第51話・闇属性畑

 雪山に住まう最後のボスモンスター。それを退治する前にスキルのレベリングをすることにした。黒猫達と組めば倒せるだろうが、それでは戦闘面で成長しないからね。


 ガウムの攻撃と回避を繰り返す様、しんじゅのヒーラーとしての活動、グリモワールの雷魔法、レヴィのパイルバンカーによる攻撃力、レントの魔法剣士としての活躍、シズクの幸運によるクリティカルダメージ、メリュジーヌのブレス攻撃。


 召喚系である【凍狼の雄叫び】から召喚した『コバルト』という狼、ハヤテと共に前線での活動をメインに動く。【浮遊する短剣】によるレギオンの攻撃を見ながら戦闘を繰り返す。


 メインは杖になり、両手持ちの杖に使用。防御力を上げるために盾を装備したり、短杖で活動したりとプレイスタイルの確認をする。


 盾で面白いのは【盾術スキル】は育つと【攻盾術スキル】と【防盾術スキル】が生えること。パイルバンカーだけでなく、シールドアタックという攻撃方法を獲得したりと、必要なスキルである。できれば中級とまでは言わないが、8か9くらい育てたい。


 魔法も強化したり、新たに強力な物を作ったりしながらだが、数がな。召喚系でかなり枠を潰しているからね。仕方ないからハヤテとコバルトを交互に使うことにしている。


 生産は投擲武器、片手剣、短杖、両手持ち杖、盾とライトアーマー系を基本作るようにしている。それ以外はあまり深入りせずに作り、スキルを上げるために作り続けていた。


 木工系で強いのはやはりexスキル持ちということ。木材系はかなりたくさん手に入る。貴重な樹を切る際、レベルが低く伐採できないということがあるが自分は問題ない。確保した貴重な樹を育てたりしながら進めている。


「町で素材を卸すか」


 貴重な『雪結晶のヤドリギ』という木材が手に入る。町の人曰く貴重な樹らしい。小屋とホームで育てているところだ。それで変化はあった。


 小屋の方では聖属性に育って『神聖なるヤドリギ』というアイテムが取れた。かなり貴重らしく、神官関係者に売れる。素材としても魔法の材料としても優秀のようだ。ホームはといえば、こんなついに二つの樹が育った。


「禍々しいな」


 カカオのような木の実を宿した『ココアの樹』という、チョコが取れる木になった。そしてもう一つ『邪黒樹の苗木』が育ち、悪魔が現れた。


「………」


 ピースしていつの間にか混じっていた。深紅のような赤い瞳、黒い黒曜石のような長い髪。黒髪美少女としていま『宝石箱』が着せ替え人形にしている。無口というか大人しい子であり、邪黒大樹から邪属性と闇属性の素材を取れるようになった。


 デスサイズや馬上槍などの武器を使うようであり、暗闇呪術という魔法が使えるようだ。


「これはどう使うんだい?」


「………」


 魔銀を取り出して、付与する様子で着けている。変化した素材は暗闇鉱石としてインゴットになり、使ってみると弱体魔法付与とついている。使ってみたところ、相手を弱らせるらしい。デメリットとしてMP消費があるらしいが、詠唱無しで相手の防御力ダウンを使える武器とのこと。


「デメリットのMP消費はまあまあ食うけど、オンオフできる!」


 黒猫が喜々として実験したところ、使用するタイミングを決められるらしい。攻撃を当たれば当たるほど、防御力ダウン、敏捷力ダウン、魔法耐性ダウンの三種類のどれかを作れた。


「防御力ダウンで良いの頼む」


「はいはい」


 良い感じの片手剣を作るため、色々試したところ、闇属性の片手剣ができた。ドレインソードという。できたドレインソードは闇属性、消費MP軽減を小付けられた。軽減系は強いのを付けるのは難しいな。


 十分十分と大金を渡す黒猫。最近大きな物を製作したもらってたから、そのまま受け取ってと言われたので受け取っておこう。新たな子、ユニークで名前は『クロティルド』。無口だが、製作については手を貸してくれて、気が付くと小屋の方に行って、ガウムと遊んでいたりする。


 聖属性っぽいしんじゅとも仲が悪いわけではないため、問題はない。あるとすれば………


「んー」


 ホームの畑が邪属性、闇属性メインになったことか。カボチャがジャックカボチャというものになったり、育たなくなったりした。これは要確認だ。


「温室があれば影響を遮断できるな」


 とりあえず温室を使いつつ、闇属性で育てられる素材を調べたりしよう。毒草が死毒草という物に変わったり、暗黒花と悲願花というのができたり、変わった効果の素材になるな。


「明らかにこいつの影響か」


「おう、まさかの結果」


 黒猫がプレゼントした邪黒大樹がガンガン影響を与えている。よくみるとクロティルドが影響を与えるように畑にいろいろしている。まあいいや。


 雪山ホームは闇属性生産地として機能すると決めて、シルクワームも入れてみたら、真っ黒で美しい蝶になった。そのスクショはある種の人々の琴線に触れている。


 ホラー系統が好きな人が『夜煌蝶』に興味を持ち、ぜひウチに欲しいと話題になる。ホラー要素を持つ美しい蝶は静かに、妖艶に輝き、糸を紡ぐ。


 ダイヤのところで闇属性の品物も強くなり、良いのができている。魔法職の人が買い込むようになってきたようだ。革鎧とかもかなり売れている。ともかく、闇属性畑は要研究だな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る