第21話、佐竹家の謀略と真里谷信政の戦術

自分たちは出陣の支度を終えるとすぐに北条方の前線にある城、川越城に向けて進軍を開始をした。国に上総の国に父上と吉乃を残して、下総には諏訪姫、真里谷信茂、工藤昌秀、原虎胤、滝川一益を置いた。






自分たちは総大将を自分で真田幸隆、太田康資を引き連れて向かっていた。そしてだんだん決戦場に近くになるにつれて状況が詳しくなってきていた。佐竹家は五万を超える大軍で川越城に迫ってきておりそれに対抗するためにも仲が悪いはずの関東管領家まで来ていた。






もう関東管領家も余裕がない証拠だろう、ここで負けたら関東管領家は危ない立場になるから仲が悪い北条家と共同をしたのであろうな。本当に呉越同舟と言うべきかな。






それほどに佐竹家が危険ということであろうな、ともかく北条家と関東管領家の連合軍に合流して作戦を考えないといけないと思いながら向かって行くと北条家と関東管領家が何か待ち構えているようにして待っていた。






自分は味方として援軍に参りましたと声をあげて説明をしても何も返答は来ずに仕方がないので使者を立てて伝えてくれるようにお願いをした。






しばらくして使者が戻ってきたので自分はどうだったと聞くと使者は慌てて自分に対して報告をしたのであった。それはこちらが佐竹側であろうがそう簡単に騙されてたまるかと言って今すぐに戻らないと打ち殺すと言われて逃げるように戻ってきましたと報告した。






それは誠かと言って自分が前に出て自分たちは北条家と関東管領家と協力して佐竹家と戦いたいために来ましたのでどうかご協力をしたいのですと伝えても向こうは敵対心を無くすことはなくこちらの動きを見ていた。






仕方がないので自分たちはそれでは素直に国に帰りますのでと報告して国に帰るしかなかった。どうしてこうなってしまったのかと考えるとやはり佐竹家が何かしらの行動をしたのであろうな。






それにうまく北条家と関東管領家は乗せられてしまったとみるべきだろう。そうなるとその場にいたほうが危険な可能性が高い。良く考えてみると連合軍で川越で迎え撃つこと自体があんまり良いとは思えなかった。






本来の歴史でも連合軍のほうが負けていたことだしそれを考えると国に帰ると言う選択は間違いではないかもしれないと考えていた。本当は協力して佐竹家と戦いたくなったと思っていたけど。






これでは仕方がないと思いで戻ってきていると下総の国から早馬が到着をしたのである。それは下総に攻め寄せてきた佐竹家を迎え撃とうとしたら内部から反乱がおきてすでに多くの城が落とされましたと報告が来た。






まずは家臣たちが無事かと思いで聞いてみると伝令兵は顔色が悪くなりながらも答えてくれた。それは裏切ったのは工藤昌秀と原虎胤そして一門衆である真里谷信茂が主に裏切って一気に下総を奪おうとしていますと言ってきた。






そんな、工藤昌秀があの原虎胤がそして一門衆である真里谷信茂がと思っていたが真実なのだから信じるしかない。それに工藤昌秀と原虎胤に関しては自分たちが謀反を起こしやすくするためにもこの前の話をしていたのだなと思っていた。






そう思うとそれを聞いて信じてしまった自分が不覚だなと思っていた。それで滝川一益と諏訪姫はと聞くと滝川一益は戦死をしたと報告が来た。






聞いた瞬間に嘘だろ、だってあの滝川一益だよ。後の時代で名前を残すほどの人物だよ。こんなところで死ぬはずがないと思っていても何度も聞いても同じ答えのみが返ってきていた。






自分のせいで名将が活躍をする前に亡くしてしまったと後悔の念を抱きながら諏訪姫はと聞くと諏訪姫は敵に捕まってそれ以降は分かりませんと報告が来た。






そうか、諏訪姫はまだ生きている可能性があるのだなと思いながらすぐに軍隊を下総合の国に向かわせた。






そうして向かった先ではとても受け入れがたい光景が広がっていた、それは荒らされた村、そして破壊に略奪、そして惨殺などの光景が広がっており見た足軽の中には戻した者もいたぐらいに地獄のような光景が広がっていた。






佐竹家は毎回、このような戦をするのか。もしこれが本当しているのであれば佐竹家が天下を取るころには数えきれないほどの死者が出る。それも戦に関係もない命が多く奪われるとみていた。






