第63話・戦闘成果とその後の彼

 あの後の話をしよう。まずはレヴィの進化。攻王姫という種族へと進化、攻撃力などがかなり上昇して、アタッカーとしてかなり優秀になった。


 クロティルドは悪魔としての位が上がり、新たに【呪術・闇スキル】というのが手に入ったため、呪術系に専門のスキルがあることが判明した。これはかなりやばい情報だ。


「かなりの収穫だね」


「うん。ドラゴンのレシピが手に入った」


 みんなで『宝石箱』の建物に入り、このことを報告しあう。呪術系の新スキル、ドラゴンの存在が大きい。ドラゴンの素材を使い、レシピが解放されているため、強力な装備が作れるようになった。


「それだけではないんだ」


 ガーネット達の方でも、宝石の谷のドラゴンが倒されて、安全になったという噂が流れ、宝石の谷に関する情報が手に入るようになったらしい。これにより宝石の谷の存在が、別プレイヤー達の耳に入ることに。おそらく宝石の谷へ入る方法が緩和されたのだろうと予測される。


「別口で宝石の谷へ入る許可証が手に入る可能性が高くなったから、私達はそっちを当たるよ」


「なら私はボス討伐周回する」


「大丈夫?」


「やる!」


 黒猫の目はやる気に満ちていて、これ以上言っても聞かないだろう。だからそっちは良い。


 残りはドロップ品の確認だが、竜の肉を初め、骨や鱗。鉱物カテゴリーのアイテムが手に入った。宝石もあるため、糸に加工でき、それが布にできて装備に換えられる。


 装備の幅が広がり、自分のスキル上げが最優先事項になったな。


「それじゃ、少しゆっくりだけど行動に移るよ」


「うん、気を付けてね」


 黒猫はソロ討伐と周回、ガーネット達は別口で宝石の谷へ入れる手段探し。自分は売られたりしたり、倒したりして手に入れた砂漠ボスモンスターの素材を使ったり、糸作り、布作り、そしてそれらの装備作りでスキル上げ。


 やることを決めて解散して、各々自由に過ごすことになった。


 ◇◆◇◆◇


 装備品作りをしながら、ドッカンさんのところで進展があるかもしれない。自分は自力で作ったり、リファと共に作った装飾品や宝石を利用した装備品を持って、何度かお話したりしている。


 そうしていると、リファこと【妖精の腕輪】のことを言われて、せっかくだからととある場所を紹介された。あの優勝者のエルフさんがいるところである。


「やあ、こんにちは」


「こんにちは」


「聞いたよ。君の方も妖精に手伝ってもらっているらしいね。私も良い物を作る際は協力してもらっててね。お互いどんな物を作っているか見せ合わないか?」


 お互いの作品を見たが、やはりあちらの作品の方がレアなスキルがあったり、強力な装備だったりしている。見た目も良いな。


「君の方は装飾の特殊能力が高いね」


「まだまだですね。あなたの方が綺麗であり、装備品としての格が違う」


「そういってもらえたなりよりだけど、君はスキルが欠けている。それと私と違って、星の一族とのコネクションがあるみたいだね」


「星の一族?」


「ああ」


 話を聞くとスピカのことらしい。あの山の山頂に住む一族であり、星の力を宿らせる秘術を覚えられる者らしい。狙われたりするから吹雪の力で道を閉ざしているとのこと。ちなみに分類的には妖精と変わらなく、保護したスピカは探されていないか、いなくなったことに気づいていないかだろうとのこと。


「おそらく君のところの子も、気にせず生活しているだろう?」


「確かに」


 親とか探しているかと思ったが、かなりシビアらしいな。その中で妖精と心を通わせる【シンクロスキル】というものがあるらしい。自分の場合、それがあればより良いものを作れるとのこと。


 覚え方は教えてもらえなかったが、自分ならいずれ覚えるとのこと。


 そこまでヒントを教えられれば十分だろう。話を聞き終えて別れる。なにげにこの店も一見さんお断りでお高いお店だ。黒猫が喜びそうだから連れてきてあげよう。


 こうして戻った後は、リファとスキルのことを話し合う。


「協力すればいずれ手に入ると思うんだ。一緒により良いものを作ろう」


「おっけぃ!」


 いつもと変わらない返事だが、それで十分だ。他の子ともこれから共に頑張ろうと声をかけてから、作業に移る。そうして色々物作りをしていると………


「おぼえたねえ」


「えっ?」


 そうリファが言い始めたため、スキル欄を確認する。確かに【シンクロスキル】というのが手に入っていた。


 どうやって手に入れたか、具体的には分からない。だけどこれでより良いものを作れる。早速、あまたの素材を使い、装備品を作り出して………


「おー!」


 さすがに驚いた。これまでより良いものを作れるようになった。この調子ならドラゴンの素材が持ち込まれても、期待に応えられる。


「ありがとう、リファ、みんな」


「いいってことよぉ」


 テイムモンスター達がみんな喜んでくれた。それだけでいまゲームしているのが楽しい。


 こうして装備を作り出して、黒猫がドラゴンの素材を持ち、帰ってくるのを待ち続けた。


 待ってろよ、度肝を抜かけてやろう!!

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