第22話、佐竹視点

太田城では各地の前線で大勝利を祝って宴会を開いていた、奥州では南部家を滅ぼして奥州平定。






南では真里谷家の弱体化に北条家の衰退、そして関東管領家を滅ぼして言うことなしであった。みんなが頑張っているので久しぶりに宴会を開きねぎらっていた。もちろんこの度の最大の功労者である家元も出席しており楽しんでいた。






佐竹義昭はこの度は戦功一番は家元だが次は誰だと思うかと聞くと家元は頭を下げてから発言をしたのであった。






「それはこの度、南部家討伐に貢献した山本勘助が二番目でそして強大な勢力を持っていた真里谷家を内部に侵入して崩壊させた工藤昌秀が三番目だと思います。工藤昌秀は大きな戦果を上げていないように見えるかもしれませんが真里谷家にうまく潜入してそして内通者を集めて真里谷家の勢いを止めたという功績はとてもでかいとみております」






佐竹義昭はなるほどと言ってから二人にも報酬を与えたのである、まずは山本勘助を8万石まで増やして工藤昌秀も五万石と言う土地を貰った。






そして一番の功労者である、家元にも与えようとしたが家元が自分はすでに多くの領土を貰っておりこのままでは巨大な力を持ちすぎて変な疑いを受けた時に内紛が起きてしまうのでそれはだめですと返して代わりに真里谷家から人質として連れてきた諏訪姫を己のものにしても良いですかと聞いた。






それを聞いた佐竹義昭はそれで良いのかと聞くと家元ははい、それで十分ですと答えた。それを聞いていたほかの者たちは何という家臣だとほめていた。主からも分かった、これからも信用しているぞと答えた。






それが終えると家元はこの戦いと言うか個人的に一番感謝をしたい人物のところに挨拶に向かって来ていた。






「工藤殿、この度の功績。おめでとうございます。これで工藤殿も重臣と言える立場になりましたな。この前田家元が祝福を言葉を送ります」






「いいや、前田殿。あなたの言う通りに動いただけですからそれに本当に未来が見えていたかのように真里谷信政の行動を読んでまさに天下に並ぶものはなしと言えましょう」






「違いますよ、工藤殿はそれだけではなくて真里谷家内部で原虎胤、そして一門衆である真里谷信茂の内通をさせたことはこの家元もできない事ですから。それに人質である諏訪姫も工藤殿が捕まえてきたことですし」






そう、家元は諏訪姫を無事に捕まえてここまで無傷で連れてきた工藤昌秀に感謝の言葉を言ってきていた。本当に工藤昌秀は良くやってくれたとほめていた。それにほかの者たちを内通させたことも嬉しい誤算であった。






本当に現状で真里谷家は攻めてくることはできないだろう、もう当主を除いて名将と言えるのは真田幸隆のみでありほかはどうでもいい雑魚である。






特に原虎胤は本当によく頑張ったなと思っていたら工藤昌秀が元々真里谷家は武田家の分家であり宗家と分家が争いなどするはずがないと原虎胤に話した上でこのままでは恨みは晴らせないまま死んでしまいますと言ってから佐竹家に寝返りをしませんかと誘って成功をしたらしい。






本当に有能な奴だ、しかも本人は野心家ではないからなおさら使いやすい。寝返ってきた原虎胤も今度は武田家と戦うからその先鋒としてお願いをすると喜んで戦の準備をしていた。本当に嬉しい人材だよと思っていた。






その後は家元に対する褒める功績の話が出てきた、それは北条家と関東管領家を同士討ちをさせた上でその間に我々が包囲をして一気に殲滅をしたことを評価をしていた。






まあ、もともとあの北条家と関東管領家は仲が悪いから一つでも悪いうわさを流せばこんなものですよ。それよりも真里谷家が到着する前に両家とも真里谷家が我が勢力に味方をしたと言う話を信じさせて良かったですよと答えた。






本当にそれがうまく行かなければ今頃は北条家と関東管領家が生き残り戦いをしていたことだろう。だからこそ、真里谷家はいろんな意味で重要な意味があったために余計に工藤昌秀の働きが良かったと言える。






埋伏の計、これが上手く決まり真里谷家は弱体化、北条家は降伏も時間の問題に関東管領家は滅亡。おまけに村上家もその勢いで滅ぼされて武田家を滅ぼす準備も終えていた。






まずは武田家を滅ぼしてそのまま南下して今川家をそして奥州平定していた軍隊は越後に侵攻、そのような計画をしていた。






まだ大きくならないうちに滅ぼしておけば苦労は最小限で済むだろう。武田家も頼れるのは今川家のみ、北条家も武田家、今川家の救援を求めるだろうがついこの前まで戦いをしていたのだ。救援は無理だろうとみていた。






