第57話・雪山以外で
餡子など、少し独占している品物が多い。クラーラを経由して農業クランなどに流しているが、属性が必要な畑でしか作れないし、育たないためあまり数は揃わない。
畑のやりくりをしつつ、羊系統の子やフェアリーミツバチの蜜など、たくさん揃えたりしている。フェアリーミツバチはクラーラに懐き、友誼を結べた。
フェアリーミツバチの蜜の方が品質は良く、攻撃力を含む花から攻撃力を上げる蜂蜜など手に入れるから、薬膳にも使える。かなり滋養があるようだ。できる限り、フェアリーミツバチをいろんな人に分けた方が良いな。でないと求める人達によって自分が潰されそう。
「友誼系はフレンドに分けたりできるみたいだな」
「はい。私経由で他の人に渡しても?」
「いいよ。ああけど、変な人が現れたらすぐに言うんだよ?」
「その時は農業クランの先輩にも言います」
こうして物を増やそうとするのだが、聖と邪の畑や作業場が少ないようだ。光と闇は聖邪の畑と共存できるみたいだから助かるが、色々管理が大変だった。
「ふう、邪属性も放っておくと闇属性の畑になるな」
どうも聖邪の方が上位の畑であり、弱まったりすると光と闇の畑になる。テイムモンスターも育てたりして闇属性や邪属性に換えるように育てている。エサをそれ系にすれば一番いいが、エサも同時に用意するのが大変なんだよな。
トナカイもセイントトナカイになったりと、毛皮が良くなる。これも売れるため、資金源として活用している。
他にもカカオの風味がマイルドになったり濃くなったり、調整は大変だ。カカオやココアのお菓子は人気で、ウチの子達も好きだから、維持はしないと。
鍛冶も最近はレベルアップしてだいぶ育っている。戦闘で魔法系のスキルを育てて、魔法製作と魔法金属を作らないといけない。得意になっているのは火属性、光と聖属性、闇と邪属性だな。他の属性はハーフリングの鍛冶師クランが良いらしい。
スペックはオオエドさんとこが一番であり、時々届きそうなスペックができるくらい。だけどまだまだだな。
「あーさすがに辛いな」
毎日ログインはしているが、できる時間は限られている。フルログイン組は得意なスキルレベルを上げながら、別スキルを育てている。だが………
「時間がねえ」
「えー」
黒猫は時間が無いという。この子はすでに勉強時間も削りたいのか、ゲーム内で分からないところ聞きに来たりする。
教えてあげているのだが、時間が無いと言ってお菓子を食べている。ココア系とチョコ系を嬉しそうに食べていた。
「あーお菓子も食べ放題で時間もあるのってサイコー」
「いいけど、ログインしすぎじゃない?」
「そうなんだけど、強くしたいし、いろんなとこ行きたいし、いろんな装備コレクションしたいし」
「フルログイン組も大変だね」
「私はマシだよ。仕事でログインしてるガーネットが大変」
その通り、日々ネタを探しつつ、探索や攻略配信しているガーネット達は大変だ。最近はネタ出しにノートの装備厳選という名目で、作業を見せたりして時間を作ったりしてる。自分も配信に出ることになるが、まあ忙しいから気にしていられない。アバターだしいいかってくらいだ。
とりあえず星系のスキルやアルカナの能力を把握したいが、これはスピカの作る素材を使う。実はかなりレアで特殊能力を装備に発現させるのも難しい。狙った能力もだ。これは要研究で調べるしかない。
「そろそろ砂漠のボスも居場所が分かったところだし」
「ノートはいったんそっち行ってボス装備と素材集める?」
「うん。調べればいいプロテクターあると思うし、自分で特殊能力を付けたらどれくらいになるか調べておきたい」
「おー」
黒猫は嬉しそうにしてココアを飲む。そして暖炉のところを見ると。
「あれ?!」
「どうしたの?」
「妖精がいなくなった腕輪おいてたら、【闇妖精の腕輪】になってる!」
「えっ?」
【妖精の腕輪】ではなく、闇? 確かに闇属性や邪属性が集まるところだけど。レアっぽいため、黒猫は喜びながら、少し勉強を切り上げて試しに行ってきた。
分かったのは闇の盾や闇の剣を放つ妖精が出てくるらしい。戦闘サポートができるサーヴァント系の魔法らしい。黒猫は喜んだ。
これによりアクセサリーと化した【妖精の腕輪】集めも加わり、探索が始まる。黒猫はそこそこコレクションしていて、家を貸してあげた。
自分は装備の厳選を開始して、未発見の特殊能力を把握してそれを付けるにはどうすればいいか調べたり、結構忙しい。いまのところ自分クラスの能力発現ができる人はいないそうだ。だから自分でデータ集めしないといけない。はよフルログイン組間に合ってほしい。
とりあえずいったん闇畑と光畑は安定したし、砂漠で新しい畑を手に入れたい。商業都市で買い物してみたいな。
そうと決めたら、今度は砂漠の方に行くか。そう考えながら、子供達の面倒を見つつ、厳選を頑張ることにした。
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