第14話、家臣がまた増えました、そして北条家

内政をして平和に暮らしていた、ここまで大きくなると下手に攻撃ができないと周辺国がそう思い攻撃などはしてこなかった。その間にも千葉家からどんどん民たちがこちらに頼って逃げて来ていたので受け入れて。




そして無人となった土地を奪い領土を少しづつであるが広げていた。内政をしてそして国力も増やせる、全く最高だなと思っていた。




そんなことをして一年間が過ぎたある日に父上から家督を譲られたのである。いやいや、まだ17歳ですよ、若造すぎるのでどうかまだ頑張ってくださいとお願いをした。




けれども父上はお前はすでに私よりも優秀なのだ、お前が家督を継いだ方がいろいろと動きやすいだろうと言われて父上はそうしてご隠居をなされた。自分はこんな年で家督を継いでやって行けるのかと思いながらも父上の期待を裏切らないようにするためにも頑張ろうと決意を固めるのであった。




そして真里谷家の石高は上総の国で本来の歴史ならば約38万石であるが新田などの開拓もあり約43万石になっている。すなわち自分が知っている歴史よりも五万石増やしている。




そして安房の国は約5万石になっている、元の歴史より五千石ほど増やした。最後に支配している地域での下総では約19万石である。合計で約67万石の大名家に成長をした。




確かに大きくなっているが実は常陸の国だけでも53万石ぐらいになるから万が一に佐竹家が常陸の国を完全に支配をしただけでもかなりいい勝負になるのである。




だから余裕ではない、それでも人材で太田康資、真田幸隆、工藤昌秀、滝川一益などの有名武将が集まって人材のほうでは問題はないと言いたいけど実は不足しているのだ。




実はと言うより昔に里見氏に故郷を追い出されたときに家臣がほとんど里見氏に着いたせいで古参家臣と言うのがいないのだ。




父上に付き従った家臣はほとんどいなかったぐらいだし、そう考えると良くここまで勢力を伸ばせたよなと思うのであった。けれどもほかにも有能武将が欲しい、特に戦闘ができる武将が欲しいと思い真田幸隆に相談をしてみた。




すると実はこの地に来ているので仕えるように説得をして行きますかと言ってきたので是非ともお願いしますと言ってしばらくするととんでもない人を連れてきたのであった。




それは中年男性であり体中に傷がありどう見ても歴戦の勇士です、ありがとうございますと思っていると中年男性が話をしたのである。




「この度は真田殿に言われて参上しました、原虎胤と申す。上総の龍が拙者に会いたいと聞いてまいりました」




・・・夜叉美濃が出たーーー、マジで強い人じゃないですか。だってこの人のことを知っているけどマジで漢の中の漢と言う性格もしている上で強いと男ならば憧れる武将です。




と言うよりどうして夜叉美濃がここにいるの、まだこちらに来るのは後の時代のはずなのにと思っていた。すると事情を話してくれたのである。




それは原虎胤の旧主である武田信虎が息子であった、武田晴信に殺されたと言うのだ。それも重臣たちはみんな賛成してだれにも止めはしなくてむしろ積極的に参加をしていた。けれども原虎胤から見れば故郷を追い出されてその後に召し抱えてあげた恩がある主でありそのようなことをする晴信には絶対に仕えたくないと思い出奔をしたらしい。




なるほどこの世界では晴信のちの信玄は父親を追放ではなく殺害をしたということか。でも信玄であればありえるからな、この後にも実の息子も死に追いやるし。




けれどもその結果はこのような夜叉美濃を手放す結果になってしまった。後から見れば実に残念だよなと思っていた。けれども自分はこれは好機であった、ここで原虎胤を仕えさせることができれば前線で戦える人材が増えるということだ。




そうして自分はどれぐらいの石高が良いと聞くと原虎胤は石高はどれ位でも構いませんと言ってきたのである。その代わりにお願いを言ってきた。




現在、甲斐武田氏の当主である武田晴信に同盟をしないこと、もし敵対をしたら必ず先陣を命じること。この二つさえ守ってくれたらいくらでも良いと言ってきた。




本当に信玄のことが嫌いなのであろうと感じ取れた。けれどもそれぐらいの条件であれば全然構わない。だって正室がある諏訪姫はその信玄によって滅ぼされたのだ。絶対に味方になることはない。




その意味でも受け入れることにしたのである、ついでに信用をしてもらうために自分の正室はあの諏訪姫だということを教えたら原虎胤は誠ですかと言って驚いた顔をしていた。




その後に原虎胤は諏訪姫と出会って間違いないと言って確信をしたら真面目な顔をしてこれから殿と仕えさせていただきますと言って新しく猛将、原虎胤を家臣に加えることができたのである。




