第24話、連合軍、結成なれど・・・真田幸隆の出奔

それから佐竹家の進撃は第二次佐竹包囲網が出来上がったのである。参加している場所は武田家、長尾家、朝倉家、斎藤家、今川家、北条家、真里谷家、蠣崎家、浅井家、合計、九か国の大名による包囲網。






それを支持をしたのは幕府と朝廷である、佐竹家が了解もなしで常陸守を名乗ったことが今回の包囲網ができたのである。その上で本願寺も幕府と朝廷に協力をしましょうと呼びかけで応じたおかげもあり。






それでようやく佐竹家が動きが止まり快進撃も無くなったがでも奪った領土は取り返せずに佐竹家は今では日ノ本最大の勢力になっていることは続いている。しかし、連続の戦をしていたつけがとうとうここで来たのである。






領国は荒れ果てて民などは多くが死んでいる上に疫病も発生し大きくその人口を減らしていた。そのために佐竹家の領国では餓死は無くなったと言われるほどに人口が減ってしまったのである。






ここで攻めれば一気に佐竹家を滅ぼせるのだがほとんどの連合軍に加盟をした大名たちは今の佐竹家の領土を攻めても利益が余りにも少ないことで侵攻は止まっていた。






それに疫病がこちらまで来たら危ないのも理由で誰か率先として佐竹家と戦ってくれるように願っていた。真里谷家、北条家はすぐにでも戦いをしたいが敗戦をしていたためにすぐには動けずにいた。






この状況で真里谷信政は正室である、諏訪姫の奪還は延期をして領国の復興に尽力を注いだのであった。そんな日々を真里谷信政は二年間と言う月日が流れた。






状況は変わらずにどこの勢力も攻めておらずにいたが佐竹家の領国では草を放って聞いた情報だが地獄のように変わり果てて、全滅をした場所もあるぐらいにひどい有様でしたと報告していた。






それでも佐竹家は戦をして武田家、長尾家を滅ぼしていた。あの甲斐の虎に越後の龍が滅ぼされたと聞いて驚きを隠せないでいたがこのまま佐竹家が天下を取っても日ノ本は終わりを迎えてしまうと思い、最近では北条家と連携をして行動をしようではないかと言われて行動を共にしていた。






そんなある日に真田幸隆からお願いをされたのである、それは出奔をしたいと言うお願いを言われた。すぐに自分はどうしてだと聞いて石高が少ないと思うならば増やしてやるから思い止まってくれないかと言ったが真田幸隆は静かに持っていた手紙をこちらに渡してきた。






その内容は佐竹家からの手紙でこちらに寝返りをしたら好きな場所を中心に十万石を与えるから寝返りをしろと言うもので真田幸隆は自分に向かって泣きながら






「殿から多くの恩を貰ってきました、そして殿はこんな某を重臣までしていただき本当に感謝を言いきれません。ですが、ですが、故郷に帰りたいのです。今では大変なことになっているだろうですが故郷に帰り元の美しい場所に戻したいのです」






そう言いながら頭を下げてきた、きっと悩んだ末に決断をしたのであろう。手紙には濡れた跡があった、おそらく涙であろうが自分を採るか故郷を採るかで故郷をとることにしたのであろう。






ならばできることはもう・・・そう思った自分は真田幸隆の手を取り頭をあげてくれとお願いをした後に






「幸隆さん、今まで本当にありがとうございました。あなたのおかげで上総の国、安房の国は豊かな場所になりそして自分も幸隆さんからいろんなことを学びました。だから自分は幸隆さんの出奔を認めます、みんなには言いませんので国から出て行く作業に入っても構いません。なんとかみんなには隠して見せますから」






自分は今まで本当にお世話になり攻城などの心得を教えてくれた重臣を笑顔で返すと真田幸隆は再度頭を下げてから泣きながら感謝をいたしますと言ってその場を後にしたのであった。






いなくなった後で自分はこれで残った人材は太田康資のみぐらいになってしまったなと思っていた。有能な人材が集まり勢力を拡大できるかと思っていた矢先でこれである。しかも佐竹家に入るから人材が余計に手強い状態になるけど。






自分にはこれまで本当に世話になった家臣を斬る勇気がない、そして家臣に殺せともいえる勇気がない。そうしたらせめて笑顔で見送ってあげるしかなかったのである。






そうして自分はいつも通りにして夜遅くに上総の国、国境辺りで真田一族を待っていた、そうして闇に紛れて真田一族が姿を現した。こう見ると本当に真田家はいろいろと頑張るよなと思いながら






「幸隆さん、最後に会いたいと思いましてここでお待ちしていました。これは個人からの贈り物です、どうか受け取ってくれないでしょうか」






そう言って自分は金が多く入っている袋を真田幸隆に渡した、幸隆はすぐに中身を確認して驚いた顔で自分を見てきていた。自分は別に気にしないでくださいと言って笑顔にしていた。すると真田幸隆さんが






「殿・・・いや、信政殿。あなたと言う人物の家臣でいたことをこの真田幸隆、一生の誇りに思います。この恩はいつか返します、それまでごめん」






「そんなにしなくても良いですからそれから故郷を大切にするのは良いけど奥さんと子供たちも大切にしてくださいね、幸隆さん」






それを聞いた幸隆さんはもしあなたが信濃の主であれば迷いもなく忠義を命を捧げていたのにと言ってくれた。それは本当にうれしいかな、こんな大物から言われるのは誇りかなと思っていた。






こうして自分は真田幸隆の家族を見送ってそのまま下総の国に向かって歩き出していた、もう振り返ることはせずにただ前を見ていた。自分は故郷に戻って国を豊かにあの人ならばできると思いながら見送っていた。






けれどもこちらは人材が減って向こうは増えてしまったからどうしようかなと思いながら城に戻ることにしたのであった。






しかし、後日に自分は真田幸隆さんを見送ってしまったことを後悔をするのであった。どうして無理やりでも止めなかったのかと思うぐらいに・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る