第11話、諏訪姫と信政
彼女は信濃の豪族、諏訪氏の姫でみんなからは諏訪姫と呼ばれていたがその髪の毛の異様さでみんなから嫌われていたみたいでありほとんど外に出ることは許されずに幽閉されている状態が長く続いていた。
そんなある日に諏訪大社からお主には陰陽術の才能があると言われて諏訪大社に仕えるように言われて諏訪姫はそこに仕えるようになった。そこでは巫女の仕事や陰陽術の修行などをして過ごしていたある日に突如同盟を裏切った武田家が攻めてきて諏訪姫の父はもちろん一族皆殺しにされていた。
もちろん諏訪姫も他人事ではない、しばらくして武田の兵が諏訪大社まで攻め寄せてきたのである。この時に諏訪姫は神様に祈りを捧げてどうかどうかお助けくださいと祈りを捧げていると、どこからかわかりましたと聞こえ、目を開けてみるとそこには明るい光以外何も見えない場所にいて自分自身も分からなかったらしい。
けれども神様がきっと助けてくれたのであろうと思い何も疑わずに信用したのだった。そうしてどうしたいかと聞かれたので、自分のことを受け入れる人のところに行きたいですとお願いをしたらこの場所に着いたと言うのだ。
どうも余りにも現実から離れている話であり、嘘だと言いたいけどこの目で目の前にいないはずの諏訪姫が出てきたのだから信じるしかなかった。それにしてもこの世界でも武田は諏訪氏を裏切ったのか。本当に武田氏は約束を破るよな、これには息子から嫌われてもしょうがない。
仮に自分が武田信玄の息子ならば迷いもなく信玄を追放をする。それぐらいに武田信玄を信用をしていない、本当に虎みたいな人物で関わりたくはない。仮にこの世界でも信玄の嫡男が信玄を追放をしようとしたら手助けをするぐらいだ。
それに比べたら上杉謙信はまだ信用できる人物である、弱きものを助けを求めてきたら応じるからまだ理解ができる。でもこちらには来ないでください、真面目に強いから困るのですと思っていた。
でもここまで歴史通りに進むとまだ知識は完全に死んでいないということが証明されて良かったと思っていた。それで改めて諏訪姫に自分みたいな夫で良いかと聞いてみると
「むしろ私こそ、このような姿をしているから聞きたいぐらいです。私は側室でも妾でも良いですからどうか・・・どうか、愛してください」
自分はそんな風にしてお願いをしている諏訪姫を抱きしめて大丈夫だ、そんなことを言わなくてもお前を愛して見せるからと言うばかりに抱きしめた。すると諏訪姫が真っ赤になりながら恥ずかしいですからその・・あの・と言ってきたので離してあげた。
諏訪姫が赤くなりこれもこれで可愛いなと思っていた。家臣たちはこれを見てまあ、とりあえず結婚することに成功したから良いのかなと見ていた。信政の父、信隆は息子は前から変わっていることは承知していたがこんなところでも変わっているのかと思いながら見ていた。
でもみんなが思うことはこれで心配の種は無くなって安心をしていたのだった。こうして翌日には正式に結婚式を挙げて正式に夫婦になった。それからは仕事が終えたら妻になった諏訪姫と過ごすことが多くなった。
まあ、当たり前と言えば当たり前なのであろうがそれでも諏訪姫は話しているだけでも楽しいらしい。本当に誰とも仲良くできなかったみたいで、どうして髪の色が違うだけでここまで差別されるのか。
現代に来れば間違いなくアイドルになれる。多分ものすごい数のファンができるだろうと思っていた。その中でも陰陽術を見せて貰った。本当に手品みたいで自分もできるようになるかと聞いてみると、あるお札を渡してくれた。
これを触ってみてほしいと言われたので触ってみると、白い紙は赤い色と点みたいな青が入っているお札に変わり、凄いと思いながら見ていた。
結果としては主に火属性が使え、かろうじて水も使えるようになるのかな? という判定であった。これは凄いのかと聞いてみると陰陽師は五種類の属性を使えて初めて一人前と言われているらしいと言ってから諏訪姫がその……と言い辛そうにしていた。自分は使える様になっても半人前ですか……と思ったが、使えるようになればいざと言う時に役立つかもしれないと思った。
だから諏訪姫に陰陽術の修行をしてくれないかとお願いをしてみたら素直に受け入れてくれた。もちろんすぐに使えるようにはならないがそれは承知である。
けれど属性が素直に火属性だから急な攻撃に使えるし、すぐに火計が実行できるからかなり嬉しい上に水もそこまで強くないかもしれないけど、万が一火縄銃を使ってくる相手に水を掛けたら火縄銃を湿らせて使い物にならなくさせることが可能だ。
本当にそれだけでも覚える価値はあると思っていた、もちろんそれ以外の面でも諏訪姫と付き合って仲良くしていた。諏訪姫と一緒に寝ていたのだが、私はあんまり魅力は無いのと聞かれる。
自分はまだ諏訪姫が12歳なので手出しする訳にはいかないと思っていたが、向こうは自分が一向に手出ししてこないので心配をしていた。いくら夫婦になったからと言って12歳に手を出すのはまずい、胸はすでに12歳と思えない大きさだけど。
でも仲良くなってから一年は最低、彼女として付き合ってからと思っていた。その間にも内政はしっかりとやっており国力がかなり上がり、逆に里見氏は勢力としてかなり衰退していた。
家臣である真田幸隆も、もう少し弱ったら大軍を率いて攻めればほとんど戦わずにして勝利を得ることができるでしょうと言っていたので、更にここから一年間を待って過ごしていた。そしてある日、里見氏に仕える家臣がこちらに寝返りをしたいと言ってきたので、裏がないかを調べてからすぐ父上に報告した。
「父上、とうとうこの日がやって参りました。この戦いに勝てば上総の国は統一はもちろんですが安房の国も手に入れることができます。吉報をお待ちしてください、必ずや勝利をして見せます」
自分はそう父上にそう宣言をして、出陣の支度の準備を終える。この時竹丸も戦場に向かいたいですと言ってきたが、危ないから城で待っていてくれと頼んだが、それでも行きたいですと言ってきたので自分はならば自分の近くから離れないという約束をしてくれるのであれば認めるというと、喜んでついてきた。
全く、戦いは遊びではないのに……でも今回は油断さえしなければ勝てる戦いだ。経験を積もらせるにはいい機会かもしれないと考えて、自分は長年の因縁の相手である里見氏との決着をつけるべく城から出陣した。里見よ、これで最後にするぞと思いながら敵の本拠地、安房の国に向かって行くのだった。
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