第31話、人材登用をするも・・・・

その後は自分は新しく増えた領土があるので佐竹家のせいで滅んでしまった牢人たちを登用を始めていた。少なくてもこちらに登用できる可能性があるとみていた。






なぜならば滅びてしまった大名家には武田家、長尾家、などこの時代で有名になるはずの武将たちが在野にいる可能性が高いので募集をする価値はあるとみて行動を移していた。






有能な人材が欲しい・・・いや、それよりも自分に同意をしてくれる家臣が欲しいと言うのが本音であろう。この一件で分かったが自分に同意をしてくれる者たちは余りにも少ないことを考えると非常に危ない状況だ。






もし謀反などされたら多くの者たちが寝返りをするだろうだからそう考えると本当に媚でも売ってくる家臣でも一人ぐらいは欲しいと思っている。本来ならば奸臣で嫌われるけど賛同してくれない家臣よりかはいくらかマシだ。






本当に嫌だなと思っている、そう考えのもとで募集を始めて集まってきたのは本当に歴史に名前を残した者たちであった。越後からは柿崎景家、斎藤朝信、北条高広などが登用に成功した。






甲斐からも飯富兄弟、ついでに弟のほうが後の山県昌景。そして馬場信春、秋山信繋が登用に成功してとんでもなく人材が集まってきた。滅茶苦茶に有名な武将たちであり自分よりも後世に名前を残す者たちであった。






本当に有能だから嬉しいと思いたいけど登用してわかってしまったことがある。それは自分とあんまり意見が合わないのだ・・・いや、一人は意見が合うのだがほかはほとんど旧臣たちと仲良くしておりむしろやばい状況になってしまったと思っている。






ついでに意見が合う家臣は北条高広であり、この人はちゃんと報酬などあげて待遇をよくすれば本当に従ってくれる人である。まあ、長尾家のちの上杉家は報酬などあんまりなかったからな、謀反を起こしてもしょうがない。






一度、佐竹家が常陸の国を奪い返そうと進軍してきたときには新しく登用した家臣たちを前線において任せてみた。その結果はみんな功績をあげていたが北条高広のみは更に命令無視をほかのところでも戦ったらしいが自分は状況に応じて判断してくれたことが嬉しくて追加で褒美を出して話し合いをしたこともあった。






「そう言えば、高広は我のことをどう思っているのか。少し聞かせて欲しいのだが、素直で良いぞ。なんせ一部の家臣からは戦術と内政しかできないと言われているからな。お前の目から我はどう見える」






「某は素晴らしい殿だと思っています。某をここまで評価をして褒美も出してくれてようやく良き主に巡り合えたと思っています。ほかの者たちはなんか正義とか何か言っていますがそれよりも功績を認めてくれてこうして褒美を出している主は間違っていないと思います」






「そうか、それは嬉しい限りだ。良かったこうして話をしてお前が信用できる家臣だということが理解した。そして我と考え方が近いとも思えたから追加でお前を旗本衆に任命をする。これよりは我と共に戦ってほしい」






「本当にですか、それは誠に嬉しい言葉でございます。この北条高広、これより一層忠義に励みます・・・それでそんな殿に内密がありますのでお伝えいたします」






そう言って自分に近づいてきてこっそりと教えてくれたことは実は島津将希は人間ではないということを教えてくれた。この前に偶然に見かけてしまったのだが三本足がある烏がいるからもしかして八咫烏なのかと思いで隠れてみていたら急に姿が変わり島津将希になったと言うのだ。






余りにも驚きで動揺してみていました、そして伝えようか伝えたら何かしらが報復が来るのではないかと考えたが今回の正当な褒美に旗本衆として任命もしてもらい良き主と言ってくれる自分のために危険になるかもしれないがこうして話したところだ。






自分はまさかと思っていたがそれよりも真剣な顔をして話している家臣の言葉を信じることにした。確かにこの前の大戦で島津将希は烏を利用して敵軍を探していたこともある、そしてあの異様ともいえる強さ、正体が八咫烏だと言っても可笑しくない点がある。






これはすぐにでも調べないとそう思った、そして高広には感謝をすると言葉を返した。そして高広はその場から立ち去る前に自分に対して






「殿、もし本当に島津将希が八咫烏だとしたら吉乃殿を安全を確保したほうがよろしいと思います。その諏訪殿の例もありますが陰陽術など使えるものは神の目にも止まると思います。ならば何かしらのことをしてくる可能性が高いです。悲劇を生み出さないためにも」






