第15話、とんでもないやらかし主人公と元祖、やらかしとの出会い

自分はただいま故郷の上総の国から遠くにある京の都に来ております。この日のためにため込んできたお金を幕府と朝廷に献上をするために参りました。家臣たちには留守番をお願いをすると言って飛び出してきた。




家臣たちは今ではなくても良いでしょうと言われたけどそれでも行きたいと言って少し無理やりに国から飛び出してきた。まだ国には父上もいるから大丈夫だろうし。




ついでにどうして今なのかと言うとこの後に関東管領家と戦うと幕府からそう簡単に役職をくれないと思うから今のうちに貰っておこうと思い参りました。




それにしても応仁の乱は想像以上に被害が大きいものなのだなと京の都を見てそう感じていた。これが未来になれば美しい街になるのに今はその面影もない。これならばまだ辺境地と呼ばれている上総の国のほうが栄えている。




それだけに乱世はひどいものなのだなと感じていた、幕府も朝廷も力が落ちていることは誰の目で見ても理解をしていたけどこれは本当にそう思っていた。




まずは朝廷から挨拶をするために公家の者に問い合わせをしてから朝廷に向かうのであった。朝廷には八千貫を献上をした。




これを貰って朝廷は大喜びをしていた、今の時代で朝廷にお金を献上しているのはあんまりいないからね。もう少しすれば織田家がやってくると思うけどそう持って頭を下げていた。するとこれほどのお金を貰って何か求めているのはないかと言われたので自分は




「恐れ多いことですが正式に上総守に任命をしていただけたらこれ以上もない喜びです。そうなれば民も安心して豊かになりまたこうして献上をすることも可能になります。欲が多いのは分かりますがどうかお願いをできないでしょうか」




そう、自分は上総守の位をお願いをしたのである。ついでに上総守は守とつく中では最高位である。




昔は大国、上国、中国、小国とランクがあり上総の国はその中でも大国クラスでこれの守を任命されるということはこの戦国大名の中でも頭が一つ出るということだ。




ついでの話だが守がその国の責任者でありその次に言われるが上総介とかなる。これで有名なのは織田信長であろう。




だから自分が求めているのは実はかなり良いものを求めていた、正四位下でありここに入ると殿上人と呼ばれることになり大体人数は百人ぐらいにいる中に入ることになる。




つまり朝廷の中でも偉い身分になるのだ。でもいきなりは無理だろうなと思っていたけど少しは良いのが貰えるかなと思っていたら朝廷はそれを受け入れてくれたのであった。




貰えてとても嬉しいけどそれ以上に驚きを隠せないでいたら実はこの時代、どこも献上金を出さずにずっと困っていたらしくそれで自分が遠くからこのような大金を持ってきたことに非常に感動したらしい。




それにここまで朝廷をよく考えてくれる勢力が安定すれば朝廷も安定につながると考えたらしい。そのために要求を受け入れて自分を正式に上総守に任命をしたのであった。




でもこれはとても嬉しいことだ、ここまで身分が良くなればいろいろと動きやすくなる。でも朝廷の言うことは聞かないといけなくなるけどそれでもかなり嬉しい。自称と正式では意味が違うからね。




実はここで秘策のために金塊を隠し持ってきていた、交渉のためと思って出してはいなかったけどここで朝廷に少しでも良いイメージを持ってもらうために金塊を取り出してそれも献上をした。




これを見ては朝廷の者たちは嬉しさで涙を流していた。ようやく朝廷のことを考えて救ってくれる武士が出てきたことに。




その後は朝廷を後にしてまたいずれ献上金をもって参上をいたしますと言って朝廷を後にした。それで今度は幕府に挨拶しようとした。




献上金は四千貫ぐらいであるが大丈夫だろうと思い幕府に向かって行った。すると意外にもすんなりと将軍とあいさつで来た。




この時代は足利義晴と言ってあの有名な剣豪将軍の前の将軍であり実は将軍の中でも任期期間が長かったのである。一番長いのは四代目でその次が三代目そして今は十二代目で任期は25年間と人間五十年と言われていた時代の半分ぐらいはやっており意外にもすごい人でもある。




