第5話、久留里城と言う巨大な罠
そうして考えがまとまり自分は父上がいる部屋に来ていた、自分がよほどの顔をしていたのか真剣に話を聞いてくれたのである。おそらく父上は何事かと思いながら聞いていることだろう。僕はその辺を素直に話すことにした。
「父上、実は話したいことがありまして参りました。まもなくだと思いますが我々が元の領地に帰ることになるだろう戦が始まると思います」
「お主もそう思っていたのか、実は父もそう思っていたぞ。それでお主から見てこの戦いはどう見る」
そう言われたので自分はこの戦いに勝ち、元の領地に戻ることができますが上総の南側はこのままでは安房からくる火事場泥棒に取られてしまうと話した。すると父上は少し考えてなるほど確かにそうする可能性があるだろうと話した。
良かった、これでそれはないとか否定的なことを言われたら説得するのが苦労するから助かったと思っていたが父上が残念ながらそこまで回せる兵力はないからわかってもどうすることもできないと言ってきた。
やはりそうか、ならば一時的に里見氏に明け渡すことになるが・・・せめて一矢報いるために自分はある提案を出した。その内容を聞くと目を開いて驚いていた。
父上はお前はやはり天才だと言って驚いていた、別にそこまでの内容ではないのだけどでもこれで作戦に手伝ってもらえることになったので里見氏を打撃を与えることができる。たとえ領土が広がっても戦力が強化されることがない様にしてやる。
さて、それでは今から準備をしますかと思いながら始めるのだった。
それから数か月後、遂に第一次国府台合戦が始まったのだ、戦局は北条方が優勢で勝てるなと思いながら自分はあそこに向かっていた。それは今は自分たちの勢力に収めている久留里城を爆破させます。
中には多くの火薬、油などを入れて準備は満タンです、後は里見氏がそれに引っ掛かるだけですと思っていたら案の定に里見氏が好機だと言うばかりに攻めてきていた。
こちらは風魔の里で雇った忍びが三十人ぐらいなのでまずは見つからずに城まで通した。その中がこれから地獄に変わると知らずに里見勢は久留里城の中に入っていた。
無傷で城が手に入って城内から歓喜の声が上がってきたので自分は火をつけるように忍びに指示を出した。その瞬間、城の城壁が一瞬にして燃え広がった、伴って火薬などが引火して爆発を起こした。
城内から焦りの声と混乱の声が聞こえてきた、急いで火を消すようにと指示をしただろうが城内には水は残さずに油のみ残していたので逆効果になった、それでとうとう意地でも城壁を壊しても逃げるぞと言って何とか突破口を作ろうとしていた。
そこで川に比較的に近い城壁を壊し始めた、それを見ていた自分はそうだろうな。火から逃げるには水が一番良いからね・・・でも里見勢の皆さん、水も怖いって知っていますかと思いながら見ていた。
自分は忍びにでは川の上流にいる仲間にそろそろ準備をしてくださいとお願いして忍びは上流に向かって走り出した。自分たちも下手にすると危ないから山の上に上りますかと思い山を登り始めた。
もちろん里見勢にばれないように動いていた。まあ、敵は大混乱しているから見ている余裕はないと思うけどねと思いながらしていたらとうとう城壁を破壊できてそこから雪崩のように逃げ出し始めた。
まあ、生きるのに皆さん必死ですからしょうがないですよねと思いながら見ていた。そうして里見勢はやっとの思いで川にたどり着いて安堵をしていた。
本当にここまで逃げてきたのにとても悪いですけど次の策を発動をしているので・・・と思っていたら最高のタイミングで上流でせき止めていた堤防を決壊させて土も混ざって土石流みたいに流れ込んできた。
里見勢は必死に逃げようとしていたけど先ほど火から逃げるために体力を使い果たして逃げようとしていたけどほとんどの兵士たちが巻き込まれて九割以上の兵士たちが火と水で失った。
これを見た大将はこれ以上この場にいてもやられるだけだと言って残っている者たちを率いて逃げようとしていた。
けれども風魔の忍びたちはこんな美味しい残党狩りはほかにはないと考えたのか。追撃をしていいですかと聞いてきた。
自分は契約はここまでだからそこまでのお金は払うけど別に残党狩りは払うつもりはないからねと伝えたが相手が良いものを持っているので奪って売るつもりなのであろう。
連れてきた風魔の忍び、ほとんどが追撃を開始した。まあ、あそこまで弱っているのであれば行けるかもしれないけど流石だなと思いながら見ていた。残ったのは一人の忍びのみであなたは良いのと聞いてみると別に自分は素直に報酬をくれるだけで良いですからと返事をしていた。
それから戻ってみると歴史通りに第一次国府台合戦は北条側の勝利に終わっていた。父上にも火事場泥棒をしようとしていた里見家を完膚なきまでに叩きつけることに成功しましたと報告をした。
その後にわかったことであるが里見家が出してきた兵力は三千でそのうち二千七百は討ち死にして二百は重傷で残りの百も軽傷で無傷な者は誰もいなかったと言う。
我ながらよくやったと思っていた、そしてこの噂はすぐに広まった、まだ十一になったばかりの小僧が僅か草、三十人を率いて三千を破ったことがこの上総を中心に大きく広まったのであった。
そしてみんな、口をそろえて言うのであった。真里谷家に神童が現れた、上総の国はこの神童によって統一されると噂をされていた。いやいや、自分はそこまで優秀でないですから。
ただ、三国志演義で新野城の戦いを再現しただけですから本当にすごいのはこれを考えたあの孔明先生、本当にあなたの脳みそはどうなっているのですか。それとできれば今孔明にも会いたいなと思うのであった。
あれほどの人物を仲間にできるとは思えないけど・・・でもこれで当分の間、里見氏は黙るだろうし内政に集中できるけど・・・後は父上が家臣に騙されて内乱を起こさないように見張るだけだなと思いながら自分は内政のことを考え始めたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます