第16話、尾張の国で出会いと諏訪大社の神様

それにしてもまさか、あの織田信長とこうして出会うことになるとは夢にも思わなかったぞ。けれどもあんまりかかわるといろいろと大変そうだから早めに退散をしておかないといけないと考えて自分はではそろそろ向かいますねと言って立ち去ろうとしていた。




すると吉法師があの刺客は今川家の者だと思うから三河の方には行かないほうが良いよと言われた。マジでこのルートは安全だと思っていたのに危険にこれで刺客を殺したから少なくても好意には思われていないから確かに危ないと考えた。




でも信濃から帰るのも危ないだけどなと思いながらも山ならば隠れられるからいけるかなと思ってそちらのほうに向かって歩くことにしたのであった。




ここで後の織田信長と別れて歩いていた。そろそろ今日は暗くなってきたことだし休もうかなと思っている時に一人の少女が自分の前に出てきた。




急に出てきたからぶつかってしまい、少女に対して大丈夫かと聞くと少女は泣きながらすみませんと謝ってきた。いやいや、そこまで怒っていないから別にと思いながら気にしないでと言って少女を見ていた。




良く見ると体には痣みたいなものがあることに気がついた、自分はどうしてそこまで怪我をしているのだと聞くと少女は黙っていた。




ほかにも見ると少女の地毛が白銀でありまたしてもそれだけで虐められているのかと考えた。ならば助けてあげないと気分が悪いと思いで少女に向かって大丈夫、自分は怖いことをしないから教えて欲しいと言うと少女は泣きながら話してくれた。




だが、少女から聞いた内容は想像を超える悲惨な物であった。自分はそれを聞いた以上すぐにその原因になっている場所へ向かった。




そう、少女は髪が白銀なだけで狐に憑りつかれていると言われてみんなから家族からもいじめを受けていた。良し、まずはこの子の一族を殴りに行こう。そしてそんなに化け物扱いをしているのであれば自分がこの子の面倒を見る。




そしてこの子には笑顔でいて欲しいと思い、この子が住んでいる屋敷ではあったがおかまいなしに生駒屋敷に向かってここの主人はどこだと怒鳴り声をあげて叫んだ。




久しぶりに怒りが湧いたよ、こんな子供をここまでするなど武士の風上にも置けない。叩き潰してやる。ここが関東地方であったならば兵を出して包囲していたのにと悔しかったけど。




ここの主である、生駒家、当主が出て来てすぐに自分はこの子に対してどのようなことをしてきたと怒鳴りつけた。もう人と思えない行動を見て怒りを覚えていた。




ここまで怒るのには理由がある、それはこの世界では親からは良くしてもらっているが・・・前世では親に虐待をされて育った時がありもう生きているだけでも辛かった。




この子はその時の自分と重なるところが多く、他人とは思えなくて助けることにした。本当に自分を助けてくれたあの知らない兄さんみたいなことをしているよなと思っていた。




そしてこの子は狐に憑りつかれているとかその力が体にまで出て来ているとか、そこまでにして殺されてほしいかと思いながら聞いていた。だが、ここでこいつを殺すことは簡単でもこの子がそれで助かるわけではない、自分はこいつを殺すことよりもこの子を助けることを優先とした。




ならば自分がこの子を持っていても構わないかと聞くとそれなりの金を出してくれたら持っていても構わないと言ってきたので旅の資金として残していた。三百貫のうち二百貫を渡した。




すると好きなようにするがいいと言い、少女に対してこれからはこの男が主だ、せいぜい頑張れよと言って屋敷の中に戻りそのまま扉が閉まった。自分は少女に対して




「これで君はここから出て行っても大丈夫だ。自分と来てほしい、自分はそこそこの身分であるから君一人ぐらいは大丈夫だからさ」




そう言うと少女は良いのですかと泣きそうにしながらも聞いてきたので自分は笑顔でもちろんだと答えた。すると少女はうれし泣きをしながら名前を教えてくれたのであった。




名前は吉乃と言うらしい・・・あれ?と思っていた。どこかで聞いたことがある名前だな、どこかでと思いながら考えていたけど思い出せなかったので気にしないでまずは故郷に帰りますかと思って歩き出した。




