第33話、滅びの序曲

それから一年間は自分と島津将希ともに内政を励み、国力の回復を専念していた。特に常陸の国の荒廃ぶりは何とも言えないぐらいであったが徐々に立て直してきていた。






そんなある日に島津将希から信じられない話を耳にした。自分はもしかして神々たちが攻めてきたのかと聞くとそうではないらしいが神々たちがほとんど皆殺しをされたらしい。有力な神様たちは全滅でかろうじてわずかな神のみが生き残り逃げたらしい。






嘘でしょう、神々たちが殺された・・・もしかして島津将希と関りがあるあの極道たちですかと聞くとそうではないらしい。むしろその極道たちも全滅に近い状況になっておりこちらが犯行をしたと思えない。






誰の犯行なのかと思いながら考えていたら島津将希がもしかしてと思いながら考え事をしていた。もしかして心当たりがあるのかと聞いてみると実はこの一連の行為の黒幕だと思える人物がいるのだ。






・・・マジですか、そんな黒幕がいるのをどうして教えてくれなかったのですかと島津に聞いてみると教えてもどうしようもない相手だからと返答をした。






それでその相手はどんなものですかと聞いてみるとその者は八岐大蛇であると教えてくれた。もしかしてあの・・・八岐大蛇、頭が八頭あるあの八岐大蛇ですか・・・それってかなりやばいじゃないですか。






その八岐大蛇はどうしているのですかと聞いてみるとそれが分からないらしい、それはまずいじゃないですかと聞いてみると島津将希はまずいと顔色を悪くさせていた。






もうあれから一年以上の付き合いをしていたのでなかなか仲良くなっていたので性格は分かってきていたのでこの時の島津将希が言うまずいは本当にやばいと言うことだ。






自分たちを襲ってくる神々たちが全滅状態になったからそれは良いのだけどそれ以上にやばい者が出てきたのでどうしようと思っていた。このままではいつかこの国にも来るのではないかと思っていた。






すると島津将希はでもすぐに行動には移さないだろうと言っていた。確かに八岐大蛇は強いけど神々ほとんどを相手にした後では体力は残っていないはずと言っていた。そして島津将希はそれを確実に倒すためにもしばらくはその国から離れることを許してほしいと言われた。






でもそれを倒すためでしょう、と言うかマジで復活をしたら助かる見込みはないからむしろお願いしますと言ってお願いをした。






すると島津将希は出来る限り早く見つけて終わらしてくるからと言ってすぐに飛び出して探しに向かった。本当に急に背中から羽を生やしてもらうのは驚くからしてほしくはないのだけどなと思いながら見ていた。






とりあえず自分は出来ることは国を無事に治めていくことしかできなかった。でも困っていた神々などが消えてこれでようやく落ち着いて政治ができると思っていた。実はこの一年間で何回も脅しをされたがすべて島津将希に追い払ってもらっていた。






いつまで頼っているのは悪いと思っていたから良かったと思いで気分転換をしようと景色が良くて自然が多い場所に来ていた。そして大声で






「神々さんたちwwwwマジでwwwwお疲れwwww、お礼はしないけどwwww」






そう笑っていた、本当に最高だ。島津将希には悪いけど神々が消えて後は怖い者は島津将希が警戒している八岐大蛇と言う者だけだと思っていたら草むらから怪我をしている女性が現れた。






それも結構深いと思って自分は大丈夫ですかと聞くとその女性ははい、なんとかですがと返事をしていた。自分はすぐにその女性を姫様抱っこをして城下町に急いだ。城下町にある薬屋に駆け込んで傷薬など購入して屋敷で休ませることにした。






全く、自分の領土で女性がこのような目に遭っているとはまだまだ警戒を強くしないといけないなと思っていた。それにしてもこの女性、とんでもなく美人だな。今まで見てきた中でも一番かもしれないと思いながら見ていた。






そうなると男にでも襲われて必死に逃げてきたと言う所かと思いながら見ていた。いや、マジで美しすぎる姿をしており傾国の美人と言われても納得するぐらいに。






だからこそ、どうしてこのような場所に来たのかと思いながら彼女の状態を見ていた。意識が戻ったら聞いてみることにしようと思って待っていた。






その後に目を覚ましてどうして怪我をしていたと聞くとこの女性は元々東北のほうに住んでいたらしいが例の佐竹の美人狩りが発生して南に逃げていたのだが常陸の国で盗賊に出会い命かながら逃げてここまで来たらしい。






なるほどそれは納得できるわ、佐竹家は本当に美人が好きだからな。本当にこの女性は苦労をしたなと思いながら見ているとどうか、しばらくはここで住まわせてもらっても良いですかと聞いてきたので自分はそれはもちろんだと了解をした。






こんな美人を外に出していたら危険だしねと思いながら承知をした。それに吉乃と同じく髪の毛がこちらは桃色でかなり珍しい色であり吉乃と話し相手にもなると考えて一緒に住むことにした。






その後に吉乃にも紹介したが本当にキレイな女性と言っていた、女性から見てもそんなにきれいなのか。ならば男性はもっと凄いだろうな、自分も側室などがいなかったら誘っていたかもしれないぐらいに美しかった。






でもここまで美しいのであれば少しは噂になっても良いはずなのにどうしてだろう。何か気になるけどまあ、良いかと思いで受け入れることにした。しばらくは島津将希も戻ってこないから話し相手が少なくなるから寂しいと思っていたけどこれならば寂しい思いはしなくて済むなと考えていた。








そのころ、島津将希は必死に八岐大蛇を探していた。今ならば弱っているはずだからすぐにでも殺せると思っていたが見つけることはできずにいた。もちろん八岐大蛇は人間にも化けることができるがその時に明らかに異様なところがあるからすぐにわかるはずだと思っていた。






それは八岐大蛇は人に化けるときには女性の姿になり地毛がなんと桃色と明らかに見つけてくださいと言うばかりの色をしているからすぐに見つかるはずだった。






まさか、島津将希が出て行ってすぐに入れ替わるように入ってきたことなど軍略の神様でも予想をしていなかったのであった。そして知らずに真里谷信政は八岐大蛇を招き入れていたのだった。

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