「よくぞ、この場所まで来たな真里谷信政と言ったか。この度、足利家に対する行動、大義である」




やはり幕府もお金がないのか四千貫を献上すると喜んでいた、ついでになんで足利義晴が幕府と言わないのかと言うとそもそも幕府という言葉ができたのは江戸時代でありこの時代にはない言葉である。




それをもしそれを話している人物がいれば間違いなく未来からやってきた者だけだろうな、だから自分は幕府という言葉を一切口に出していない。もしかしたら自分以外にも同じ境遇に置かれている人がいるかもしれないから。




そうなるとやはりだまし討ちと言うか未来を知らないふりをしておかなければならない、そうすれば相手は油断をする。その隙で勝利を頂くと言う考えである、とりあえず今はそれを置いといて幕府からこちらから何も言っていないのに上総守護を任命された。




良いのですかと思っていたけど今は実力主義になっているからこれぐらいしかお礼をすることができないと言ってむしろ申し訳なさそうにしていた。




いやいや、自分はとても助かりますから西国は確かに問題はないと思いますけど東国では後に幕府に忠誠を従う越後の龍が出てきますからこれは大いに役に立ちますから。




これさえあれば少なくても謙信は上総の国に侵攻はしてこないだろうし謙信によって滅ぼされる運命は無くなりますから助かりますと思いながら頭を下げて感謝をしていた。




とうとう幕府からも朝廷からも正式に上総の主と認めてもらった以上、さらなる勢力拡大をしなければならないと考えていた。となると人材が欲しいよなと思いながら京の都を後にして帰路についていた。




山城から近江、美濃、そして尾張の国までたどり着いていた。それにしても尾張の国はやはり交通的にも栄える場所だよなと思いながら見ていた。




今は信長の父が有力な勢力を持っていたよなと思いながら歩いていると一人の少年が元気よく川で遊んでいるのを目撃をした。やはり子供は元気が一番だよなと思いながら見ていた。




それにしても格好も他とは違くいろいろと周りとは違うなと思いながら見ているとどこからか少年を狙っている刺客なのか見えた、自分はまずいと思い背後から少年を襲おうとしている刺客を背後から斬り殺した。




全く、子供の命を狙うとは自分の領国では良くて追放、基本的に斬り殺されるぞと思いながら少年よ無事と聞くと少年はお前こそなかなかやるじゃないかと元気そうで良かったと思っていた。




そうすると少年はもしどこも仕えていないのであれば俺に仕えてみないかと言われた。一応、こう見えて上総の国を中心とした大名とは言えないのでもうすでに仕えていますから申し訳ありませんと返答をした。




すると少年はそうかと言って落ち込んでいた、どうやら気に入られてしまったらしい。けれども許してくれ自分は大名家なのだと思いながら見ていると少年が自己紹介をしてくれた。




「でもお礼は言わせてくれ、俺は織田吉法師と言うだ。お前は何というのだ」






・・・・・えーーーー、織田吉法師って後の織田信長じゃないですか。嘘でしょう、確かに史実通りにかなりのイケメンになると思うぐらいにカッコいいけどマジですか。それにしても歴史通りにうつけみたいな姿をしているなと思っていた。




でもいろんなことを若いころから経験をすると言うのは悪いことではないむしろ、失敗が起きてもそれは失敗は成功の基という言葉もあるとおりに改善をして行けば別に大したことはない。




だからこそ若いころからここまで行動をして学んでいるのを見て間違いなく英傑になる人物だなと改めてそう感じていた。




天文13年、西暦1544年。のちの織田信長と真里谷信政が初めて対面した瞬間であった。




この時、織田信長、僅か10歳  一方、真里谷信政、17歳




自分は初めて後の時代まで影響を与えることになる人物と出会いを果たすのだった。

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