第4話、そろそろ故郷に帰りたい

数日後、北条親子は城の一室で話し合いをしていた、それは真里谷信政に関することである。彼の想像以上の力を感じて話し合いをしていた。すなわちこのまま彼を生かすべきか、もしくは殺すべきかと言う話し合いをしていた。




「父上、あの小童は我々が想像していた以上に出来る者になると思います。今から対策を考えておかなければなりません。父上はどう思いですか」




「そうだな、わしの考えはあの者をうまく仲間に引き入れるべきだと思う。仲間に迎えればあの者は信用に値する人物と見た。だから真里谷家には恩を売っておくことにする、それはともかく恩以上のことをして仲間を引き入れるには・・・」




そう考えて、頭をかしげながら考えていた、氏康も必死になって考えていた。あれほどの思い付きをしてそして商いにも長けている、また兵法にも詳しい。これだけでもすごいのにまだあの小童は隠しているように見えた。




もしかすると今までは別に見せても良い力の身しか見せていないで本当の力はまだ隠しているように見えるのだ。もし、その力が北条に向かってきたらと思うと恐ろしくなる、けれども殺すのは余りにも惜しい。




あの者を使いこなせば関東全域を支配できるのも夢ではない、それだけになって何をすれば釣り合うのかとばかり考えていた。氏康と氏綱はそう考えては何も思いつくことはなくそのまま話し合いを終えた。






そのころ真里谷信政はと言うと長槍を創り出してその戦術を考えていた。もちろん槍衾であるがこの時代にそこまでの仕組みはまだ完全に出来ていなかったのでどのようにしやるかと考えていた。




有名なところでは今川家の寄り親、寄り子と言うのが正しいかな。そうすればある程度の規模の組織を統率できるけど一万以上になるとそれが機能しなくなることもある。




有名な戦いではあの桶狭間の戦いがそうだろう、余りにも油断があり大軍のほとんどが油断していたせいで今川本隊のみ攻撃を受けて負けてしまった。




もちろんこれが悪い仕組みとは言っていない。こうすれば簡単に組織化しやすいけど寄り親が油断をするとその寄り子まで油断が広がるからそこが問題なのだ。




みんなが慎重を重ねていくような大将であれば問題はないがそうでもない限りは危険がある、でもどうすれば良いのかと思いながら近くにある大きな長槍を眺めていた。




その時に遠くからお兄ちゃんと言われたので振り返ってみるとそこには氏康の娘さんが僕のところに遊びに来ていた。




どうやら気に入られてしまったらしい、お供も連れて遊びに来ていたので自分はせっかく来たのだから遊んであげるかと思いで遊びに付き合っていた。




昔ながらの遊びはそこそこしていたからいろいろと教えてあげるか興味津々にやり始めていた。本当に楽しそうで良かったなと思いながら見ていた。




それで思い出したがこの娘さんはいつか早川殿と呼ばれる人物だったなとこの前思い出していた。でも早いとあと十年ぐらいで結婚をさせられるのかと思うと本当にこの時代は大変だなと思った。




好きでもない人どころかましては会ったこともない人のところに嫁いで行けないよな、そこで愛が生れたら奇跡だよ。まあ、有名なところではあの浅井長政とお市殿が有名かな。




本当に良い話だよなと思っているのにあの第六天魔王、マジで魔王かと思った。それでもあの有名な天下人三人の中では下手にすれば一番人を殺していないかもしれないからな。




圧倒的に殺しているのはあの猿、マジでお前だけは許さないからな。個人的に一番天下を取ってほしくない人である。この中で一番良いと思うのはやはり家康なのかな、苦労をしているからその分、良くなったのかもしれない。




けれども一番天下を取ってほしいなと思う所はやはり北条家かな、民に対してとても良い政治をしていたし人柄も悪くない、このような物が天下を取っていたらどうなっていたのであろうか。




出来れば北条家に天下を取らせてあげたいけど周りには今川義元、更に太原雪斎もいる駿河、甲斐の虎、武田信玄がいる甲斐、そして越後の龍と呼ばれている長尾景虎。もう周りが強すぎるだよな、援護をしてもあっという間に倒されそうで困る。




特に越後の龍、お前は本当に来るな。完全に一種の災害になっているから台風ではなくて越後の龍と言う名前の災害がくるから。大人しく越後を治めてください、戦いならば宿敵と呼べる信玄だけにしてください。




こちらに来ないで本当に勢力を伸ばしてもあの越後の龍という災害にすべて持って行かれることもあるから。だからその越後の龍と呼ばれる災害を防ぐには方法はただ一つ、それは幕府と朝廷にお金を献上をして正式にその勝ち取った場所を認めてもらうこと。




本当にあの越後の龍は幕府の命令に従うからその幕府から認めてもらったらこちらに災害は来ない、それに朝廷にも認めてもらったら誰にも文句は言われない。




そのためにもお金は集めておかないといけない、そう越後の龍と言う災害に遭わないためにも本当に関東地方で勢力を伸ばすのは大変、北条氏がどれだけすごいかよくわかるよ。




と言うかあの災害級を互角に戦う武田信玄も頭が可笑しいけど、同族は同族を呼ぶのかなと思った。




だってのちの家康が武田信玄と戦って逃げながら大便をしたことはあまりにも有名だからな、きっと死ぬほど怖かっただろうな。自分も真正面からあの武田家と戦いたくはない。




まあ、今は考えてもしょうがない。自分はそろそろ故郷に帰る準備をしないとな、歴史通りならばそろそろあの出来事が起きるはずだからそうあの第一次国府台合戦が起きようとしている。




そしてそれが結果的に里見氏を大きくさせてしまうことになるからここで自分は父上にお願いをして奪われてしまう、久留里城を守れる自信があるのであればそこで防衛線をしたいしもし守り切れないのであればその城は・・・無くしましょう。




ただし、それは里見氏を道連れにしてからそこで地盤を作れなくさせてからですけど・・・父上が認めてもらえるように頑張らないとなと思いながら自分は父上のところに後で向かおうと思うのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る