確かにそれはある、でも安心して守ってくれる家臣がと思っていた。ここはこの北条高広に任せることにしようと考えた。そうしてでは我がこの場にいないときは吉乃を守ってくれないかとお願いをすると高広は御意、必ず守って見せますと返事をしてその場から立ち去った。






それにしても島津将希の正体が八咫烏かもしれないなんてどうやって追い出せばいいのか、そもそもこのままでは間違いなく島津将希にお家を乗っ取られるから対策をしないと考えていた。






その前に自分は神と戦う必要があるのかと思っていた、しかも相手は戦略の神とも言われてるあの八咫烏を相手にしないといけないとは。けれど確かに島津将希の戦略は素晴らしいものがある。そのために島津将希を加担するものが多いのが現状だな。






このままいけば自分は下剋上されて最悪は滅びてしまう。そう元々いた世界の浦上家が宇喜多家に滅ぼされるようにそうなってしまうのも時間の問題かもしれないと考えていた。






どうすれば良いのだと思っていると自分と話をしたいと言って誰もいない評定の間に訪れたのは島津将希であった、自分は入っても構わないと言ってから島津将希は入って家臣の礼をした。






どうしたのだと思いで聞いてみると島津将希が自分に対してその顔をから見て俺の正体がバレてしまったかと思いましてやはり話をしてきて正解でしたと答えた。






となるとやはり、お前の正体はと思っていると






「そうですよ、俺は島津将希、神の名前では八咫烏と呼ばれています。誰かに見られて密告でもされたのかな。まあ、良いのだけどさそれよりも信政殿、俺を追い出そうとは思わないほうが良いですよ。そうなれば俺も反撃をしないといけませんからね」






嘘だろう、完全に読まれている。もしかしてこの男は人の考えが見えるのかと思っていたら笑顔にしながら






「もちろんですよ、あなたが俺や旧臣たちをどうにかしたいこと俺が宇喜多直家みたいなことをするのではないかと思っていることも。すべてお見通しですから・・・粛清などはやめてくださいね。実行に移した瞬間に俺は宇喜多直家みたいなことをしないといけませんから」






笑いながらそう答えて来ていた、この化け物め。この家を我が真里谷家を乗っ取るつもりかと思い刀を手に取って構えていた。






「いやいや、なんですでに俺の領土みたいなところで好きで荒らすのさ。良いか、農民は武士に従うしかないように人間は神に従うしかないのだ。それに俺はあんたを殺すつもりは無くなったし。諏訪姫の子を手にかけて殺した時には死んでもらおうと思っていたけど生かしてくれた以上は殺す理由はないからさ」






ならばどうするつもりだと思っていた、この男は何が目的で動いているのか。なんで自分のところにいるのかと思っていると






「そうだね、話してあげても良いけど・・・とりあえず、これからは俺のお願いは必ず聞いてくださいよ。そうすればあなたを危害は加えない協力もしてあげるからさ、この八咫烏が保証をしてあげますよ」






自分はただの飾りみたいなものではないか、結局はこの国を乗っ取ることに何も変わらないではないかと思っていた。その時に背後から余りにも異様な気配を察知できたので自分は冷や汗を出していた。何か背後にいると思っていた。






「全く、八尺様に姦姦蛇螺、心配をしなくても説得をすると言っているのに脅しをかけなくても良いのに・・・信政殿、認めたほうが身のためですよ。俺はあなたのために言っているのですからね」






もう自分に選択肢を与えられているがこれは事実上、選択は一つしかない。わかったと諦めながら言うと背後の気配は無くなり消えていた。そして島津将希が喜びながら良かった、これで誰も傷つかずに終えて嬉しいですよと言ってきていた。






「それでは信政殿、俺のお願いする時はよろしくお願いしますね。その代わりに俺も頑張りますから期待をしてくださいね」






そう言いながらその場から立ち去った、その後に余りにも悔しさで持っておる刀を投げて畜生と言っていた。自分は結局は家をこの真里谷家を乗っ取られるということではないか。わかっているのに止められない、あの男の言う通りにするしかない。






自分はなんて弱い者であろうか、目の前で国を奪おうとしている者がいるのに止めることもできない。そして自分に反対をする家臣たちを追い出すこともできない。更に自分の意見など聞いてくれなくなるだろう。






そうなった時にこの国は・・・誰が当主なのか分からなくなる。けれどそれを止めるだけの力はない・・・いや、周辺国をすべて連合をしても勝てないだろうな。結局はあの島津将希が言う通りに人間は神に従うしかないのか。






そう思うと泣き出しそうになりその場で下を向いて密かに泣くことしかできなかった。

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