手を振って返していた。マジで度胸がありすぎるでしょうと思ってみていた。そして今後に主に対して陰口を言わないことを約束をさせた。






これで少しは良くなるかなと思って感謝をしようと思いで話をしたら桃花さんは自分も悪い点があると説明をしてきたのである。






「真里谷信政さん、あなたは人が良く、民のための治世、そして戦場での戦術は間違いなく後世に名前が残る人物だとみております。しかし、そんな者でも完ぺきではないのです、猿も木から落ちるように間違いをします。現実に内政で田んぼよりも野菜などが栽培が適任だと思う土地を開拓をしたり、その提案書が一度、出てきたのに見なかったことがまず改善点の一つ」






そうですよねと思いながら笑っていた、指摘されている通りですと思いながら聞いているとここにも指摘が入った。






「信政さん、笑って誤魔化すのは良くない事です。人には上中下の三種類がいると言われています。上は自ら間違いを探して直すもの。中は間違いを指摘されて直すもの。下は間違いを指摘されて笑って誤魔化すもの。上は本当に一握りしかできない者たちと思います。ですが、指摘をされて懸命に直すことは頑張ればできると思っています。けれど笑って誤魔化して欠点をいつまでもさらけ出せば誰もが馬鹿と見えても可笑しくないです」






桃花さんの言葉が突き刺さり、先ほどまでは笑っていたが笑うことはやめて聞いていた。本当にその通りだよなと思い、自分は一国の主でありいつまでも笑って誤魔化していたらそれは家臣たちに馬鹿にされてもしょうがない。






ならば馬鹿にされないためにも欠点と向き合っていく必要があったけどどこから直せばいいのだろうかと思いで聞いてみたらまずは身近なことから変えて行くのが良いですと言っていた。そんな身近からで良いのと思いで聞くと桃花はとある話をしてきた。






「昔の話ですが、燕と言う国が斉と言う国に支配をされたときの話です。燕の国王は斉に対して支配をされて独立をしたいと願っていた時に近くにいる家臣にどうすれば良いと聞いてみたのです。その家臣は自分を待遇をよくすれば自分よりも優れた人物たちがこの国に集まってくるはずですと答えたのです。その国王はそれを受け入れてその家臣を優遇にしました。するとほかの国から優遇した家臣より有能な人材が集まり、その後燕は斉に勝つことができたのです。これが後の時代で隗より始めよと言う言葉が出来ました」






すみませんが知識量が多くないですか、と言うかこんな言葉があるのだなと思いで関心をして自分はならばと思いで聞いてみると






「まずは信政さんには目安箱と言う物を設置をしてみることが良いと思います。民たちに書かせてその中から良いものを選びます、そうすれば民たちでも聞いてくれる主だと噂をされて信政さんにも話を聞くことによって新たな発見にも繋がります。そうして評判をよくして家臣たちにも意見などを聞いて採用などしていけば自然と悪い噂は無くなります。どうか、お考え下さい」






すみませんが桃花さんを軍師にしたいのですがよろしいですか。もうこの人から聞けばいろんなことが出来そうな気がしていた。すると桃花さんは参考する程度は話しますが最後に決めるのは信政さんということを忘れないでくださいねと言われた。






分かりましたと言うとすぐに桃花さんが私は下の身分ですからわかったで良いですからと言ってくれた。でも久しぶりに自信が持ててきたので桃花さんには感謝をして主として馬鹿にされない程度でも良いから努力をしようと決めるのであった。

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