第10話、嫌だ嫌だ、人生の墓場に行きたくはないーー

真田幸隆を家臣に加えて人材が増えて領国内で一年間、仕事をして余裕が出て来て休める時間ができたので自分は真田幸隆を釣りに誘ってみることにした。そこならば話せなかったことも話せるだろうしと思って誘ってみると大丈夫ですと言ってきたので自分と真田幸隆は近くの川で釣りをしながら話し合いをしていた。




「そう言えばさ、幸隆さんは故郷が恋しいの。暇があるといつも信濃がある方角を見ているから少し気になっているのだけど」




「分かりましたか、私は故郷が一番好きなところですから。できることであれば故郷に戻りたいです、けれどもそれは叶うことはないでしょう」




諦めた顔をしてそう話していたけど確か甲斐武田氏と村上氏が争いが起きて甲斐武田氏は負け続きをするからそこにこの真田幸隆が来て村上氏を倒すはずだったからその時にはやはりここから立ち去ってしまうのかな。




でも故郷に戻りたいと言って止める理由がない、やはり故郷とはそのようなところだからその時にはせめて笑顔で見送ってあげたいと思っていた。それにこの国に来たのも何でここまで栄えるようになったのかを知りたいためでもあろうな。でもないと上杉や長野氏に向かうはずなのに。




今後、敵になっても今は味方であるからと思っていると釣り糸が水中に引っ張られて魚が食いつたと思って魚を引き上げると大きな魚が釣れた。それを見て喜んでいた、真田幸隆もこれほどの大きさは珍しいですなと関心をしていた。




釣れた魚を自分は真田幸隆に差し上げたのである、もちろん理由はお腹いっぱいに食べさせてあげたいから・・・だって真田幸隆の妻がただいま妊娠をしているからその子のためにもと思ってあげた。




今は確か西暦だと1542年に当たるから確か生まれてくる子供は後に真田昌輝になる人物になる。本当に真田家は有能な人材ばかりで良いよなと思っていると真田幸隆が自分に対して説教をするかのようにお願いをしてきた。




「そう言えば殿、そろそろお見合いの相手は決まりましたか。殿も年が15歳になったのですぞ。正室ぐらいは持ってください。万が一の時が来ましたらどうするつもりですか」




いつもの説教タイムが来ました、ここに仕官してからいつも言われております。子孫を残すことも武士としての役目ですぞと言われている。そうかもしれないけどやはりそう簡単に決まらないと言うか勝手に決められそうになった時には腹痛をして中断させたり病気になったふりもした。




だって人生の墓場に行きたくはない、少なくてもこの年では絶対に行きたくはない。もう少し独身でいて二十代後半になぅてから考えるからと思っていたけど早く安心したいのか催促がいつも来るのでいつも誤魔化している。




けれどもいつまでもそうはできない。父上にも言われているが、他からも早く結婚をしてくれと言われると思うとため息をつく。




そんなある日に上総の国にある神社からお告げがあったみたいなのである。それは今宵、その神社にて自分の運命の女性が天から出現すると言うのだ。それを聞いた時には笑いそうになった、だって現実的に考えてあり得ない話じゃないですか。




そんなことはないと思っていたのでこれは当分の間、結婚しろとうるさく言われないように済むかもしれないと思いでならば自分はこう宣言をしました。それは天から現れた天女を自分の妻に迎え入れると約束をした。




それを聞いた家臣たちや父上が喜んでいた、本当にそんなことが起きる物か。ないないだから余裕ですよ。後は天から降りてきたことを証明するために近くにその時は女性は近づかないように命令をさせた。




そして万が一現れなかった時には今はまだ早いと判断をして先延ばしをしようとしていた。我ながらなかなか良い作戦だと思う。これで失敗はないはずだ、そんなアニメみたいな展開が起きるはずがないと思いながら天からのお告げがあった神社のところに来ていた。




