第53話・古代の塊

 最近の仕事が変わりだしているというか、追加されつつある。


 それは古代の塊関係だ。どうもこれを正規品に変えるスキルを手に入れたのは自分だけらしい。知り合いのクランやプレイヤーの分をしながら強化をしている。おかげで強化方法も少しわかりだした。


 まず『古代の塊:片手剣』である。これを元の製品に変えるため、金属系アイテムを使用するのだが、いくつか魔銀などの属性を持つ金属であったり、耐久値が高い金属だったりする。最近だと『へビィメタル』というのが発見される。


 これと『ライトメタル』をうまく扱うのだが、これは元々合金のように扱っていたため、かなり手慣れている。後は『ネジ』などの古代素材である。これも扱いは慣れて来た。


 これらを使い、性能を高めつつ、武器として蘇らせるのが最近の仕事だ。正直、結構運がいるため、シズクの加護を使い水増ししている。というわけでできたのはこちら。『火竜のスネイルソード』。割と高い性能を持つ装備品である。


 使うと絡み制限というものが発生して部位を拘束、使用不可にできる。筋力があれば拘束を強める事ができるため、筋力高めの剣士が使用することが多い。できるだけ特殊機能持ちが喜ばれるため、気を付けて付けている。狙って付けるのが大変な作業だが、一番喜ばれるからな。


 ◇◆◇◆◇


「ふう、少し休憩」


 ガーネットが、クラン的にも集中しすぎるのは迷惑と言わんばかりに話を聞いているため、自分の時間で作業で来ている。文句の言う人はこちらが言う前に回りが蹴とばしている。


 それは良いし、いまが稼ぎ時とも思う。スキルのレベリングにもなるし、こちらとしては問題ない。


 鑑定も【古代鑑定スキル】というのが手に入り、武器カテゴリーや道具カテゴリーか分かるようになってきた。こういうのをいまのうち育てておきたい。


 まあ問題があるとすれば、ガーネットを初め、黒猫がテイムモンスター探していないことを気にしているところか。


 いやまあ自分はモンスターを連れて歩きたいから始めたけど、モンスター用の設備ってお金がかかるから、お金が入れば文句ないよとは言っている。最近ではホームに遊具を付けたり、畑の方で小屋をアップグレートしたりしたりしている。


 ミルクなどの入手アイテム数を増やす道具なども買い込み、糸、布、ミルク、タマゴ、毛皮は大量に手に入っている。最近だとコケッコ系の子から羽根が手に入るから、それも量を増やしてお金や魔法に換えていた。


 確かにテイムモンスターは増やしていないが、いまいる子の面倒をしっかり見つつ、楽しく過ごせているから問題ないんだけど。なんかないかなとチェックしていると、『マスコット』というものがある。


 ホームに猫や犬などのモンスターが飼えるらしい。これは良いな、お金を出して施設を両方に用意して過ごそう。


 というわけで豪遊とは言わないが、お金をたくさん使い、施設などを増やしている。猫は黒猫も気に入ると思うから、一緒に考えようかな?


 こうして作業に入ると、黒猫がレアな古代の塊を持って来た。内容は施設となっている。マジか、レアっぽいな。


 ならシズクのバフを受けつつ、効果を確認しよう。魔法耐性を上げつつ、属性は持たせるのはもったいないな。


 属性を持たせず、施設を作ることにした。しばらく時間をかけて、丁寧にしっかりと復元、強化をする。


 こうしてできたのは………


「『竜の鍛冶部屋』か………マジか」


「レアなもん落としたな彼奴、掲示板に上げよう」


「これは施設系の復元も入るか」


「だいじょうぶ?」


「んーお金になるから大丈夫だよ。最近マスコットも増やしたし、ただ他のフィールド探索はしばらく無理だな」


「先に行っていいボス素材探してるよ」


「うん。自分はサポートに入るよ」


 とりあえずプレイヤーは武器類、施設の古代の塊を探し出している。他にもレア物がありそうだから、結構大変だな。


 ガチャみたいだから未鑑定の物を高値で売る人もいる。うまくすれば掘り出し物が手に入ることもあるらしい。まあ復元するのは自分だけって状況が悪いんだろうな。早く他の人も復元できないとクレームも膨れ上がるぞ。


 そんな日々を少し過ごして、スキルのレベリングをしているのであった。


 ちなみに竜の鍛冶部屋はホームに設置することになった。黒猫が代金代わりと言ってくれた。今後も竜素材を作れるようになって、メリュジーヌが使っている。


 かなり強力な竜装備ができるようになり、売り上げも安定し出した。レベリングはしばらく放置で良いだろう。ゆっくりやればいいし、共に戦ってくれる黒猫が強いから、その装備を作って頑張ろうか。そう思いながらゆっくり過ごした。

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