第6話、内政は国の源
先ほどの戦いで北条側の勝利に終えた、自分たちは元の領地に戻ってくることができたのだがやはり上総の南は里見氏に占領をされてしまった。
でも本来の歴史とは違く多くの代償を払って手に入れたからすぐには攻めてくることはないだろう。だからまずは富国強兵をしなければならないと思いで北条氏の領土で手に入れた物などを持ってきてそこでまずは自国の領地で開拓、そして城下町を栄えさせるようにした。
そうなると楽市楽座をしたいところであるがそれをするといろいろと問題が発生するのだ、まず一番の問題はお寺たちである、この時代のお寺の勢力は本当に油断ができないほど強い。
信長の天下が取れなかったのもお寺の勢力、本願寺のせいとも言えるほどであるから。だから完全に楽市楽座は行うことはできないので自分はまずはお寺の者たちを集めて話し合いをしたのである。
それは一度、この真里谷家にすべてのお金を集めてから寺にお金を献上をすると言う案を出した、もちろん中には反対する坊さんもいたのでこの時代では知識がある者たちなので知識で説得をした。
「気持ちはわかります、ですがこれは一種の投資だと思ってください。より多くのお金を得るために投資をすると思ってください。孫子の兵法書にも書かれていますが最初のうちはお金はかかる物であるとけれどもその投資が2倍、もしかしたら10倍になるかもしれないのです。そのためにも誰でもできる、商人から直接、座や寺に納めなくてもいい様にしたいのです。決してお寺を潰そうとかいたしません。ですからどうか、どうかお願いできませんか」
聞いた坊さんたちは渋々と承諾をしてくれたのであった。それを聞いた自分は頭を下げて感謝の想いを伝えたのだった。そうして正式に認めてくれたので城下町で自由に商いをしていい条例を出した。
そして売り上げが良い時には税金を納めてもし売り上げがとても低い時は税金を納めなくても構わないと条例を出した。もちろん、嘘をついたりしたら売り上げをすべて没収すると書いてもある。
しかし、直接に座やお寺などに納めなくても良いことになった真里谷家の城下町には多くの商人が集まって商いをしていた。本当に毎日が祭りのほうに賑わっていた。そうして半年も月日が過ぎるころには城に入ってくる税金が前に比べて数十倍に上がっていた。
自分はすぐに約束通りにお寺、神社たちに前よりも多くのお金を寄付した。すると反対していたものもいなくなりこの制度は受け入れられた。
もちろん農業にも力を加えていた、まずは農地に出来る場所があるのにやっていない場所を開拓するようにするために政策を出したのである。もちろん現代の知識を使って治水の向上、農具の向上などもした。
一番は治水かな、自分は川に多くの石と木に網などを組み合わせた物を使い川に設置していた。その意味は川から流れてくる石や砂などを集めて自然に堤を作る物である。時間は少しかかるけど自然には自然と言うべきだろう。
無理やり人の手で作り出しても限界がある、それよりもより自然に作られた堤のほうが長く持つと言う理由で採用をした。
それは新田を開拓した者には三年間、年貢を納めなくても良い。三年後は三公七民で年貢を納めることにする。
もしより多くの新田を開拓して国に献上した者には敵を討ち取ったと同じ褒美を与える。
そう、積極的に新田を開拓してもらうためにこのようなことをしたいと父上に伝えるとそれはやりすぎのではないかと言われたけど父上に対して自分は
「これは新田を開拓して石高を高めるだけではありません、この噂を聞いて多くの民たちも真里谷家の勢力内に来るでしょう。そうなれば国力は自然と強くなります、それにこちらの民が増えるということは周辺の民は少なくなることになります、何を言いたいかわかりますか」
それをきいて父上である、信隆はしばらく考えてからまさかと言う顔になって自分のほうを見て答えるのだった。
「民はいなくなればその土地は無価値になる、そうなるとその土地を守る武士もいなくなるのだろう。そこに無人となった土地に我々が占領して流民たちをそこに移住させる。そして新田などを開発してもらって更に・・・我々は戦わずにして勝つ・・お前が我が子で良かった」
「ありがとうございます、父上。そうです、孫子の兵法にも書いてありますが戦わずにして勝利は最高の勝利なのです。こちらは被害もせずに国力を高めることができるのです」
理解をしてくれた父上はすぐに実行するように言われたので自分はすぐに行動を開始した。そして一年が経過した時にもう開拓する場所がないぐらいに新田が増えていた。石高も前の二倍以上に増えた。
そして近くに無人状態になった地域を占領をした。万喜城などであり、ここは元々近くにある酒井氏が治めていたけど国の経営がうまく行かずにこちらにどんどん民が流れてきたせいで民がいなくなり下総の千葉氏を頼って逃げてしまった。
そこを我々がありがたく頂き、流民たちをそこに移住をさせていた。もちろんすぐに年貢は期待できないけど多くのお米が出来ればそれだけ物資が増える、それが城下町で商いされる。
我々はもうかったお金でお米を購入できる、そして蓄えに飢餓に苦しんでいる難民たちをあげて我が国の民にする。この噂が流れたらより多くの流民がこちらに来るだろう。
幸いなことに城下町では商人たちが集まって商いをしているので各地に嫌でもうわさが広まる、更に民を増えて国力が増す、そして近くにある無人の地域を奪い、勢力を伸ばす。
これも戦いの一種だ、今は戦国で飢餓などにも苦しんでいるから余計にこれが効果が出てくる。だから無理に戦いはせずに確実に領土を広げる。
戦いで広げるときは人材が集まってからしたいかなと思うのだった。でもこの時代で有名な武将はほとんどいないからな。人材を集めるのにも苦労はしそうだなと思いながら次の手を考えていた。
それは万が一、戦いになってもいい様に火縄銃の量産を始めていたのである。ついでにこれを作る物には報酬に年貢や税金を納めなくても構わないと言っているから自信がある職人たちはこればかりを作ってもらっている。
お金はだいぶこの時代では安く作れているけど高いですよ・・・まあ、そのためにお金があるのですけど。そうも思いながらも朝廷と幕府に献上金を作るために自分は今日も節約生活をするのだった。
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