やはり何もないだろうと思いながら待っていた、外で待っていないといけないので少し退屈であったがそれで家臣たちや父上たちが納得してくれると考えれば行動はする価値はあった。




それにしてもどうして神主さんはそんなお告げを聞いたのであろうか、自分が結婚しないから誰からか依頼をされたのかと思っていた。そうなると神主さんも大変なのだなと感じていた。そうして約束の時間を過ぎようとしてもう大丈夫だろうと思っていた。




神様、ありがとうございます。こうして自分はまだ自由な時間を作れそうです、感謝をいたしますと思って天を見上げた瞬間に神社の真上から巨大な光が現れてその光が神社の中へと消えていった。




それを見た自分は嘘でしょ!? と思いながら見ていた。いやいや、そんな展開がありますか。いや、そうじゃないたまたま流れ星が流れてそれが神社の中に入って行くように見えただけできっと間違いだ。




そうだ、仕事で自分は目を疲れているだけなのだと必死に言い聞かせた、けれども神主さんが扉を開けるとそこには女性と言うより少女の姿があった。それを見た家臣たちや父上はおーと声をあげていた。




聞いた自分はすぐに天に向かって神、マジでふざけるな。人生の墓場に行かせやがってと心の中で中指を立てていた。まだ姿を見ていないが父上や家臣たちがこれはかなりの美人だがこれはと言っていたけどまだ姿からして少女でしょう。




自分はロリコンではないですから全くと思いながらでもその点から降りてきたのかわからないが付き合ってしまう彼女には少し同情をした。そう思うと少しでも話しておかないといけないと思い自分は少女がいる方角に視線を向いた。




そこにいたのは長い髪に地毛が緑色をして着物を着ている美少女がいた。それを見た瞬間に今までにない感情が出てきたそれは自分自身も分からなかったがとりあえず自分はすぐにその美少女がいる方向に向かって走り出した。




「君は天から舞い降りた天女かな、自分はこの地を治めている真里谷家の嫡男、真里谷信政と言うんだけど君は何というのかな」




思わずに自己紹介をしてしまった、でもしょうがない。余りにも可愛いから、昔、前世で可愛いのは正義と言っていた人の気持ちがここにきてようやく理解をした。




これは確かに正義ですな、それにしてもみんなはかなりこの美少女から引いているけどどうしてなのであろうかと思っていると、美少女が自分に対して気持ち悪くないのですか、このような髪の色でと聞いてきたので自分は全然気にしていない。




むしろ、黒髪にはない魅力があるからむしろ好都合。でも確かにこの時代では危険だとか妖怪になっているとか言われるかもしれないと思うのだっただからみんなが引いていたのかと理解をしたけど自分はみんなの前で




「この者がほかの者と違う髪色をしても自分は神に対して誓いをした以上この子を妻に迎え入れる。君は苦労するかもしれないけど良いかな」




「私なんかで良いのですか……だって緑色で気持ち悪くはないのですか本当に」




そう言いながら少し怯えているように見えた、なので、安心してもらうために彼女の髪の毛を手に取り、とても美しいではないかと言葉を返すのであった。




そうしたらその美少女がこちらに向かって嬉しくて抱き着いてきたのだがその時にわかったのだがこの子、見た目以上に胸があるじゃないか。と言うか、恥ずかしいからどうかやめてほしいと思いと良いぞその調子だと思いがあった。




ただ言えることは神様、最高の墓場をくれてありがとうございます。その後に冷静になって考えてみれば我ながらひどい掌返しだったなと思うのであった。




ついでに名前はあるのかと聞いてみるとみんなからは諏訪姫と呼ばれていましたと返事をくれた。諏訪姫って・・・あの信濃の諏訪姫。




ちょっと待ってどうしてここにいるのと言うより天から現れたのと思いがあったので聞いてみることにした。そうすると諏訪姫もどうしてここにいるのかはわかりませんがその前に何が起きたのかを話しますと言って話を始めてくれたのであった。

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