越後は長尾家が有利に戦をして統一の動きを見せていたが統一しておらずに奥州の軍隊を侵攻させれば越後は平定できるだろう。もう東国で怖い勢力はいないと言えた。強いて言えば未だに戦いならば負けていない真里谷家の当主ぐらいだ。






そんな真里谷家もこの前で弱体化、そして領土も一部は復興できていない。当分は大人しくしているだろう。その間に更に勢力を拡大しておけば真里谷家もいつかは怖くなくなる。その時に侵攻して滅ぼしてやろう。






そしてこれからの侵攻で気になる人物は後の武田信玄、太原雪斎、長尾景虎ぐらいでほかは気にしなくても良い武将だらけで本当にここまでくると楽な作業だよなと思っていた。






連合をしたくてもうまく行かずにけれども単独で対抗はもう出来る勢力はなし。つまりは戦う前から勝利が決まっている。本当に天下統一は難しいことではないなと思っていたら家元は思い出したかのように席を外しても良いでしょうかと伝えて佐竹義昭が許して家元はその場を後にした。






そうしては席を外して向かった先はとある神社でありその神社の前で土下座をしたと思うとそれをしながら






「この度も勝利が出来ました、すべてはあなた様方のおかげであります。少しですがお供え物も持ってまいりました」






そうして言うと神社から出てきたのは一人の女性であるがその女性は神秘的なものが感じ取れて普通ではないことは見なくても分かるぐらいであった。その女性が今日は残念ながら妹と弟は用事があってこれませんでしたけど私が二人の分のお礼を言いますねと言うと家元は






「いいえ、滅相ありません。天照大御神様が来てくれるだけでも己はとても幸せです。そう遠くもしないうちに日ノ本は統一されます、その後は天照大御神様の願い通りにこの国をもっと巨大な力をつけるようにさせて見せます」






「ふっふっふっふ、本当にお利口ね。ここまで素直に従ってくれてあなたみたいな民ばかりであれば私も苦労はしなかったのにな。それとほかの柱たちもできる限り、佐竹家に協力をするように言っておいたから期待しておりますよ」






「御意、必ずや成し遂げて見せます。それとですが実は一目ぼれをしてしまった女性がいるのですが・・・結婚をしたいのですが」






すると天照大御神は良いのでないでしょうかと答えた。すると家元が何か言いたいことがあるみたいな感じをしていたので天照大御神は家元の記憶などを読み取った。するとなるほどと言ってから家元に対して






「あなたの想いは分かりました、それでしたらこの神社に連れて来てくだされば私があなたが好きなあの子を虜にさせてあげましょう。本当ならばすぐにでもやってあげたいのですが生憎なことにすでにほかの神に仕えておりすぐにはできなくて」






「いいえ、己のためにここまでしてくれることに深く感謝をいたします。今後も全力で頑張りますので期待してください」






「はい、あなたの活躍を期待しております。それとですが私からの注意ですが・・・老将と毒蛇には注意してくださいね。私の予言ではあなたの最大の障害物はこの者たちと出ましたので」






「分かりました、けれどもそれを乗り越えて必ずや期待に応えて見せます」






家元がそう言うと天照大御神が霧のように消えてまるで最初からその場にいなかったようになりその後は家元も城に戻り、翌朝の評定でみんなの前で佐竹義昭に対してどうか常陸守になるように進言をした。






これを聞いた佐竹義昭は流石に驚きを隠せないでなぜだと聞いていたがすぐに家元がそれは簡単ですと言うと次の天下人は佐竹義昭様ですからそして昨夜に己が天照大御神から直々に佐竹家が天下を治めろと天命を頂きましたと報告した。






だから天照大御神から受けた天命である、ならば常陸守ぐらいは名乗っても当然ですと伝えた。そしてしばらくしてから佐竹義昭は自称であるが常陸守を名乗り始めたのである。






それを見ながら家元はさて、これで朝廷と幕府は我々のことを逆賊と呼んで攻めてくるだろうが己たちは天照大御神からの天命で動いているのだ。逆賊はお前たちだ、そして我々は官軍でありそして天下を治める勢力だ。




そう思いながらこれからのことを考えて笑いを出している家元であった。

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