第7話、やはり、里見氏であったか!

それからさらに一年の月日が流れた、国内はとても豊かになりすでに周辺の国でこれほど豊かな場所は北条を除いてほかはなかった。それぐらいに豊かな国になり更に領土も戦わずに拡大にすることに成功して上総の北は完全に真里谷家のものになって上総は真里谷家、里見家の二勢力のみとなった。




だいぶ対抗できるようになってきたなと思いながら過ごしていた、そして父上には里見家もしくは周辺の国が何かしらのことをしてくると思いますと伝えてある。




内容はこちらを弱体化させる裏工作をしてくると伝えてあるので仲間割れはこの一族、本当にやりやすいので警戒をしてくださいと伝えていた。




そんなある日に父上から二人で話をしたいと言われたので自分は父上が言われるままに向かってみると父上が真剣な表情でこちらを見てきて実は父上の近くに仕えている家臣から真里谷信茂が謀反を企んでいますと伝えてきたのだと話してくれた。




それを聞いた自分はやはり来ましたかと思いながら聞いていた。この内紛に関してはあんまり記載が残っていないが出来事自体はあったので記載されている程度でどこまでが本当かは分からなかったけどやはりここは本当なのだなと思って聞いていた。




けれどこの謀反は嘘の可能性が非常に高い、なぜならば今は真里谷家はかなり勢いもありそれに豊かにもなって不満はないはず。




それなのに謀反は可笑しい、そうなるとこの噂は嘘でありおそらく里見氏もしくは千葉氏などの裏工作なのであろう。そしてその家臣は何かしらで買収されてそう父上に助言をしているのだなと思い素直に考えていたことを話すとやはりそうかと言ってきた。




父上も豊かになり不満は全くないぐらいに好調なはずで謀反は考えにくいと思っていたけど信用できる家臣から言われたので迷っていたらしい。でも自分の言葉を聞いて考えはまとまったらしい。




その後、父上はすぐに裏で手を引いている者を探し出し、裏で手を引いていたのはやはり里見氏であり成功した暁に城主にしてやろうと約束をしたらしい。




これで分かった父上は怒り心頭でその家臣を呼び寄せた、もちろんほかの重臣に自分も来ていた。そうしてその家臣が入ってくると頭を下げて礼儀をしようとしていたがここで父上が立ち上がり裏切り者の家臣に対して




「ふざけるのもいい加減にしろ、この裏切り者。お前が里見氏と裏で繋がっていることを知らないと思っていたのか」




怒鳴り声みたいな声でそう話した、家臣は違いますと何かの陰謀ですと必死に弁護をしていたがここで証拠をその家臣に向かって投げ飛ばした。それを見た家臣はみるみると顔色が悪くなり言い逃れようもない様になっていた。




それを見た父上はその家臣の首を刎ねるようにほかの家臣に伝えた、すると家臣は謝って命だけは助けてくださいとお願いをした。けれども父上は殺そうとしたのでここで自分が父上に対してあるお願いをした。




「父上、ここは自分が引き受けても良いでしょうか。少しあの者にお願いをしたいことがあるのです。どうか、可愛い息子の頼みを聞いてくれないでしょうか」




「うーん、お前がそのようなことを言う時には何かしらの考えがあるのだな。わかった、この度はお前に任せてみることにしよう」




「ありがとうございます、父上。それではそこの家臣さん、このままでは絶対に打ち首になりますけどまだ死にたくはないですよね」




それを聞くと頭を下げてその家臣ははいその通りですと泣きながら言ってきていた、全くと思いながらならば自分の願いを聞いてこの国から追放される、もしくはこの後すぐに打ち首になるか。どちらが良いですかと聞いてみると家臣はもちろん前者ですと返答をした。




すると家臣はその願い事は何でしょうかと聞いてきた、それは裏工作が成功して父上が真里谷信茂と争いを始めましたと伝えろと言うものであった。それを聞いた家臣はその意味は何でしょうかと聞いてきたので




「それを聞くとあなたは死ぬことになりますけどそれでも聞きたいのであれば教えてあげますよ。構いませんか、構わないと言うのでしたら返事をしてください」




そう言うと素直にはい、わかりましたと言って頭を下げて従うことにした。これを見ていた父上は自分が何をしたいか理解をしたのか、笑っていた。




それを見て父上に向かってでは準備をしましょうと言うと父上はそうだなと返答をした。自分はではこれで失礼しますと言ってすぐに準備を始めた、それは真里谷信茂に対してこれからの計画内容を伝えるためにこれから真里谷信茂に向かう商人にこれを届けてほしいとなかなか良さそうな刀を輸送してくれるようにお願いをした。




もちろんお金は取られたけどしてくれるみたいである、ついでに刀はどうでもよくて本当はその鞘の中に手紙を入れていた。これからする行動、そしてその意味を書いた手紙を入れていた。




真里谷家でもし隠し事を伝えるときには刀を送って鞘の中に入れると言うのが手段となっていた。もちろん真里谷以外には誰にも教えていない。




だから他から見れば刀を送るだけで見るが実はと言うものである。これも自分が考えたことでありこれは父上に高い評価を貰って実行されたものであった。




だから自分の配下である、竹丸にもこれには教えていない。でも戦い方は教えているけどそれにしてもどんどん強くなって非常に嬉しい限りだ。将来が楽しみでしょうがない。興味深い話では父上から聞いた話だが強さと言うと実はこの世界に陰陽術があるみたいである。




マジかと思いで聞いていた、それは是非とも使える人物を見つけたい。そして何か使えるようにもなりたいと思っていたが父上の話では陰陽術を使えるのは日ノ本に百人いるかどうかだから難しいだろうと言われた。




そうか、ならば人生で一度会えるかどうかだなと思いながら落ち込むのだった。それとこの世界が元の世界に近そうに見えるがそうでもなさそうだなと改めてそう感じるのであった。そのために己の知識も近いうちに使い物にならなくなるだろうと感じ始めていた。




その時に自分はこの戦国時代を生きられるだろうか。いや、今はそれを心配する時ではない。今はこれを成功して里見氏の勢力を大きく削るためにも余計なことは考えずにただひたすらに行動あるのみと思い準備に励むのであった。

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