第27話、敵本隊にたどり着く

自分はかつてミシャグジ様が滞在していた神社、そして初めて諏訪姫に出会った神社に来ていた。もう神様はここにはいないことは理解をしているけど祈りを捧げていた。






どうか、自分たちが勝利をして正しい秩序になってくれますようにと祈って待っていた。それで次々へと集まって予定通りの五千があつまり自分はこの五千に対して






「よくぞ、勇気をもって集まってくれた。この信政、心より感謝をする。そしてここにいる者たちはみんな歴史に名前を残す戦いをすることになる。相手は四万以上、まともにぶつかっても勝ち目はないがここにいる五千の勇者に我の戦術があれば勝てることも可能だ」






そう言うと集まってきていた者たちはならばやってやるぞと意気込みを示していた。そして自分は相手はこちらが少ない上に我を臆病者として見ている。今ならば敵総大将の首を討ち取れると話した。するとその首は自分たちが頂きますぜと声をあげていた。






自分は士気は大丈夫だと思いで出陣を開始した、相手は四万と言う数を分散状態になっておりそこまで本隊には数は多くなかった、そして敵本隊の場所を突き止めていた。






しかし、そこにたどり着く前に敵にバレてしまうと包囲されて全滅する可能性もある、どうやってこの五千を相手にバレないように進軍をさせるかと悩んでいた、そして空が明るくなり始めて空には鳥が飛んでいた。






視界に入るぐらいに低い位置で飛んでいた・・・あれ、あの方向から飛んできたということはもしかしてと思いですぐに足軽たちに対して






「みんな、天は我々が勝利をもたらすために雨を降らしてくれるぞ。そう、勝利と言う恵みの雨を、だから恐れるものは何もない、ここから出陣をして敵総大将がいる本陣に突撃をするぞ」






そう言うと家臣たちは本当に雨が降るのかと言ってきていたがしばらくすると雨雲がこちらに迫ってくるのが見えてきて太田康資を始め、多くの家臣が驚いていた。






別に自分は鳥を見て余りにも低い位置で飛んでいるからもしかして雨雲が迫ってきているのではないかと思っていただけであり、別に大したことではないと思っていた。






そして出陣して間もなくに雨が降り始めた、それも豪雨ぐらいの雨が降りそして雷もなっていた。そのために相手からはこちらの動きが見えなくなりそして進軍をしても雷の音でかき消されて敵に気づかれずに敵の中核まで迫ってきていた。






もちろんこちらも普通ならば相手が見えないところであるが食客である、島津将希が烏を使って敵の居場所を確認をしてそれを避けるようにして動いていた。どうやらあの烏たちはみんな島津将希の式神みたいな感じでありそのおかげで敵に発見されることはなかった。






本当に島津将希は凄いなと思っていたと同時にもしかしてこの人・・・いや、神様じゃないかと思い始めた。でもこの人は悪い人じゃないと信じて自分は前を進んでいた。そしてその時に島津将希から敵の本隊を発見したと報告が来た。






とうとうこの時が来たとようやくようやくだと思いで体が震えていた、そう武者震いをして今まで我慢してきたことが一気に溢れてきそうになっていたがもう少しだけ我慢しろと思いながらそそして敵本隊の三キロ前で全軍に号令をかけた。






「皆の者、我々の運命はこの一戦にあり、そしてこの一戦で日ノ本の未来が決まるぞ。お前たち、今こそ後世まで残す大戦をしようぞ、我に続けーーーー」






そう言うと全軍、自分に続いて突撃を開始をした。もうここまで来た以上は神が相手になろうとも止まるつもりはない、そう敵総大将、佐竹義昭と前田家元の首を取るまでは。










それにしてもひどい雨だよな、こんなひどい雨が降ることを知っていればもう少しずらしたのにと思っていた。もしかしたら相手がこの雨に乗じて攻めてくるかもしれないと考えていた前田家元は大軍を生かして分散させて警戒をしていた。






ここまで別れていたら敵の軍隊が見つかるから奇襲を受けることはないと考えていた。ここまでくるのに多くの部隊の目を搔い潜るのは至難の業、それこそ神様ではないとできないことだ。神様はこちらの味方にしている上に敵はそう多くはないからそこまで警戒をしなくても良いと考えるが。






なんせ戦国には桶狭間みたいなことが起きる可能性があるからそうならないようにするために警戒をしていた。まあ、こちらの当主様はもう油断をしているけどな。無理もない神々が味方でそして人数はこちらの方が圧倒的に有利、そして敵は最近だと臆病風に吹かれたと聞いている。






それだけに油断は仕方がない、それに万が一奇襲をしようと思っても無理だからね。まずはどこかしらの部隊が見つかるはずだからそうしたら準備をすればいいだけと思っていた。






しかし、その時に一人の伝令兵がこちらに向かって慌てて走ってきた。やはり、真里谷信政はこの雨を利用しようと奇襲を仕掛けてきたのだなと思っていた。戦術と内政しかできない人物だが戦術に関しては悔しいがかなりの強者でありそんな人物がこの雨を利用しない手はないと考えていた。






家元はどこから迫ってきたと伝令兵に聞いてみると真正面ですと答えた、そうか。ならば前線にいる三部隊に包囲をしてせん滅をするように指令を出そうとしていたが伝令兵が本当にこの真正面ですと言ってきた。






「分かったから真正面の部隊に真里谷信政が率いる部隊を見つけたのであろう。わかっているから」






しかし、伝令兵の話を聞くと違うことに気がついたのである、それは真正面の部隊が発見したのではない。そう、この部隊の真正面にすでに真里谷信政の部隊が来ていたのである。






ありえない、どうしてだ。どうしてここまで分散させてくまなく隙間を埋めたはずだ。視界が雨のせいで悪くは無くなっているがそれは向こうも一緒だ。






それを掻い潜ってくるのはできないはずだ・・・しかし、現実にそうできて前からものすごい足音が迫ってきていた。そしてついに真里谷信政の部隊をこの目で視界にとらえた。






その部隊の一番前にいる、あの男はこれほどな殺気を出しているのは初めて見たと思っていたらその男が飛び出して家元の部隊に突撃して






「我こそは真里谷信政なり、今までの雪辱。倍にして返してやろうぞ、佐竹に味方をする無道な者たちよ。上総武士の強さを見せつけてやるぞーーー」






そう言ってその男は一番槍を決めて家元と佐竹義昭がいる佐竹本隊に向かって突撃をして戦いの火ぶたは切って落とされたのであった。

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