ついでに言うと元々原虎胤は下総国の出身者なのである意味では帰巣と言うべきかもしれないなと思っていた。




でもともあれ家臣が増えて翌年に起きるであろう川越の夜戦に・・・と思っていたけど確か、原虎胤さんって北条家といろいろと問題があったような気がする。忘れてしまったけど連れて行くのは危ないと考えた。




それでもし川越の夜戦が起きそうになったら自ら援軍に向かって原虎胤さんには下総の国でも攻略をお願いをしようかな。




それと北条家とはこれからも仲良くをして行きたいからどうすれば良いのだろうな。川越の夜戦で味方をすれば信用をしてくれるだろうか。少なくても向こうから敵対行動はしてこなくなるだろうけど。




本当に北条家とは争いをしたくはないけど万が一北条家と争いになっても家臣たちは喜びそうで困る。だって原虎胤さんも含めた自分が集めた家臣団はすべて歴史を見れば分かるが北条家のことをよく思っていない。




特に太田、真田、滝川はまずい、むしろ北条家を潰すべきですと言うこともあり危険すぎて困る。工藤昌秀も反対をしないし原虎胤も反対はしないだろう。




我ながら良くここまで北条家が嫌いな武将を集めたよなと思っていた。父上も恩があるからと言って敵対はしていなかっただけで北条家のことは好きではないらしい。




そう、真里谷家で北条家と良い関係を築いていきたいと思っているのは自分だけなのである。マジで困ります、味方はいないのですかと思うばかりで諏訪姫もお世辞に北条家が良いと思っていない。




まさに四面楚歌状態、どうしてここまで北条家のことが嫌いなのであろうか。父上からもお前の欠点は北条家のことを良く思っていることだけだと言われるぐらいである。




このままだとまずいと感じていたけど北条家と戦いが起きても家臣たちはみんな喜びそうでどうしようもない。民にとても優しい大名家なのに、前世で一番好きな大名家なのにと思っていた。




ついでにどれぐらい好きかと言うと北条家が天下を取ると言ったら迷いもなく手助けをするぐらいに大好きである。特に三代目である北条氏康は大好きです、大名家でなくて普通の浪人だったら迷いもなく北条家に仕官に向かうぐらい。




何とか北条家と争いをしないで済む方法を考えないといけないと考えていた。そうすれば大国同士で平和を作れると思うしと思いながら。






一方、そのころ北条家では最近になり真里谷家が急速に勢力を拡大をしているのを見て話し合いをしていた。そして最近になり原虎胤が真里谷家の家臣になったと情報が入りとある武将が氏康の前で堂々として話した。




「殿、我が仇である。原虎胤を家臣に迎えた、そして信濃の諏訪家の姫と結婚したことを考えると我ら北条家との戦いに備えていると思います。真里谷家は被害と言える被害も出さずに勢力を拡大をしています」




それを聞いて氏康はため息をついて考えていた。確かに真里谷家は今では北条と並ぶ・・・いや、下手にすれば北条以上に力を持ってしまった。それも僅か六年と言う月日で成し遂げたのだ。




我ら北条家はここまでなるのに初代から今では三代目になり伸ばした勢力と同じかそれ以上になり氏康自身も真里谷家を良く思っていなかったがけれども真里谷家、当主となった信政からは毎月のように手紙が来てこちらのことをよく思ってくれていた。




それも向こうの領土に戻って来てから欠かさずに書いてきていた、最初は可愛らしいと思っていたがもしかしてこれは油断をさせるための行動だったのではないかと思い始めた。




彼は若くして戦場で活躍をして今まで出た戦場では負けたことがないのだ。彼が北条家に機嫌を取っていたのは大きな後ろ盾が欲しかったからではないか。けれども真里谷家は大きくなりそれはいらないはず、そうなると考えられるのは・・・油断。




こちらが油断をするのを待っているのではないかと考え始めた。北条家の周りには多くの敵がいる。上杉、今川、武田と強敵たちに包囲をされている。その中で友好な態度を示して油断をしたところで攻めるつもりではないか。




真里谷信政は謀略に優れていると聞いている、これもその謀略ではないかと思っていた。それに最近になり軍備を強化をしているのも怪しい、まるでこちらに攻める準備をしているように見えた。




だが、向こうが完全に黒だと言う証拠がない限りはこの関係を継続をさせなければならない。真里谷家まで敵対をしたら北条家は滅亡をしてしまうから。




今は耐えて・・・好機を待つのみと思って氏康は考えて真里谷家は警戒をするようにしてから草に調べさせることにしたのであった。



そしてその頃、真里谷信政は正史の織田信長と同じ・・・いや、それ以上の失態を犯そうとしていたのだけど残念なことにそのことを誰にも伝えなかった為に止めてくれるものは誰もいなかった。

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