第54話・三つの攻略ルート
別のスキル上げの為に、新たに雪山の先へと出向く。古代の遺跡が乱立し、ダンジョンがある遺跡エリア。さらなる山頂へと目指す最大山脈エリア。最大山脈エリアは吹雪に守られているため、浅いところしか調べられないが、まだ解放されていないのだろうか?
最近の仕事は呪術系で色々しているが、他にないかな? そろそろ増やしたいところではあるな。そう思いながら山脈をぐるぐる回って鉱石を手に入れる。『フロスト鉱石』と『星屑石』というものである。星屑石は未鑑定であり、能力不明の鉱石だがレアリティは高く、性能は良いのだろうと思われるため、ため込む人が多い。
それに『ムーンストーン』という宝石の原石と『月光鉱』というアイテム。研究に使えるからため込んでいるところだ。
そうして探索していると、ピーという鳴き声が聞こえる。
「モンスターではないな。なんだろう?」
辺りを探してみると、ケガをしたなにかがいた。正直に言えば人型のモンスターなのか、精霊や妖精の類なのか分からない。
「ピー!」
半泣きで飛ぼうとして飛べない。背中に羽根がある鳥の足の種族。ハーピィというものだろう。そんな子が泣いていた。
半べそであり、白いアイコンであるため、攻撃はせずに接近。回復魔法や料理を食べさせた。その結果、友誼を結ぶことができた。やはりハーピィ族であり、名前は『スピカ』という。
家に連れ帰り、安全な畑拠点へと移動。そこですくすく育ちだす中、新たなスキルが生えた。月魔法と星魔法というスキル。
「???」
どんな効果なのか、使用する方法もない。そもそも星属性、月属性というのがないからだ。だが魔法スキルとして生えたということは、条件をクリアしたということ。
そして使い手は傍にいた。スピカがその魔法が使えるらしく、付与魔法をかけて、料理を作ったりする。できたのは『星のクリーム』、『月のチョコレート』、『星魔銀』など。
これは隠そうかなと思う。一部隠しておかないと大変だからね。ただ装備作りはやはり新たなスキル所持が生まれる。『アルカナ:皇帝』と言うのが付き、かなり防御面が高くなる。
一部内緒にすることは、黒猫達も納得した。ミルクを飲むスピカを見ながら、あやしたりして大切に育てることになる。ストレス値というのがありそうなこのゲーム、無理してはいけない。特殊効果もたまたまということにして、しばらく放置。
とりあえず山頂付近は探索しつつ、研究することになった。
◇◆◇◆◇
最近の配信者やトップ勢の動きとして、以下の状態だ。
雪山の先を進む配信者ガーネット達こと『宝石箱』。アッシュ率いるガチ勢は森林エリアを向けてエルフの王国へ。聖女騎士団達が切り開き、砂漠エリアの商業都市へと向かう。
アッシュ達の方はハズレみたいな扱いだ。エルフ達は友好的だが、ハイエルフという種族は良い顔をしていないらしい。ダークエルフは中立であり、バランスは取れているらしい。ただおバカな人達も付いてきて、余計な衝突やトラブルが起きているから、一般ユーザーは近づいていない。
砂漠地帯は当たり扱いらしく、商業都市で買い物などしている。砂漠と海を制する都市らしく、品物は多くあり、遠方の素材が高値で買われている。
雪山も先にエリアがあり、古代都市から古代系のアイテムが手に入るから。ここで素材を集めて砂漠で売るという構図が良いらしい。レアなアイテムも探されていた。
そして黒猫がソロ討伐をして、ボスを討伐。本を手に入れて帰還した。本は品物の代金代わりに渡してくれる。
「んーやばいなー」
「? どうやばいの?」
「きゃきゃ♪」
スピカを高い高いしながら聞く黒猫。黒猫が持ち込んだ本は呪術系の魔法が記されている。古代語もかなりのレベルを求められ、運が良いのか【浮遊する短剣】が製作可能になった。
それに黒猫が静かに目を輝かせている。とりあえず呪術を作り、装備作りに回すか。アルカナという特殊能力もこれで隠せるかもしれないし、これは表に出すか。中身は教えないけどね。
っていうか、これは口頭で教えるのは難しい。モチーフなどと一緒だなこれ。
「装備は強くできそう?」
「んー特殊な効果が付けられそう。とりあえず研究だね」
「ボスのレシピはどうする?」
「まだあのあたりは難しいからな。完全におんぶにだっこはさすがに」
「分かった。素材だけは集めてレベリングしてるね」
そうさせてほしい。色々製作しているし、色々工夫もできるようになってきた。
畑の方でも忙しくなってきたし、砂漠の方にも顔を出したいな。昆虫系の外殻で良いのがあるらしいからね。
そうなると一通り研究したら砂漠の方にレベリングしにいって、レシピを確保した方が良いかもな。エルフは少しごたごたしているから断る。
そうして色々本を読みながらアイテムを増やす。特殊な能力を持たせられそうだから、そちらを鍛えることはできそうだ。そう思いながらこつこつとクエストもしつつ、静かに過ごしている。
そろそろモンスター達も進化して欲しいな。そう思いながら頑張ってみよう。
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