それから数日間、美濃に引き返してそこから信濃に入って歩いていた。そうだ諏訪大社があるから少し参拝でもしようかなと思い、吉乃と一緒に諏訪大社に入った。




やはり諏訪大社だけにあって人がいるなと思っていた。でも夕暮れになりそろそろと思っていると吉乃が何か何もいない方向に向かって綺麗な姉さんがいると教えてくれたけどそこには何もいない。




もしかして幽霊でも見えているのかと思いでならば急いでここから離れないといけないと思いで吉乃の手を掴んで離れようとしたときに全く、君たちみたいな者には手を出さないよと今までにない感じを出して言われた。




その声をする方向に向いてみるとそこには先ほどまで誰もいなかったはずなのに先ほど吉乃が言ったとおりに相当美しい女性がいたのである。




でも何となくわかるこの者は人ではない、幽霊でもないそれ以上の存在であることが本能でそう伝えられていた。自分はまずは落ち着いてからあのー、自分たちにどのようなご用件でしょうかと聞いた。




するとその女性は笑みを出しながら少し気になって出てきたまでですわと言ってこちらを見ていた。そして吉乃は女性に向かって姉さんは誰ですかと聞いたらその女性はそうねと少し考えた末に出した言葉は衝撃的なものであった。




「そうね、人界ではミシャグジさまと呼ばれているかしら。こう見えてそこそこ強い柱ですわ」




それを聞いた時にミシャグジさま、それは日本の神様であり諏訪大社に祀っている神様でありそして強力な祟り神でもあると言われている。どうしてそんなものが自分たちの前にと考えていた。




「答えてあげるわね、私の可愛い巫女である諏訪姫の夫がどんな人なのか気になってね。それにしてもとてもいい男で安心しましたわ」




心が読まれている、流石神様と言うべきだろうが完全に心を読まれていると思い警戒をしていた。すると警戒をしても無駄よと言ってみていた、それと吉乃をみてミシャグジさまがあらヤダ可愛いと言ってみていた。




そしてこちらに来てと言うと吉乃は警戒心を出さずに向かって行くとミシャグジさまはよしよしと撫でていた。こう見るととても優しい姉さんみたいな神様に見えるけどなと思っていた。




それでミシャグジさまはこの子もうちの巫女にしてあげるねと言って何かミシャグジさまの手から光が出て来てその光が吉乃の中へと入っていた。




何か変わったことがないかと思っていたが特になさそうで良かった。それと自分に対してこの子のこともしっかりと可愛がってあげてねと言ってきた。




本当に優しい神様だと思うのにどうして祟り神と呼ばれるのだろうか。そう思っていた、するとせっかくだから君たちを上総の国まで飛ばしてあげるよと言って来て何かを始めていた。




確かに諏訪姫もこうして上総の国に来たのだっけ。それにしても本当に助かる、これで予定通りに帰ることが出来ると思っていた。それと自分たちを送る前にミシャグジさまが自分に対して




「それと君、良かったね。もし諏訪姫をひどい目の合わせていたら・・・君には地獄を見ることになってから良かったですわね」




そう言いながら今まで見たこともない恐怖を感じて自分は血の気が引いてミシャグジさまを見ていた。も、もしかして諏訪姫に対して冷遇をしていた諏訪一族を滅びに向かわせたのは…と思っているとミシャグジさまが自分に向かって恐怖の笑みを出しながら




「君が思っている通りだよ・・・私があの愚かな一族を滅ぼしてあげたんだよ。だから君も注意をしてくださいね」




恐怖で逃げ出したくなった時に急に周りが光りだして何だと思っていた。光が無くなるとそこは諏訪姫が初めて現れた神社であった。




マジで一瞬で上総の国に戻ってくれたよ。諏訪姫もこのような思いだったのかなと思いながら一緒に来た吉乃と共に居城に向かって歩き出した。




この辺は治安も良いから大丈夫と言って歩ていた。その後に風のうわさになって届いた内容があるそれは生駒一族が謎の病にかかり死体からは大量の蛇が出てきたと言う噂が流れてきた。




自分は誰かそのようなことをしたのか理解をしながらその噂を聞くのであった。実はもう一つありそれは真里谷信政は実は神々たち直々に任命をされたのではないかと言う噂である。




これはどこまで噂かわからないが天皇が夢の中で神々にそうお願いをされたと言うのである、まさかと言いたいけど実際に神に出会っている以上嘘とも言い切れなかった。




自分は神々に愛されているのかと思いながらもあのミシャグジさまを見て神とは極力関わりたくないと思うのだった。

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