第20話 見てはいけないもの
学生時代、脱毛症のゼミ仲間がいました。彼女は自分の髪量が少ないことを気にしていましたが、隠す事は無く一つの個性として生きていました。
私は彼女が大声で笑うことを見たことがありません。必要以上に萎縮していませんし、大学の企画や行事をそれなりに楽しんでいました。
話は少し変わりますが、私は見ない方がいいものを見てしまいます。奇声を上げたり様子がおかしい男女、酔っ払って人にからむ男性、胸の大きな人。そして髪の量が少ない男女。
髪が少ない方がこれは治療の副作用だなと思ってもマジマジ見てしまいます。心の中で「ダメだよ。見られたら嫌だと思われるよ。傷つけるよ」と。
そう思っても目はそっちにいくし、見ないとダメなくらいに理性をガタガタに揺らすのです。
ゼミ仲間に無遠慮な視線を向けた事の反省を実行出来ない私は自分が嫌いです。
見る事で傷つける事はあります。
見てはいけないものはあるのです。
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