足軽の中にはこれを見て佐竹家を許してたまるかと言って戦意が上がって佐竹家を倒すことを足軽たちがそう決めていた。自分もこのようなことを国内でされて許せるものかと思いながら敵がいるところに進軍を再開をした。






その間にも諏訪姫がどこにいるのか、上総の国はまだ大丈夫かと思いで草を放って調べさせていた。先に上総の国の様子を見に行った草が戻ってきて今のところは上総の国は大丈夫ですが下総は信じられないぐらいの被害を出していますと言われた。






それは言われなくても分かることだ、この国の復興にどれぐらいの時間を費やすのかと思ってみていた。そしてもう片方の草も戻ってきたが情報は何も得られずに謝ってきていた。






しょうがない、相手はそれだけ有能だったということだ。君たちが悪いわけではないと言ってまずは上総の国の国境近くにある軍隊から撃退をすることにした。




けれども相手は一万以上でこちらは五千ほど、まともなぶつかり合いでは負けるのは確定だから自分はこの五千を三部隊に分けた、一部隊は真田幸隆であり真田幸隆には森に隠れて不意打ちしてもらうことにした。






次の部隊は太田康資であり太田にも伏兵をしてもらうことにしていた。けれども伏兵をしてもらうのは相手が退却をするだろう道にである。そしてここで殲滅戦をしてもうと言うと太田は喜んでいた。






本当に戦いが好きだなと思いながら最後の部隊には自分が率いる囮部隊、そう相手を誘い込んで撃滅をする作戦にした。






この作戦は釣り野伏と言える戦法だろう、南九州でそれが得意な大名家がいるのだけど今はそれを置いといてこれをして撃滅をしてやると思いで自分は囮になるべく一部隊を率いて敵軍に進軍した。






それが分かったのか敵軍は自分に向かって突撃を始めて来ていた、自分はある程度戦い、その後に退却を始めて相手が追撃をしてきた所で隠れていた真田幸隆、率いる伏兵部隊が鉄砲を背後から放ち、混乱したところで自分と真田幸隆が前と後ろから挟み撃ちをした。






敵は混乱している中で敵大将が倒されたのか、足軽たちは我先へと逃げ出し始めていた。片方には火計で対応してもう片方には何も準備をされていないように見せかけていた。






そのために火計をされた後で逃げようとしていた足軽たちや生き残っている侍たちはそちらの方から逃げ出したが逃げた先で待ち受けていたのは太田康資が率いる部隊であり疲れもない部隊に疲れがたまっている部隊とは勝負になるはずもなくて太田はあっという間に殲滅していた。






こうして自分たちは五千の兵で一万以上の相手を倒すことに成功したが下総で手に入れた領土のほとんどがこのような状態になりとても勝ち戦とは呼べなかった。






それに諏訪姫も見つかっておらずにどこにいるのかも不明でありどうも後味が悪い結果になり裏切り者たちはすべて常陸の国に逃走していた。






とても勝ちとは言えずに負けたと言うべきだろう、けれども自分はこれからも頑張らなければならない。この戦いが散っていった者たちのためにもそして最後の最期まで自分に対して忠誠を誓って戦い抜いた滝川一益は丁重に弔ってあげた。






お前が居たから上総の国まで被害がなかったのだ。よくぞ頑張ってくれたと滝川一益の墓の前でそう言ってから自分は墓の前で必ずお前の仇は討って見せるから待っていてくれと言ってからその場を後にした。






そして自分は墓から戻ってくると草から情報が入ってきたのであった。それは関東管領家と北条連合軍が佐竹家と戦い、関東管領家、当主が討ち死にしたこと。やはりと思いながらほかにも名将である長野業正も君主を守って討ち死にした。






そして北条家で猛将である北条綱成もこの戦いで討ち死にして北条家は相模の国に逃走をしたらしい。嘘だろ、あの北条綱成が死んだのか・・・それを聞いて自分は本当にもう歴史通りにならない。






すでに佐竹家が東国の覇者になり残りの勢力も倒そうとしていた。危機を覚えた今川家が朝廷と幕府に朝敵と足利政権をないがしろにする佐竹家を正式に倒すように指令を東国の大名家に伝えた。






すると佐竹家がとんでもない暴挙に出たのである、それは自称であるがそれでも佐竹家、当主が常陸守を名乗って朝廷と幕府に対して宣戦布告と言うべき行動を出したのであった。

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